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盲目でバイセクシャルのオスのガチョウがこの世を去る。生涯愛したオスのガチョウのそばに埋葬される(ニュージーランド)

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 今月2月5日、ニュージーランドのウエリントンにある野鳥保護リハビリ施設で、盲目のバイセクシャルのオスのガチョウ、トーマスが40歳でこの世を去った。

 彼は20年近くも連れ添ったパートナーが他のメスとペアになっても、そのヒナの子育てをするなど一途でけなげな姿を見せ、パートナー亡き後もたくさんのヒナを世話し続けた。

 目が見えずとも優しい気性で人々に愛されていたトーマスの訃報は海外メディアでも伝えられており、地元では近く正式な葬儀が執り行われるという。

18年も一緒だったトーマスとヘンリー

 ウエリントンにある潟湖ワイマヌラグーンで、26年間トーマスを見守っていたツアーガイドのミック・ペリヤーさんの話によると、生前の彼は愛情深く、子育てに熱心なガチョウだったという。

ありし日のトーマス

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image credit:STUFF

 当初トーマスはヘンリーというオスのコクチョウと行動を共にしていて、他のつがいのようにヒナは望めなかったが18年も仲睦まじく過ごしていた。

三角関係勃発。彼のヒナを育てるトーマス

 だが、ある日ヘンリエッタというメスのコクチョウが現れ、ヘンリーとつがいになってしまった。それでもトーマスは2羽のそばにとどまり、彼らが授かったヒナたちの子育てまで手伝った。

左からトーマス、ヘンリエッタ、ヘンリー

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image credit:EILEEN THOMAS

 三角関係にある鳥たちは人々の目を引き付けた。3羽はそのままの状態を維持し、トーマスはヘンリーとヘンリエッタの間にできたヒナの子育てを手伝った。その数は6年間で68羽にもなったという。

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ヘンリーの死とわが子の連れ去り

 永遠にも見えた3羽の不思議な関係。それはヘンリーの死で終わりを迎えた。

 2009年にヘンリーが先立つと、まだ若かったヘンリエッタは別のオスのところに飛び去った。しかし残されたトーマスはそこにたたずんだまま、愛しいパートナーを失った悲しみに打ちひしがれていた。

 しかも途方に暮れていた彼にまた悲しい出来事が起きてしまう。

 トーマスの前にメスが現れ、ついに彼はわが子を授かったのだ。ところが子育てを受け持っていたトーマスは隙をつかれ、ヒナたちをジョージというオスに奪われてしまう。

 実はトーマスは以前から白内障で視力を失いつつあった。そのため、連れ去りに気づいたときは手の打ちようがなかったのかもしれない。

 その後、ジョージとわが子のあとを追うトーマスの悲しい姿が見られたが、結局取り戻すことはできなかったようだ。

全盲となりリハビリ施設へ

 それからまもなく彼は残りの視力も失い、ほかの鳥から攻撃されるようになり、2013年に鳥類保護リハビリ施設に移された。

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 トーマスはそこでお気入りのトウモロコシを食べ、孤児のヒナを育てながら最後の数年を過ごした。

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大往生のトーマス。ヘンリーの隣で安らかに

 トーマスはおよそ40歳で寿命を迎えたとみられており、ガチョウとしては極めて長寿だったといわれている。

 ペリヤーさんによると、彼の見た目は20年ほど前から時が止まったように若々しかったという。

2016年夏の頃のトーマス

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image credit:SVirginia Fallon

トーマスを見守っていたペリヤーさん

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image credit:STUFF

 盲目でありながらおだやかな気性でたくさんのヒナを育て上げたトーマスは多くの人に愛される人気者だった。

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 生涯を愛と育児に尽くした彼の葬儀は2月17日に予定されており、その亡骸はヘンリーの隣に埋葬される。最愛のパートナーと同じ記念碑の下、トーマスはついに安らかな眠りにつくのだ。

References:stuff / viralnova / dailymail / facebookなど /written by D/ edited by parumo

追記(2018/2/21): タイトルの一部を修正して再送します

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この記事へのコメント 49件

コメントを書く

  1. 同性愛のということは交尾行動はしてたってことでいいんだろうか?
    最終的には他のメスともつがいになったみたいだし、何なんだろうね
    というかオスのダチョウって書いてあったからびっくりしたけどガチョウか。そしてガチョウって雛いるのに相手かえちゃったりするんだな…

    • +9
    1. ※1 あ、そうだよね。もし交尾行動がなければ、
      単に友達として慕ってたのかも。
      視力が落ちてきて、不安もあったのかもしれない。
      とにかくステキなトーマス!

      • +7
  2. 盲目でバイセクシャルで「異種愛でしかもライバル(仮)の子も自分の子も孤児も愛した」オスのダチョウ
    物凄い波乱万丈な鳥生だな・・・
    最後はちょっと目頭が熱くなったよ
    どうぞ安らかに

    • +69
  3. 最後まで読んだら目頭が熱くなった
    バイバイトーマス

    • +34
  4. ヘンリーいい奴過ぎるやろ
    ジョージ許さん

    • +20
  5. ガチョウに泣かされる日がくるとは思いもしなかったよ(`;ω;´)ブワッ

    • +46
  6. ガチョウの実話で生まれて初めて泣きそうになった。
    とはいえ。ガチョウとアヒルの見分けがつかない私です。

    • +27
  7. 昼休みに見ちゃいけないなと思った
    目から汗が…

    • +8
  8. やさしいガチョウだったんだね
    おやすみなさいトーマス

    • +28
  9. 設定盛りすぎだと思ったけど、最初から盲目ではなかった訳ね。
    愛情深くていいガチョウだったんだね。
    お父さんふたりでガチョウの子供も幸せだったんだろう。

