師走はタコも忙しい？水中を高速でスタスタ歩く

　気づけば今年もあとわずか。毎年バタバタしがちな師走も終盤となった今、Facebookでは8本足を巧みに使い、人間の二足歩行さながらに海底を移動する俊足なタコの動画が話題を呼んでいる。

　日本などでは古来よりおいしい食材として親しまれる一方、近年はかなりの頭脳派として研究者が注目するタコ。

　そんな人気者かつ知恵者のタコ先輩も、この時期はあちこちでひっぱりだこなのか、脇目もふらずスタスタ歩く意外な姿がなんとも愛らしいし、クリーチャーっぽくもクトゥルフっぽくある。

人間並みの足運び！海底をスタスタ歩くタコ

　この映像はドキュメンタリーで大人気のディスカバリーチャンネルが今月20日にFacebookでシェアしたもの。

何をそんなに急いでいるのか
走りに近いスピードでスタスタ歩くタコ先輩 余分な足をきゅるっと巻き上げ力強く蹴り出す姿はもはや人！
いや、未知なるクリーチャー、それともクトゥルフ？ あのみずみずしい質感からは想像できないほど、しっかりした歩行に凛としたかっこよさまで感じてしまうのは私だけだろうか？

泳ぎよりも歩き？歩きながら道具を使って敵を欺くタコ

　アメリカの慈善動物保護団体WAFによると、多くのタコは「水を体に吸い込んではサイフォン(漏斗)と呼ばれる筒状の器官から噴射する」ことで泳ぎ、余った足で推進方向を定めているという。

　なお「歩く」タコに関しては2005年の研究で明らかになっている。その研究によると周辺を動き回るときや捕食者から逃れるときのタコは、泳ぎより歩行を好む傾向にあるらしい。

　サイエンス誌の3月号に掲載された論文には、2本「足」で移動するタコが、残りの6つの「腕」で海藻の塊やココナッツの殻を道具にして、捕食者を欺く姿に変身するやり方が詳しく述べられている。

参考：ココナッツの殻を道具に使うタコ 　必死に泳いで逃れるのではなく、歩きながら道具を使って別物になりきるなんて賢いにもほどがあるが彼らはそんな高度な技を一体どこで学んだのだろう？

　こうしたタコのスゴ技はタコリスペクターなカラパイアでも事あるごとに紹介している。他にも貝で身を守るタコやダイバーに甘える仕草を見せるタコなど愛らしくとても賢いタコは本当に興味深い生物だ。

動物に対する知識を変え、ロボット分野にひらめきを与えるタコ

　前述の論文の共著者で、カリフォルニア大学の統合生物学教授でもあるロバート・フル氏も、人のような二足歩行だけでなく、身の回りの物で巧妙な擬態までするタコの発見が動物にまつわる知識の全てを変えた、とコメントしている。

それはソフトロボティクス（柔らかいロボット）の新時代の幕開けに正しいインスピレーションをもたらす発見でした。この映像は信じがたいほど素晴らしいものです

「すごい生き物！」「目を疑った」というフォロワーも

　欧米におけるタコはエイリアンやホラー映画のモンスターなど、とかく恐ろしくて奇怪な生物扱いされることも少なくない。だが今回の映像は海外のフォロワーにも相当なインパクトをもたらしたようだ。

　その中には「この惑星には驚かされてばかりいる」「吸盤があるから横歩きもできそう。すごい生き物だ」「ほんとにおもしろくて目を疑うシーン。見事な瞬間を見せてくれてありがとう！」などの感想もあったという。

　あまりに異質な外見ゆえに親近感など抱けるわけない！という人ですら二度見しそうなタコウォーキング。これでタコ先輩に一目置く人も増えたかな？

References:ladbibleなど /written by D/ edited by parumo
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