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腕に自信のあるゲーマーを募集中。軍事AIロボットの訓練にゲーマーの脳波を利用する試み(米研究)

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Kerkez/iStock
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 『スター・ファイター』という1980年代のSF映画では、凄腕ゲーマーの青年が銀河系を守るエリート戦士になるというストーリーが展開された(本格的なCGが導入された最初期の映画なので一見の価値ありだ)。

 事実は小説より奇なり――このストーリーは今や現実になろうとしている。

 米国防高等研究計画局(DARPA)から助成を受けたニューヨーク州立大学バッファロー校の研究グループが開発したのは、リソースを使ってユニットを生産し、敵を撃破する「スタークラフト」や「ステラリス」に似たリアルタイム・ストラテジーゲームだ。

 ゲーマーにゲームをプレイしてもらい、そのデータを元に、軍事ロボットの新しいアルゴリズムが開発されるのだという。

ゲーマーの脳波でロボットのAIを訓練

 このゲームは普通のゲームではない。プレイするには、脳波測定用の帽子(EEGキャップ)をかぶって自分の脳波が記録されることに同意しなければならない。ハイスピードカメラによって視線の動きも追跡される。

 こうしたデータは機械学習によって解析され、これを元にして新しいアルゴリズムが開発される。それは将来、ロボットたちを訓練するためのものだ。

 ゲームをプレイする人間の脳波を参考にして、空と陸で連携するロボットのAIが下さねばならない複雑な判断を補助しようというのだ。

 あなたのゲームプレイが機械の頭脳に注ぎ込まれるなど想像したことがあるだろうか?

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Douglas Levere, University at Buffalo

ロボットの知性を育てられる、スゴいゲーマーを募集中

 研究グループのスーマ・チョードリ氏は「スゴいゲーム体験の持ち主を募集中」と話す。

 彼の専門は「群知能」だ。これは分散自己組織化システムの集団行動を研究する分野——要するに複雑で高価な1台のロボットではなく、シンプルで安価な無数のロボットのグループの制御に関するものだ。

 個々のロボットをしつけて、集団行動をとらせるアプローチもある。だが、今回のプロジェクトの狙いは、機械学習型のAIを用いて、より自律的で、それでいて集団として意味のある行動をロボットにとらせることだ。

 たった1台のロボットを訓練するだけでも大変なのに、必ずしも同じ作りとは限らない個々のロボットを、複雑で不確かな状況の中で集団で目的を達成できるようにしようというのだから、その難しさは段違いだ。

 そのためには膨大な時間と費用をかけて、無数のシミュレーションを行わねばならない。しかし、人間のゲームプレイを参考にすれば、こうした負担を軽減できるかもしれない。

 チョードリ氏によれば、1万回必要だったシミュレーションが、人間のプレイデータで補強すれば1000回で済むという。

 独学よりも、いい先生に教えてもらった方が学習は速い。つまりはそういうわけだ。

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Olya Adamovich from Pixabay

AIには思いつかないユニークな発想がある人間ならではの強み

 予定では、25名ほどの参加者を募集し、各々にさまざまな条件で6、7本のゲームをプレイしてもらうことになるという。ただ実際のゲームのように数時間続くものではなく、1プレイは5~10分程度のものだ。

 プレイは、突然発生した煙で視界不良になったような状況など、飛行ロボットと陸上ロボットのさまざまな稼働環境を想定した条件で行われる。

 「人間はAIなら絶対に学習しないようなユニークな戦略を思いつきます」と、チョードリ氏は話す。

 確かに決まり切った状況ではかなり凄いAIも登場しているが、現実の環境の中で文脈に応じた推論ということになると、まだまだ黎明期にあるのだとか。

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Computerizer from Pixabay

 チョードリ氏が指摘するように、機械はすでにかなり高度な自律性を備えており、たとえばドローンならある場所からある場所へと移動する際に、おどろくほどの賢さを見せてくれる。

