
火星における水の発見、記憶の操作、謎のダークマターの検出などなど。これらのリストにあげられたものは、さらに今後10年で目覚ましい進展が期待されるものばかりだ。我々は実にワクワクする時代に生きているのだ。
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10. 幹細胞の再プログラム

幹細胞自体は1981年に発見されたものだが、体内の任意の細胞を再プログラムして、幹細胞に変えることが可能であると判明したのは2006年のことである。
発見者の山中伸弥は4つの特定の遺伝子を皮膚細胞に加えて、これに初めて成功。2、3週間で皮膚細胞が人体の内のあらゆる細胞に変化する能力を持つ幹細胞となった。再生医療において、損傷を負った細胞の交換部品を提供してくれる唯一のものが幹細胞である。
9. これまで発見された中で最大のブラックホール

この超々大質量ブラックホールの質量はたった1つで太陽の400億倍に相当する。信じられないのは、ビッグバンの16億年後という宇宙創生の比較的初期に形成されていることだ。つまりとんでもないほど急激に成長したということである。
via:motherboard / image credit:NASA
8. 記憶の操作

これによって、マウスが嫌な経験をしてもそれをいい思い出として記憶させたり、反対にいい出来事でも嫌な体験として記憶させたりと、記憶を操作できるようになった。この成果は、PTSDの患者や家族を失うなど大きな悲しみを味わっている人に対する治療の扉を開くかもしれない。
via:thepsychreport / image credit:wikipedia
関連:睡眠中のマウスにニセの幸せな記憶を植え付けることに成功
7. 人間の脳を模倣するコンピューターチップ

SyNAPSEの設計は従来のものとはまったく異なっており、性能面の制約はない。イベント駆動型であり、動作するのは必要になった場合のみだ。これが省エネや温度の低下に威力を発揮する。今後数年でコンピューター産業を大きく変えるかもしれない。
via:research.ibm / image credit
6. ロボットが支配する世界へ一歩近づいた

彼らはゆっくりと動き、何度か衝突しながらも無事指令を達成。彼らは1つのボットがつまずいてしまった場合でも、近くにいるボットに連絡し、作業への復帰を手伝ってもらうことができる。
スカイネットの尖兵となる以外の使い途があるのだろうか? 極小のロボットなら血管に注射して、連携しながら病気と戦える。
大型のものなら、災害現場での救護活動を行えるだろう。さらに大型のものなら建物全体にすら変形できるかもしれない。無論、兵器としての利用も可能だ。
via:phenomena / image credit:Harvard University
5. ダークマターの存在を確認

宇宙はまるで目に見えない何かがあるかのように振舞っているのだ。その何かは目に見えないゆえにダークマター(暗黒物質)と名付けられた。
2009年、アメリカのいくつかの研究所は、鉄鉱山の地下800メートルの地点に設置されているセンサーがダークマターを検出したと発表。2個の粒子がダークマターと思わしき挙動を示していたという。
確認作業は現在もなお行われているが、いずれのサインも粒子がダークマターであることを示している。過去100年における物理学最大の発見になる可能性もある。
via:theguardian / image credit:CERN
4. 火星に生命がいる可能性がアップ

また水の存在は、2024年頃に計画されている火星への有人飛行ミッションにとっても好都合である。宇宙飛行士がわざわざ地球から物資を運ばなくても、現地で調達できるからだ。
via:nationalgeographic / image credit:NASA
3. 再利用可能ロケット

これはスペースXのミッションに不可欠なことだ。これまでロケットは一度使用すると太平洋に投棄されるのが常であった。だが、再生可能ロケットは回収して、補修・燃料補給することで何度も利用でき、数千億円ものコスト削減が可能となる。つまり火星有人飛行に一歩近づいたということだ。
via:nasaspaceflight / image credit:youtube
2. 重力波

天文学にとっては重要な出来事であるのは、これによって一般相対性理論の大部分が正しいと証明されたことだ。レーザー干渉計重力波天文台のような観測機器の信頼性はお墨付きとなったわけで、今後の宇宙探索に大いに期待を持てるようになった。
1. TRAPPIST-1

これは非常に重要なことだ。39光年というのは比較的近い距離であるうえ、ハビタブルゾーンにある惑星は地球の大きさに近い。
つまり地球以外の場所で初めて生命の発見が期待できるということだ。さらに7つの惑星はいずれも液体の水が存在する可能性もある。もし本当に生命が存在すれば、ここ地球からでも確認できるかもしれない。 ▼あわせて読みたい





