お酒を飲むと小腹が減るのはなんでだろう？（米研究）

　2019年フロリダ州オーランドで開かれた米国生理学会主催の実験生物学発表会で「飲酒は空腹をうながす」という研究結果が発表された。

　ペンシルバニア大学医学部がマウスを使って行った実験によると、アルコールを常時摂取していたマウスは高脂肪食を食べすぎてしまう傾向にあることがわかった。

マウスを使ったアルコールと食事の関連性を調べる実験

　研究チームは、マウスを使い、3つのグループに分けて8週間実験を行った。

　尚、マウスにアルコールを飲ませる際には、10％から20％の度合いで徐々にマウスが飲んでいた水をアルコールに変えていった。

　また、マウスが全員酔ってしまわぬよう、全てのマウスは望めばいつでも通常の水を飲める環境にした。

グループ1：
高脂肪食を常に与え、アルコールを日に4時間、週4回飲ませる。

グループ2：
通常食を与え、アルコールを日に4時間、週4回飲ませる

グループ3：
通常食と高脂肪食を交互に与え、アルコールはいつでも飲める状態に。

アルコールの過剰摂取が食べすぎの原因に

　グループ3は体重の増加と減少を繰り返し、アルコールの過剰摂取に伴う典型的な体重変動を観測した。更にこのグループのマウスは食事を与えられる期間には自ら好んで水よりもアルコールを飲んでいることが分かった。

　他2つのグループではこういった結果は見られず、アルコールも好んで飲むような行動も見られなかったという。

神経系統がつながっている

　ではなぜアルコールを摂取すると小腹が減るのか？

　アルコールを摂取した時に活動する神経系と空腹を司る神経系はつながっているからだという。

　その為アルコールを過剰摂取する人はお腹がすきやすくなり、高カロリー、高脂肪のジャンクフードを多量に摂取してしまうのだそうだ。

　今回の研究は、近年増加傾向にあるアルコール依存症と肥満症の原因究明に役立つかもしれない。

References:neurosciencenews/ written by riki7119 / edited by parumo

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