 それはゲームに搭載されたAIも同じだ。ゲームのAIはいくつかの低レベルなルールに従うことで、攻撃したり守ったりと、状況に応じて反応することができる。

 だが、どちらの場合も全体的な戦略が欠けている。

 「各エージェントを制御する低レベルなコントロールに人間は要りません」とチョードリ氏。彼によれば、監督や戦術家こそが人間の役割なのだという。

 スポーツチームの監督は、選手1人1人に逐一ああしろ、こうしろとは言わないだろう。そうではなく、全体的な戦略を練り上げる。チームはその戦略に従うが、試合の中での細い判断は個々の選手に委ねられている。

 チョードリ氏が開発しているのも、そのようなシステムだ。

 ゲーマーで軍事とか、漫画「マージナル・オペレーション」を連想してしまったが、戦うのがAIならより一層のSF感があるな。

References:digitaltrends/ written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 31件

コメントを書く

  1. リアルSAOやんかw

    攻殻機動隊のような世界もそう遠くない…

    • -7
  2. この才能が狙われる時代が来たという訳か…。(恋愛シミュ専

    • +9
    1. ※3
      う~ん、キミはAI学習班じゃなくて爆弾処理班で!

      • +5
      1. ※7
        ときメモを持ち出すなんて、年齢がバレるぞ!(自己紹介)

        • +3
      2. ※7
        処理の筈が何故か爆弾が増える事態に

        • +2
  3. 現実の戦争は陰湿でゲーマーのように単純なものでないけど
    AIにそれを学ぶことできるのかな

    • -2
  4. もし日本で募集するならパート待遇の月収10万円です

    • +2
  5. アーケードやオンラインの上位にいる怪物達なのか
    あらゆるジャンルを遊び、すぐにコツを見つけるゲーマーなのか
    どっちが欲しいんだろう

    • +3
  6. オリンピックの競技にしようぜ
    金メダリストは軍の制服組にヘッドハンティング

    • 評価
  7. このゲーム内容ってことはロボットにロボットを生産させるつもりなんだろうか

    • +1
  8. 科学者「よし、脳波のデータは十分とれた。じゃあ次は君の脳を・・・」

    • +3
  9. 全てのゲームがAIに勝てないわけだからAIが予想も出来ないような悪手を学習させる実質デバッカー仕事でしょ
    優秀なプロゲーマーとかがデバッカーになるとは思えないしちゃんとした人材なんて集まるのかな?

    • -1
    1. ※16
      現時点じゃむしろAIが人間に勝てるコンピューターゲームの方が少ないわけだが

      • +1
  10. ブレイン・デバイスの候補者探しじゃないですよね?(ガクブル)

    • 評価
  11. あかんやつや
    ((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル

    • 評価
  12. スターファイターは傑作だが別にAIの教育はしないけどな。日本語版の円盤発売して欲しいです。あとこれ使ってステラリスのAIも強化してくれよ。内政崩壊ばっかでつまらん。

    • 評価
  13. 音ゲーマーが来てしまったらどうするんだろう

    • 評価
  14. RTS参考にするのはいいけど大丈夫なのか?
    犠牲を強いる作戦とか割と平気でやるぞ

    • 評価
    1. ※24
      だからUGVとかUAV使うんだろ
      当たり前だけど人間の歩兵が活躍できる戦場とかこれからどんどん減ってくと思うよ

      • 評価
  15. ゲームの軍事利用か、これでゲームの有用性が証明できそうだな。

    • 評価
  16. 神「済まんな。この世界は、わしのシムユニバースのゲームの中やねん」

    • 評価
  17. 俺は、今は亡きロビン・ウィリアムズの「トイズ」という映画を思い出した。

    • 評価
  18. これ脳波でやる必要あるのか?
    状況と対処方法と結果の蓄積で十分な気が・・・

    • 評価
    1. ※29
      よくわからないですよね
      手の動きで実行された群体(スォーム)への指示・入力が、それ以前のどこの単独あるいは複数のポイントでの思考から為されたものなのかを脳波の活性変化と視線移動で記録・類推するため…とか?
      脳波の記録があるとどの時点や状況でプレイヤーが考えたのかが確定しやすいてことなのかな。

      • 評価

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