メインコンテンツにスキップ

脳に隠された”物理エンジン”が未来を予測する(米研究)

記事の本文にスキップ

25件のコメントを見る

(著)

公開:

この画像を大きなサイズで見る
Advertisement

 私たちが計画を練る際に使用する脳の領域には、物理を理解する能力が備わっていることが判明している。このいわゆる”物理エンジン”は、世界の動きを理解したり、次に起きることの予測を助けたりする。これは進化の過程で発達させた生き残りスキルの重要な要素であったろう。

 アメリカ、ジョンズ・ホプキンス大学の認知科学者ジェイソン・フィッシャー(Jason Fischer)教授は、映像に基づく実験を通して、私たちの一見直感的な理解の源を発見した。

Test Your Brain’s “Physics Engine”

 『プロシーディングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ(Proceedings of the National Academy of Sciences)』誌に掲載された論文では、ジェンガのように積み上げたブロックのコンピューターモデルを被験者に見せ、どちら側に崩れるか、黄色と青のブロックの数はいくつかという質問をした。また別の実験では、被験者に画面を跳ねる点を見せて、その跳ねる方向を予測してもらった。

 どちらのケースでも前運動皮質と補助運動野でもっとも反応が見られた。こうした領域は視覚的処理ではなく、計画と行動に関連する領域だ。

この画像を大きなサイズで見る

 「物理的な直感と行動計画は脳の中で緊密に関連しています」とフィッシャー教授。彼によれば、脳はリアルタイムで物理演算を行っており、こっそりと捕獲や回避といった行動の準備をしているのだという。これは幼児が世界の物理モデルを学習する際、物に触れてその振る舞いを学びつつ運動スキルを発達させているためだと思われる。

 最後の実験では、被験者に動きの多い映像と動きの少ない映像を見てもらい、その間の脳の活動をモニターした。すると映像の内容と問題の脳領域の活動に直接的な相関関係があることがわかった。

 今回の実験結果は、物理世界モデルを利用して滑らかに移動するロボットの設計、あるいは失行のような運動機能障害の治療に応用できる可能性がある。

 あるいはアクションゲーム好きや動きの速いスポーツ観戦好きの言い訳にも使えるかもしれない。彼らはただだらだらとゲームをプレイしたりテレビを観ているわけではなく、頭の中で高度な物理シミュレーションを実践しているのだ。

via:ジョンズ・ホプキンス大学/ written & edited by hiroching

📌 広告の下にスタッフ厳選「あわせて読みたい」を掲載中

この記事へのコメント 25件

コメントを書く

  1. この能力はかなりの個人差があるぞ。
    人種によって大分違うし。
    本当に物事の道理が分からない人間は一定数存在する。
    とはいえ俺も完璧ではないがな。

    • -1
  2. 経験を積めば物理演算に、より良い補正が入れられるようになると言うことか。
    子ども達のおイタは多少は目をつむって欲しいところだ。

    • +4
    1. ※3
      要するに学習ってことではないかと。
      ボールがこういう速度で落ちると、落下面の想定固さと、ボールの想定反発係数が経験から、ボールの移動軌道を予測するわけで、これらを生かして高校球児の物理演算エンジンが差し出すグローブの方向を決定するわけですね。
      また、ピッチャーが投げたボールに対し、バットをどのように振り回すかを決定するとか。 バットを振り回す方については三回に一回以上の確率で人のいないところにボールを落とせるようになれれば大打者と呼ばれる人になりますね。

      • +2
      1. ※9
        だとすると、場合によっては「背面キャッチ」すらもしてしまうというイチロー選手はある意味「神」の領域にいるわけですね。

        • +2
    2. ※3
      「子供のすること」は確かに成長過程として重要だから、やらかすこと自体は仕方がない
      だけど、親や教師(親以外は、その場にいたのならという条件付き)といった子供を保護監督する立場にある者が「子供のやる事だから許せ」と開き直るのは明らかに間違っている
      子供がバカをやったら、被害を被った人に誠実な態度で謝罪と弁償をするのは当然の事だし(過剰に要求されても全部飲め、とは言っていない)、やらかした本人に対して十分な説明をして二度と同じ過ちを繰り返させない事、実験などであればより安全な状況で実体験できる環境を整えてやる事が重要じゃないか?