コメント
1. 匿名処理班
日本に限るとこの先10年間は戦争や大地震、火山噴火のリスクが高くて絶望の未来になると思う
2. 匿名処理班
天文学とか時空の分野が多いな
もっと情報系が占めるかと思った
3. 匿名処理班
これはだいぶ異論ありそうだねえ。重力やiPS細胞は動かないと思うが、ダークマターを観測、なんてぜんぜんまだ未検証の範疇だし、他も単にここ1、2年の話だから記憶に新しいだけという程度の話があるなあ、半分以上ちょっと物言いをつけたい感じ。
4.
5. 匿名処理班
ips細胞とか入ってるべきだろと思ったがあれはギリギリ10年以内じゃなかった・・・
6. 匿名処理班
冥王星探査が入っていない。
7. 匿名処理班
※6
冥王星をくっきり見ることは個人的な夢だったと言っても過言では無い。
8. 匿名処理班
最後の写真の太陽が顔に見える。逆光になってる惑星2個が目で…
ポーランドボールコミックの見すぎかな。
9. 匿名処理班
ヒッグス粒子は挙がってるとおもってた・・・
10.
11. 匿名処理班
ダメだ、最後のが顔に見える……
12. 匿名処理班
宇宙人的には今世紀中に火星有人飛行は達成して欲しいです
13. 匿名処理班
※5
10.がiPS細胞だと思う。
14. 匿名処理班
たしかにヒッグス粒子がない
15. 匿名処理班
いつの間にか糖尿治療や不妊治療のメカニズムも
出来てるし、白内障もたった10分で治療完了
iPS細胞に至っては腎臓などの複雑な組織も飴細工の
技術を利用し血管組織の再生に成功している
素人の俺には医学の進化についていけないぜ
16.
17. 匿名処理班
ハビタブルゾーンの惑星発見というのは、
たぶんあるだろというものが観測したら見つかったという話で、
それほど大発見という気はしない。
18. 匿名処理班
4の写真は集合体恐怖症注意な
19. 匿名処理班
個人的には重力波に1票かな
予言が事実だったわけだし、これで宇宙関連の研究が大きく前進するし
20. 匿名処理班
※2
LIGO 、 VIRGO 、そして日本の KAGRA ……重力波天文学に期待してます
21. 匿名処理班
重力波の観測は凄いんだけど、間接的に観測出来ただけで四つの力で定義されたグラビトンが発見出来た訳じゃないからなあ
現状の(主に電磁波を使った)観測方法ではグラビトン自体は観測出来ないと思うけど、グラビトンが解ればダークエネルギーの理解に繋がる可能性もあるし期待大かな
あとはタキオンを観測出来たら凄い事になるだろうと思う
22. 匿名処理班
CRISPR/Cas9 ゲノム編集
遺伝子工学
23. 匿名処理班
個人的には、SyNAPSEだな。意識を持ったAIができそう。
24. 匿名処理班
※17
ケプラー宇宙望遠鏡が出来て系外惑星が沢山見つかるようになって既に1000個を超えているからね
ハビタブルゾーン内の惑星は以前から見つかっていた
トラピストの発見は39光年という近さとハビタブルゾーン内に3つというチャンスの多さで以って目的地が見つかったかもという話題性が大きい
25. 匿名処理班
マスドライバーが資金面や技術的課題を克服できそうにない現状ではロケットだけが宇宙への切符
そのロケットを効率良く大量生産する道を切り開いてくれるブースター再利用技術が確立してくれれば
制約なしで宇宙資源を人類の繁栄に役立てる日が来るかもしれないねぇ
それこそヒトが夢見た科学の勝利だよ
26. 匿名処理班
個人的にこれから10年内に確立してほしい科学技術は人口子宮とhivの完全な撲滅と治療。
人口増加調整する為にも母子共に健康に出産出来る様にしてほしい。
27. 匿名処理班
>信じられないのは、ビッグバンの16億年後という宇宙創生の比較的初期に形成されていることだ。つまりとんでもないほど急激に成長したということである。
すいません、これの意味がわからないです。
比較的初期に形成されたから時間をかけてでかくなったんじゃないんですか?(=今もでかくなり続けている)
それとも縮小している中で今のサイズを誇っているって前提ですか?(=消滅にむかっている)
天体素人なのでバカな質問だったらすいません。