
それでも我々は、そう遠くない未来に宇宙旅行に行ける目途が立ってきた。今後の研究で地球になじんじゃった人類が宇宙で快適に暮らせるような技術が開発されていくことを期待されつつ、予備知識として、宇宙空間で我々の体はどんな変化が起きるのかを学んでおくことにしよう。そうしよう。
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9. 宇宙適応症候群(宇宙酔い)

乗り物酔いのようなもので、頭痛、方向感覚の喪失、不快感、嘔吐といった症状が生じる。宇宙に出たおよそ半分の飛行士が経験しているので、珍しい症状ではない。
原因は無重力というよりは、重力の急激な変化である。数日で慣れるそうなので、ひたすら我慢するしかない。宇宙での嘔吐は大惨事になる。
宇宙服を着る際は、酔い止めパッチを是非貼るべきだ。繰り返すが宇宙での嘔吐は大惨事につながる。それで死ぬことだってあるのだ。
金魚鉢に呼吸のためのホースをとりつけ、それを被ったところを想像してほしい。そんなところで胃の中のものをぶち撒ければ、視界は遮られ、呼吸までできなくなってしまう。
8. 宇宙臭

それは焦げたステーキと焼けた金属と火薬の臭いなどと形容される。よく分からない臭いだが、宇宙飛行士のドン・ペティートは、「金属の臭いというのがぴったり」と証言する。
NASAには訓練に使う宇宙の臭いを再現するための専門家もいる。これを市販する予定はないのだろうか? 是非とも自分の部屋に宇宙の香りを漂わせてみたい。
関連記事:宇宙ってどんな匂い?フルーティーな甘い香りと金属の焼けた匂い(NASA研究)
7. 爪が失くなる

宇宙服の重たく嵩張る手袋が指先に圧力をかけ、血液の循環を止めてしまうことが原因だといわれている。
6. いびきが治る

舌にかかる重力がほとんどないために、地球ではいびきの原因になるだろう詰まりが解消される。これは数少ない宇宙が人体に与える好ましい影響だろう。
5. 視覚障害脳圧症候群(視覚障害)

これは視覚障害脳圧症候群(visual impairment intracranial pressure syndrome/VIIP症候群)と呼ばれるもので、宇宙飛行士300名のうち、こうした症状が現れたのは、短期フライトでは23パーセント、長期フライトでは49パーセントだった。つまり長い間宇宙に滞在すると半分の人が視力に問題を抱えることになるのだ。
重力のない宇宙では体液が体の上部に流れ込む。すると頭部の内圧が上昇し、視神経をほんの少し(本当にほんの少しだ)破壊する。これは職業病のようなものだろう。また宇宙線が視覚に影響して閃光のような感覚を味わうこともある。宇宙旅行はどこかレイブのような感じだろうか?
4. 筋肉への影響

これもやはり微重力環境の影響である。地上のあなたが「運動不足だなぁ」とぼやいているその間にも、実は地球の重力が体を鍛えてくれていたのだ。
3. 背が伸びる

2. もしも宇宙服を着なかったらすぐに死亡

仮にあなたがエアロックから飛び出した場合、まず最初にしたくなるのは息を吐くことだ。直感には反するが、水中とは違うのだ。水と言えば、圧力がないために10秒もすると体内の水分が蒸発し始める。また唾液が沸騰したり、日焼けしたり、減圧症になったりといった副作用もある。
宇宙は凍てつく世界だが、人体はすぐさま凍ったりしない。もし宇宙空間で死んだとしたら、体は腐らず残る。ゆえに死体は宇宙を漂う。しばらくすると温度に応じて凍るか、ミイラ化する。いずれにせよ、その状態で長い長い宇宙を旅することになるのだ。
1. 宇宙放射線による被害

また吐き気、食欲不振、疲労といった放射線障害、あるいは癌などの病気にかかる危険もある。宇宙空間で放射線から完全に身を守る術はない。宇宙に進出するからには受け入れなければならないリスクなのである。