      • +1
      1. ※12
        対象年齢も示してない文からそこまで広げるって、かまって欲しいんですかナデナデヾ(≧∇≦)お疲れ様です。

        • -3
  3. ”ツルッとした食感”とか”したたり落ちる肉汁”が想像できるのも経験で得た物理エンジンのなせる技なのだな。

    • +5
  4. 将棋の何手先を読む、ってのとは別な感じ?

    • 評価
    1. ※6
      それは別と思う、なぜなら移動が物理or規則だから
      それゆえに運動野なんだろうと思える
      将棋崩しならそうだろうけどね

      ※22
      更に気になるのは空間認知と平面図形認知の相関関係だね
      男女の違いはその二つの嗜好の違いと思うんだよ
      能力の優劣ではない!

      • 評価
  5. こう言うのはリアル経験の差がかなり出そう
    自分で飛んだり跳ねたり、走ったり投げたりしながら学ぶんだよね
    物理って仕組みすっ飛ばして現象を蓄積して経験則で学ぶんだ
    でないと咄嗟の対処が下手になる

    • +6
  6. 正夢よく見る人とかは関係あるかな?とにかく人間ってスゲーって思った!

    • 評価
  7. 材料力学受け持ってる教授が
    「ここ2年位、物理的な挙動を想像できない学生が増えてる」
    とか本気で引いてたな

    • 評価
    1. ※⒙
      ※13を読んでみればわかるけど、これっていうのは「性による違い」というのではなくって、「身体能力をどれだけ使った生活をしてきたか」が重要なんだと思う。
      例えば、日本の場合でも数十年前は、「数10キロもあるようなものを背負って、山を越え谷を越えて歩いていく」。そういう生活がまだまだあったけど、今ではそういう局面がもうほとんどなくなってるわけだから。
      その分日本人の身体能力が劣化したから、「ここ2年位、物理的な挙動を想像できない学生が増えてる」という話につながってくわけだし。
      そういう意味で言うと、オリンピッククラスのアスリートたちの、「脳内物理エンジン」はどうなっているのか研究すると、いろいろと興味深いことが分かると思う。
      特に、人類最強「吉田沙保里」選手とか。

      • +1
  8. 水中コイン落としなんかやると、
    自分の物理エンジンがわんわん唸ってるのが体験できるぞ。

    • +3
    1. ※16
      子供の頃、市民プールに遊びに行って、10円玉投げて皆で競って拾いに行く遊びをよくやってた
      要は犬にボールを拾ってこさせるやつの水中版なんだけど、めちゃくちゃ面白かったよw
      あ、オレが投げた10円玉が頭に当たったオバサン、あの時はゴメンナサイ

      • 評価
  9. 身体での幾つかの動作を積み上げて、「あの動作と、あの動作を組み合わせれば、おそらく、このようになるだろう」的な、実際やってみた事でないと、細かいところが理解できない場合もあるからなぁ。
    脳内シュミレーションも、知識だけのケースと、経験したケースでは、やっぱり重要度が違う。そして、実際、自分で経験した情報を組み合わせて予測動作をするとき、未知の事でも「予測通りだった」となる場合も多い。経験値って大事だよね。

    • +2
  10. 何で女は空間把握能力が欠落してるのかと思ったが、そもそも空間を司る分野が存在しないからか
    納得

    • -5
    1. ※18
      女も狩をする珍しい民族の場合は、女の空間認識が男と同じ。
      女だから空間認識能力が低いというわけでもない。
      性別による脳機能の差は民族的な集合意識によるもの。人間は無意識のうちにお互いの役割を強制している。

      • +1
  11. バドミントンやってると軌道を読むのがくそ早くなるよ
    体か勝手に反応してるレベル。
    全ての人がそうとは言わんがね。

    • +3

コメントを書く

0/400文字

書き込む前にコメントポリシーをご一読ください。

リニューアルについてのご意見はこちらのページで募集中!

サイエンス&テクノロジー

サイエンス&テクノロジーについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

知る

知るについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

最新記事

最新記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。