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米陸軍、生物の筋肉組織を装備したバイオハイブリッド・ロボットを開発中

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(著) (編集)

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photo by iStock
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 アメリカ陸軍研究所が目指すロボットは、重厚感あふれるロボットなどではなく、生物のよう俊敏に動き回ることができるロボットだ。

 そのために研究されているのが生きた筋肉で動くロボット、「バイオハイブリッド・ロボット」である。

 米軍が利用している現在の最新ロボットは、4つの車輪を利用しているが、ディーン・カルヴァ博士によると、メインの駆動機関としての車輪や集中動力システムとしてのバッテリーは、設計を工夫して改善することが難しくなりつつあるのだという。

 生体の筋肉が組み込まれたロボットなら、人間にとって危険である地域に到達することが可能となる。

生物が持つ筋肉の収縮性・柔軟性に注目

 カルヴァ博士が学生ときから関心を抱いてきたテーマは、エネルギーの効率性だ。

野生のオオカミを見てみましょう。おそらく同じ重量であっても、それほど大量に食べることなく、ずっとたくさんの重量を運びながら数百キロを移動できます。しかも軽く睡眠をとれば翌日にはまた同じことができるでしょう

 そのような生物の能力をロボットにも応用するべく考案されているのが、筋肉のような収縮性のあるアクチュエーターと分散された化学的エネルギーだ。

 こうした生物学的なシステムは、長時間稼働することが可能で、柔軟かつ静粛。しかも熱くならないというメリットがある。

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 だがカルヴァ博士によると、その真価は柔軟性にあるという。

 たとえば既存の4足歩行ロボットは、整備された駐車場でなら見事な走りを見せてくれることだろう。ところが、そこから何も情報を与えずにいきなり砂利道に進ませると、途端にぎこちなくなる。

 その原因は、ロボットのアクチュエーターが柔軟性に乏しいことにある。そのために予想外の変化に対応することが下手くそなのだ。

 一方、これが人間ならとっさに反応することができる。

野原を走っていて、ウサギの穴に足を踏み入れてしまったとき、『大変だ、ウサギの穴にハマってしまった』などという足からのシグナルが脳に到達する前に、体は突然の変化に対応するべく動き出しています

 とカルヴァ博士は説明する。

 それは生物の制御システムの妙もあるのだが、その直前よりも余分に曲げ伸ばしすることで変化に対応できる、柔軟な筋肉と腱によるところも大きい。

 ロボットに筋肉を統合する最大のメリットはそこにある。

 軍用ロボットは、状況が正確に把握されたコースだけでなく、情報が乏しい未知の環境を移動しなければならないときもある。どのような状況に遭遇するか予測不能な環境では、高い適応能力が必須となる。

Army strengthens future tech with muscle-bound robots

電気パルスや化学反応で筋肉を制御

 基本となる仕組みは、ロボットの硬いボディに筋組織をとりつけ、そこに電気パルスか化学反応でスイッチを入れるというものだ。これによってまるでバネのように筋肉を収縮させる。

 現時点ではプロトタイプすら完成していない。だが最初のモデルは、陸軍のLLAMAや海軍のLS3に似たプラットフォームが利用されるだろうとのこと。

 また陸上のロボットだけでなく、同様の技術を応用して翼を羽ばたかせて飛行するドローンの開発も検討されているとのことだ。

References:Army Explores Equipping Robots with Living Muscle Tissue – Nextgov/ written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 41件

コメントを書く

    1. >>1
      後のターミネーターである、じゃないのがなんかツボった
      スカイネットそのものになっちゃうのね

      • +2
  1. シューティングゲームで地面歩いてるヤツやん

    • +3
  2. 伊藤計劃の虐殺器官にこんな感じのロボット出てたよね。生簀でイルカだかクジラだかを育ててそれをロボットに組み込むやつ…ところで筋組織って臭ったりするのかな?