    自分の子供を他の雄に連れ去られるというのがよくわからない。
    鴨は雌が出会うと激突して、勝ったほうに子供が付いていくというのをテレビで見たことがあるけど。

    • +14
  10. ドラマだなぁ
    動物も人と同じで色んなこと考えたり感じたり信念があったり自分以外を愛したり慈しんだりすることを改めて感じる
    そしてそうやって一生懸命生きてる彼らを応援したいわ

    • +9
  11. 記事開いて5秒後に「よ、40歳!?」と声が出た。

    • +7
  12. ヘンリエッタと言うメスは、パートナーとは違う別のオスが子供を育てる手伝いを嫌がらなかったんだね。
    普通は嫌がったり警戒しそうなのに…
    動物って思ってたより複雑だわ。

    • +53
    1. ※23
      ダンナの色違いの兄弟とか思ってたのかも。

      • +4
  13. 悲しいこともあったけど、素晴らしい生涯だったんじゃないかな。
    前向きな気持ちを忘れないイイ奴に、目頭が熱くなってしまった。

    • +20
  14. 鳥の同性愛とは興味深い

    それはそうとして愛に生きててすげえ

    • +13
  15. 雛を他の雄に奪われることなんてあるんだね

    • +20
  16. ママンが白内障手術して感激している。
    ガチョウには手術は無理だったろうか。

    • +4
  17. 擬人化するとなんかものすごい文芸映画の原作になりそうな話だ。

    • +16
  18. ヘンリエッタがよくトーマスを受け容れたなあ

    • +16
  19. ガチョウってこんなに優しい生き物だったのか・・・。
    番犬替わりになるほどうるさくて凶暴だと認識していたが。
    やさしいガチョウのトーマス、安らかに。

    • +11
  20. 穏やかで博愛家、一途で献身的でかつ個性的な個体ほど試練を
    経験するのですね。子作りは置いといて、優れた修道士の生涯
    を聞いているようでした。今日もいい話をありがとう。

    • +17
  21. 雛を奪ったジョージってのは、隙を突いて養父の座をゲットしたということだよね??
    雛をムシャムシャ食ったという意味じゃないよね…?

    • +6
    1. ※36
      養父に成ったと書いて無いし…食べた可能性は否定できる文字は無いよね。
      何故、この様な恐ろしい文章の書き方にしたのか…

      • +2
  22. ガチョウってそんなに長生きするんだね。
    愛情が深いほど心が安定して長生きするのかも。

    • +6
    1. ガチョウもコクチョウも鴨系
      鴨系は育児放棄が多く、逆に生んでないのに育児する代理親も多い
      そして子供がいないと他の親鳥が連れてる子供に目をつけ子供を奪い、自分の子供にするのもよくある
      なので親は一緒に育児する鳥を敵としないこともあり、
      子供は自分の親でも簡単に捨てる
      託卵は元々鳥の習性だが自分の子供じゃなくてもいいと見知らぬ子供を奪い自分の子供にしちゃうのも鳥に多い習性
      卵がない、卵がダメになったとかで他の親が温めてる卵を奪うのも鳥は多いよな
      自分の子供じゃなくて自分の種族を残すことに熱心なのかもね
      ※37かなり上手く育てると半世紀以上生きるよガチョウは
      鳥は基本的に寿命が長いものが多い

      • +41
      1. ※41
        そういや『ソロモンの指輪』を書いたローレンツ博士は
        鳥類は種族全体の繁栄を優先、哺乳類は個体を優先と著書に書いてた。
        そこが恐竜が滅んで哺乳類が繁栄した理由の一つなんだろうね。

        • +7
        1. ※46
          群選択は今では否定されているよ。
          血縁選択によるものと考えられているし、実証されている。
          要するに、他人の子ではなく、親戚の子。

          • +6
    2. ※37
      すごく為になります。
      鳥にはヘルパーという子育てを手伝う役割を持つものもいるらしいけど、トーマスはそれを買って出ていたってことか。

      どうぞ安らかに。

      • +4
  23. 本当にヘンリエッタよく嫌がらなかったな
    子育て中に父親以外のオスが近づいてくるなんて狂ったように拒否しそうなもんだが
    鳥はそうでもないんだろうか……
    もしかしてオス同士のカップルのために代わりに卵を産んでくれた、代理母みたいな扱いだったのかな

    • +10
  24. そういえば自然界の同性愛カップルは子育て手伝ってくれたりとか、繁殖以外の役割をになってる個体が結構いるみたいな話をどこかで聞いたんだけれど、どこだったっけ
    また改めて読んでみたい

    • +1
  25. 旦那が他の女とデキたあげくに前妻に後妻が産んだ子育てろや、しかも前妻
    と同居でなとか言ったら人間だったら大騒動勃発なのに、トーマスは健気すぎる。愛するヘンリーの側にいられるならそれでも構わなかったのかも。
    そして旦那の死後さっさと若い男と再婚するヘンリエッタ。孤独なトーマスに訪れた新たなロマンスに子供の誘拐、ふりかかる盲目の苦悩。
    ちょっとこれダウントン・アビーじゃないよね?このドラマめっちゃ観たいわ。

    • +6
  26. 40年とはまたすごい。神様にも人にも愛されたのかねぇ。うるっときた。

    • +1
  27. う~んいい話
    そういえば同性愛カップルがいると他のカップルの子どもが増えるってどこかで読んだなあ
    ヘンリーとヘンリエッタが子だくさんになったのはトーマスのおかげかも

    • +3
  28. この手の鳥も長生きするんだな
    インコやオウムあたりだけかと思ってた

    • +1
  29. 名前のせいで人面機関車しか出てこない

    • +2

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