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ゴリラは仲間の死を悲しみ哀悼の意を捧げる。別種のゴリラの死に対しても強い関心を示す(東アフリカ)

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(著) (編集)

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Dian Fossey/Gorilla Fund International/CC BY 4.0
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 東アフリカ、ルワンダとコンゴに広がる密林で暮らす野生のゴリラは、死に対して強い関心を抱いているようだ。

 今回記録されたいくつかの事例では、ゴリラが仲間の死体に集まって、じっと見つめたり、毛づくろいをしたりしている姿が捉えられている。まるでそれは人間の葬儀のようで哀悼の意を捧げているかのようだった。

 また、仲間ではない別種のゴリラに対しても、その亡骸に近づき、ニオイを確認し、触れたり撫でるといった行動をしていることがわかった。時には遺体が目を覚まさないことに憤りの行動を見せるゴリラもいた。

ゴリラと仲間の死を記録した3つの事例

 2つの事例は、シルバーバックのマウンテンゴリラ(Gorilla beringei beringei)のもの。ゴリラたちは倒れたリーダーのそばに集まっている。

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Dian Fossey/Gorilla Fund International/CC BY 4.0

 3つめは、ヒガシローランドゴリラ(Gorilla b. graueri)の群れで、自分たちとは違う種の遺体に近づき、その死を確認するような仕草を見せた。

 いずれのゴリラも遺体から10メートル以内にそっと座り、時折近寄っては触れたり、臭いをかいだりしている。

 研究論文ではこう述べられている。

驚いたことに、チマヌカ(ヒガシローランドゴリラのボス)の群れのほとんどすべてのゴリラが、別の群れのゴリラの遺体に触れていた。彼らの行動反応は、マウンテンゴリラが仲間の遺体に対するものとそっくりである。

 こうした反応はゾウのものともよく似ているというが、ゴリラたちに慈しむ心や仲間の死を悲しむ気持ちがあるとともに、死に対して興味を抱いていることを示すものだ。

・最後の別れを告げたい。亡くなった群れのリーダーを追悼するために集まってきた300頭ものゾウ(スリランカ) : カラパイア

母親の遺体に寄り添う息子

 ルワンダにある火山国立公園で、リーダーだった35歳のオスと38歳のメスが老齢によって死んだとき、群れのほぼすべてのメンバーが遺体のそばに集まり座っていたという。

 もちろん、死んだゴリラと近い関係にあった仲間ほど、遺体に寄り添う時間が長かった。

 たとえば、メスゴリラの息子は、冷たくなった母ゴリラの遺体に寝そべったり、その上に座ったりながら、じっと顔を見つめたり、母親の頭を軽く動かしたりしていた。

 「彼は母親の遺体の毛づくろいをしたり、とっくに乳離れしているというのに乳まで吸おうとした。」

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Dian Fossey/Gorilla Fund International/CC BY 4.0

なぜ起きてくれないの?遺体に対し怒りの行動を見せるケースも

 だが、そうした葬いは必ずしも優しいものばかりではなかった。オスゴリラの中には、遺体に向かって胸を叩いたり、声を上げたりとディスプレイ行動をとる個体もいた。

 また先ほどのメスゴリラの息子などは、母ゴリラの遺体を蹴りつけたりしているし、よそ者の遺体を坂の上から突き落とすゴリラもいた。

 だが、研究者の説明しているように、こうした攻撃的な行動は「遺体の目を覚まさせようとしているのに、なかなか起きてくれないことへの苛立ち」の表れなのかもしれない。

ゴリラは仲間の死を悲しみ、「死」自体に強い関心を示す

 ダイアン・フォイー国際ゴリラ基金のエイミー・ポーター氏によると、ゴリラの場合、ライバルとなる可能性がある群れ同士、あるいは群れと個体とのやりとりは、互いに避けるか、物理的な接触をともなう(あるいは接触のない)攻撃という形をとるという。

 しかし今回のヒガシローランドゴリラの場合、見知らぬゴリラの遺体が意外なほど丁重に扱われていた。

 20分近くにわたり、ゴリラたちは代わる代わる遺体のそばに寄り、色々な角度から眺めたり、臭いを嗅いだり、舐めたり、突いたりしていた。

 だがメスは少々慎重な傾向にあるようで、群れの中で遺体を確認したメスは1匹だけだった。これは、よそ者のゴリラは子供を殺すことがあるためではないかと考えられている。

How Gorillas grieves by gathering around their dead body

 これは、ゴリラが死とどのように向き合うのか、新しい知見をもたらしてくれる貴重な映像だ。

 死を悲しむ生き物は人間だけではない。ゴリラも仲間の死を悲しみ、他者の死であってもそれに強い関心をしめすようだ。

 この研究は『PeerJ – the Journal of Life and Environmental Sciences』に掲載された。

References:gorillafund.org / studyfinds/ written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 24件