    • +2
    1. >>3
      しかも、購入者は酷い環境の中で作られたであるのと倫理的にもやばい製品である事を知らない・・・。

      • 評価
    2. >>3
      アニメの方でバーの場面で出てきて犯人が説明してたな

      • 評価
  3. 「カニが島を行く」っていう古~いSF小説を思い出した 自律進化・増殖するロボットの実験の話だけれどこの状況をちょっと皮肉っていて面白い

    • 評価
  4. 極めて高度な構造を持つアクチュエータが既に存在するのに、わざわざ鉄で代用品を作る研究をするのは無駄が多いよね

    • -2
    1. ※6
      ただ制御の方となるとやはり極めて高度すぎて電気流すと収縮するくらいの基礎研究にとどまってるから、打てば響くシンプルな鉄の代用品のほうが応用は利くんだ

      • 評価
  5. また新しい技術が人殺しに使われてしまうのか….民間なら大歓迎なんだけど。
    かといって、今ある既存の銃火器・戦車・艦艇・軍用機などの運用はセーフというわけじゃない。もちろん、それらを保持している時点で大問題なのは間違いないし許されることじゃない。特に、日本やアメリカなんてのは他国に先駆けて自国の軍備全てを放棄するべき。

    • -11
    1. ※8
      >民間なら大歓迎なんだけど

      それは、リアルな手触りの肌を持つ
      “大人向けのお人形”とか、そういう…?

      • +1
  6. オリエンタルと合わせてメイドロイドを早く

    • +4
    1. >>12
      正にそれやな
      MGRの時代だと完全に人造物になったらしいけど、5の時は牛だか馬だかの筋肉使ってるって設定で、だからこそ麻酔銃が効く様になってたもんな

      • 評価
  7. 活動栄養補給、廃物の排泄、熱冷却等色々複雑な装備で大層なものに成りそう

    • 評価
  8. 日本のアニメにも人工筋肉のロボ多数いるけど、理にかなってたのね

    • 評価
  9. 最先端技術は、先ず軍事用に供される

    • 評価
  10. ボトムズもたしか人工筋肉でうごいてるんじゃなかったっけ?

    • 評価
    1. >>25
      ボトムズは稼働にリンゲル液とか言うのを使って油圧と筋肉の合いの子みたいな動作方式してるとかだった気がする

      少なくとも生体部品的なのは無かったと思う

      • +1
  11. 収縮する筋肉と鉄の融合か。やはり某ゴジラのように金属細胞を実現して金属生命体を生み出す方向性が正しいのだろう。

    • 評価
  12. 筋肉で長時間可動でき、自動姿勢制御も可能で、いざとなれば非常食にもなる!

    しかしそれは「馬」で良いのでは……?

    • 評価
    1. >>29
      馬は、膨大な飼葉が必要だから、戦場から消えて行ったんだぞ

      • 評価
  13. こういう技術は軍事ではなくセクシャルなものだけにしてほしい

    • -1
  14. 筋肉に置き換わるのはモーターであって筋肉に置き換えるだけで小型化、出力の強化が同時に実現できる

    のはSFの話だけやろか?実際の生物の筋肉使うと電気信号だけにとどまらず、収縮弛緩に電解質を使うし、生体維持のために栄養も与えなあかん。酸素もしかり。逆に巨大になるし機敏さや柔軟性もダメになりそう。消費期限つきロボットとか目も当てられない。

    • +1
  15. オオカミがたくさんの重量を運びながら数百キロを移動するっていうのがよくわからないんだけkど

    • 評価
    1. ※40
      翻訳が持って回ったような言い回しだけど、
      「同じぐらいな体格のロボットに比べて、
      少ないエネルギーと簡易なメンテナンスで
      より速く遠くへ、自重を数百km単位で移動し回ることが可能」
      って感じの趣旨じゃないかと。

      • 評価
  16. 筋肉だけクローン技術で作れるのかな
    何かの生体・成体までつくって、不必要な部分は廃棄だったら嫌だな
    気味が悪いよ

    • 評価
  17. ロボット「キンニク ハ ウラギリマセン」

    • 評価
  18. 伊藤計劃の虐殺器官を思い出した
    確かイルカだった気がするけど

    • 評価

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