我々に先だって宇宙を経験している宇宙飛行士たちは、人生を一変させるほどの出来事だったとしてこのような名言を残している。

自分が神の普遍性を目撃しているのだと確信して圧倒された。胸が詰まり、涙が溢れた。自分の生涯で最も深い感動だった(チャールズ・デューク)
静寂と幸福感を感じながら、宇宙の意味を理解したという変性意識の状態へと落ちていった(エドガー・ミッチェル)
偶然にしては美しすぎる。宗教的な意味ではなく、スピリチュアルな意味で、何か大きな、大きな存在があるはずだ(ユージン・サーナン)
生きとし生けるものが眼下を流れていた……小さく美しい地球、この惑星が我々を生かしている。食べ物も、水も、空気も、美しい自然も、すべてを我々に与えてくれている。すべてが完璧に調和し、秩序が形成され、ゆえに我々は生きることができる。この小さな美しい地球は宇宙を回転している(ラッセル・シュウェイカート)via:10 Fascinating Things That Happen To The Human Body In Space Top Ten/ translated by hiroching / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
ジャミラ「水かけられたら死ぬ体質になったわ」
2. 匿名処理班
アポロ13で嘔吐してたな
あれは病気だったけど
3. 匿名処理班
もうね、うちうへ行かなくていいんじゃないかな?
4. 匿名処理班
宇宙の臭いなんてどうやって嗅ぐんだ?
5. 匿名処理班
宇宙の匂い、嗅いでみたい
何の成分由来なのかな
6. 匿名処理班
足と肩にゴムチューブを引っかけてスクワットを毎日千回やってもだめなんだろうか
7. 匿名処理班
これまで宇宙に旅立った人は壮健なエリートがほとんどと思うが、
心身や精神に障害を抱えていたり、お世辞にも人格が全うといえない人が宇宙に行った場合、どうなるのかという関心はある。
宇宙船ごとコロニー落としみたいなことを考える人も現れるんじゃないのか、とか。
8. 匿名処理班
以下、髪の話は禁止(予防線)
9. 匿名処理班
金属の…というのは頭に集まってきた血(の成分である鉄)の匂いなんじゃないかなと思う。
後はコバルトや亜鉛、銅なんかも。
10. 匿名処理班
人間の方が進化でもしないと宇宙空間には適応するのは難しそうだな
11. 匿名処理班
宇宙にニオイがあるなんて初めて知った。
宇宙船内のニオイじゃなくて宇宙のニオイって事なんだよね?面白い!
12. 匿名処理班
※7
宇宙版「阿呆船」?
13. 匿名処理班
凄く寒い時って、鼻の中が金属の匂いしない?
それに近いのかな、と思った。
14. 匿名処理班
つまり衛星軌道上で死ぬとデブリになるのか…。まさにヒューマンデブリだな
15. 匿名処理班
色んな宇宙人がいて銀河の中心付近って活気は有るんだけど良い事だけじゃないんだろうなぁ。
とか。
宇宙からの移民を受け入れました。ってのも言い方を変えれば宇宙の難民を受け入れました。ってことかも知れない。シリア難民受け入れてるドイツみたいな立場なのかも知れない。
とか。
妄想中
16. 匿名処理班
火星に数百年すむと環境に対応した人達が現れるだろう。進化するね。見てみたい。
17. じょん・すみす
え〜と、宇宙船内でイビキをかいて寝てた人の話を
聞いた事があるんだけど、あれは誰だったかな・・・
18. 匿名処理班
7.の爪は手袋の技術的問題だから、なんとかしてあげて欲しいなあ。
19. 匿名処理班
人類っていつの日にか、物理肉体の拘束から解き放たれる時が来るのかな。
対宇宙空間用の義体を持って、そのまま船外活動する時代って、いつかくるのかな。
まずは、脳の情報を完全にカット&ペーストして電脳化しないと無理だな。
20. 匿名処理班
どうでもイイがジャミラはウルトラマンパワードで、ジャミラ・ミラーと名前が改められた
造形も宇宙服を模したモノにリメイク。良いか悪いかは知らんが……
21. 匿名処理班
適応進化って数世代では出来ないよなあ
つーか無重力に適応したらずっと宇宙船の中しか
生活出来んやん・・・
22. 匿名処理班
圧倒的な虚無の中に出ると、宗教的な感慨を持つのかな。
23. 匿名処理班
母の胎内から離れるから、色々あるんやろな
24. 匿名処理班
クェス・パラヤがいかに無謀でありえないかが分かった。
25. 匿名処理班
宇宙空間に生身でさらされた人が実在するよ、無事だった
26. 匿名処理班
※9
宇宙の臭いってのは船外活動から戻ったときに宇宙服やヘルメットからする臭いのことだから
27. じょん・すみす
※18
そう言えば、米国で現在使われてる宇宙服はセミオーダーで、
各種の大きさのパーツを組み合わせてるんだけど、手袋だけは
個人用のフルオーダーになるんだとか。