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街路樹をペットのように世話をする。ドイツ・ベルリンの水やりアプリ

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(著)

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Image credit:Thanh Thu Nguyen / CityLAB Berlin
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 2026年、記録的な猛暑となったドイツ・ベルリンで、街路樹をまるでペットのように世話できるアプリが大活躍している。

 市民はアプリの地図上で自分が住む地域の木をペット(養子)として迎え、水分量のアドバイスに従って自らの手で水を与えていく。

 深刻な水不足で喉が渇いている木をいち早く見つけ出し、市民が水をやる。

 街の緑を守るため、市民と木をダイレクトにつなぐ画期的な取り組みだ。

参考文献:

街路樹をペットとして迎えるベルリンの水やりアプリ

 ドイツ・ベルリンのシャルロッテンブルク地区に住むアマンダ・グレーザー=ブライさんは、自宅前にある1本の街路樹をペット(養子)として迎え入れた。。

 樹齢8年になる菩提樹の木で、アマンダさんは「リンデンのリンダ」という愛称で呼んでいる。

 ドイツで菩提樹と呼ばれるのはシナノキ属の木で、ドイツ語では「リンデ」と呼ばれる。

 ベルリンの有名な大通り「ウンター・デン・リンデン(菩提樹の下)」の名前の由来にもなっている、ベルリンを代表する木だ。

 夏の暑さが厳しくなると、アマンダさんは週に1回、約20Lの水をリンダのために運ぶ。

 じょうろを持って階段を何度か往復する大変な作業だが、たっぷりと水をもらったリンダは夏の猛暑でもしおれることがなくなった。

 大きく育った菩提樹の葉は涼しい日陰を作り、その花は地元のハチに大切な蜜を与えてくれる。

 アマンダさんが水やり活動を始めたきっかけは、ベルリンの研究施設「シティラボ・ベルリン(CityLAB Berlin)」が開発した「Gieß den Kiez(あなたの近所に水をやろう)」というアプリだった。

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Image credit:CityLAB Berlin

水分状況を把握し木をペットのように世話する

 水やりプロジェクトの中心となるのは、ベルリン市内の約89万本の街路樹や公園の木を記録した地図アプリだ。

 アプリは木1本1本について、種類や年齢、その地域の降水量から、木がどれくらいの水分を必要としているのかを計算する。

 地図上には、水不足で危険な状態にある木が赤やオレンジのマークで表示される。

 まだ根が十分に張っていない若い木などは、特にこまめな水分補給が必要となる。

 地図ではその木が最後に水をもらった日も確認でき、自分が水をやったら記録を残すこともできる。

 ユーザーは地図上で近所の木を養子として登録し、アプリのアドバイスに従って水やりを行う仕組みだ。

 アマンダさんは、まるで育成ゲームのようでとても楽しいと語る。

 木に水をやりたいと思っても、自分の責任なのか迷う人は多いが、アプリが背中を押してくれることで迷わず行動に移せるという。

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アプリのスクリーンショット。緊急に水が必要な木々はオレンジ色の点で示されている。Image credit:CityLAB Berlin

街路樹は猛暑から都市を救う守護者

 新型コロナウイルスが流行した2020年に始まった水やりプロジェクトには、現在1万2000人もの市民ボランティアが参加している。

 家にこもりがちだった人々にとって、外に出て自然と触れ合う良いきっかけとなった。

 ベルリンの各区も何千本もの木に水をやっているが、年々暑くなる夏には追いつかないことがあり、市民の水やりが区の作業を補っている。

 ベルリンが観測史上最高の39.9℃を記録した2026年6月27日には、1日で8000Lもの水が市民の手によって街の木々に注がれた。

 プロジェクトの責任者であるアンナ・メーアレンダーさんは、人々がまるでペットの世話をするように木を大切にしていることに驚いたと語る。

 ヨーロッパでは近年、木々は命を守る都市のインフラとして重要視されている。

 アスファルトが熱をため込むヒートアイランド現象を和らげ、空気をきれいにし、豪雨の際の洪水を防ぐ役割も果たしてくれるのだ。

 また、街路樹や公園の木々を眺めるだけでもメンタルヘルス(心の健康)が大きく改善されることが、2024年の研究で明らかとなっている。

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Image credit:CityLAB Berlin

小さな行動が大きな力に、世界へ広がる緑の輪

 ベルリン発の水やりアプリは、ソフトウェアの設計図が公開されているオープンソースで作られている。

 街の木のデータさえあれば、世界中のどの都市でも同じ仕組みを取り入れることが可能だ。

 すでにドイツ国内のポツダムやライプツィヒ、フランスのパリ17区でも独自のアプリが立ち上がっている。

 アマンダさんは最近、近所の公園で別の誰かがアプリを見ながら木に水をやっている姿を目撃した。

 テクノロジーを介して人と木をつなぐネットワークが、街全体へと広がり始めているしるしだ。

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Image credit:CityLAB Berlin

 日本の都市や地方小都市でもこのアプリがあるとありがたいよね。家の近所には遊歩道があって街路樹が植えられているんだけど、日照りが続くと水が心配になるときがある。

 このアプリがあれば喉が渇いている樹木を知ることができるので、うきうき気分でじょうろに水を入れてあげることができるのにな。

 アプリの存在があると市民がわかっていれば、不審な目で見られることもないしね。

References: ‘Like caring for a pet’: the app that lets you know if your neighbourhood tree is thirsty | Trees and forests | The Guardian

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