コメントを書く

  1. 動物は『死』というものをどう捉えているのか、やはり興味深いですね。
    人間は死について、定義づける事により一応の『答え』は持っていますが、それにしたって、例えば『脳死状態はどうなのか』などへの『正解』は未だにありません。
    また動物には、人間には感じられないようなものを感じ取る能力もあるので、人間には想像もつかないような『死の概念』があるのかも知れません。

    • +13
  2. のら猫ですら哀悼の意を表現するし犬も同様の行動する
    人間に近いゴリラが悲しみを知らないと思えないし
    そういう表現があるからこそ相手を思いやる心を生み
    長い年数生き残れたと思う

    • +9
  3. むしろ、関心が無い動物は何なのか?
    関心がある様に見える哺乳類は多い気がするのだが…

    • +8
  4. そういえばいつか手話のできるゴリラが死について語ったことがあったな。

    • +10
    1. ※6
      ココだよね。
      苦しみのない穴にさようなら。

      • +12
    2. >>6
      手話に一貫性が無く、担当の学者一人しかそれを理解出来ない点から捏造なのが判明してるよ

      • 評価
  5. 小鳥だって仲間やつがいが死ぬと悼むような行動をとるよな

    • +7
  6. 昨日まで意思疎通ができた相手が、ただのモノになっている。若いほど混乱するだろうね。それを乗り越えて成長する。動物が地球に登場してからずっと繰り返されてきたはず。

    • +6
  7. >死を悲しむ生き物は人間だけではない

    こういう見方が人間目線

    子供を育てる哺乳類は情が厚い
    仲間の死を悲しみ、他者の死であってもそれに強い関心をしめすのは当然だ

    • -7
    1. ※11
      死を悼む感情のない生き物は下等とでも言いたげでそれはそれで人間中心主義
      なんてね

      私たちの理解できない生き方をしている生き物がだから劣ってるなんてことはないのよ

      • +8
    2. ※11
      人間が人間以外の目線になれるわけないだろ?
      なれたとしたら、それは人間目線で見た、動物目線だよ。

      • +4
      1. ※20
        生き物の種類としての境界ってそんなにはっきりしたものじゃないくないか?
        いくつかある種の定義のなかのどれを採用するのかって話でもあるし、人間同士の間にある親しみの感情と、人間と他の種の個体との間にある親しみの感情と、明確に区別がつくものなんだろうかとも思う。

        • 評価
  8. 人類以外の動物に対しても、理屈としては「人権」と同じような観念を敷衍されるべきなんだろうなと思う。
    ただ人類と他の種との利益相反があるから現状便宜的に人類の権利を優先させてるだけなわけで。

    • +4
  9. 昔うちの犬が初めてロードキルのタヌキ見つけたとき、前足で叩いてみたり噛みついたりしてたのを思い出したわ。

    • +1
  10. 事故や病や死に対して人間も怒るよね
    ガン告白したとたん何故かバッシング浴びたり
    そのメカニズムに普通の人ほど気が付いていないのが怖い

    • +5
  11. (手話のできるゴリラ思い出したけど
     手話を解読できる人が研究者だけらしく、客観性に欠けていて
     エピソードの諸々は嘘だろうと言われてるらしいな……ショック受けたわ)

    • +4
  12. 恐らく元記事のナショジオによると、こういう死体に触れる行為がエボラ出血熱などの致死的な感染症を広げるリスクになるのではないかと心配もされてるようだね
    ただでさえゴリラは生息数が激減しているのに、彼ら自身の情が仇になって更に危機に陥ってるとしたら悲しい

    • +9
  13. ライバルのゴリラが死んでしまって「馬鹿野郎!お前を倒すのは俺だ!」と怒っている説

    • +6
  14. 人は動物のそれを習性と呼び人間のそれを感情と呼ぶ…

    • +1
  15. ターちゃんで、象も仲間の死を悼み遺体の上に花や草をかける葬儀に思える行動を取るって書かれていたのを思い出した。

    うちの可愛い猫たちも、亡くなった子のそばに一晩中じっと寄り添ったりにゃーにゃー話しかけてた。

    • +4
  16. 乳で育つ生き物は子供時代に母親との接触時間が長いほど生き残る確率も高まる。
    だから触れ合いを求めるようになるし、コミュニケーションにも触れ合いが重要になってくる。
    哺乳類は殆どが恒温動物だからこそ、触れ合いで感じるぬくもりが大切だし、時に微動だにしない相手に触れて冷たく硬い(もしくは柔らかくてぶよぶよで臭い)と心配になるだろう。何かがいつもと違っておかしいから、皆が遺体とは知らずのその前に集まり心配を共有(=共鳴?)するのだと思う。
    彼らは「死」というものより先に、相手からの触れ合いのコミニュケーションはもう望めないという「悼み」を知るのだと思う。

    • 評価

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