メインコンテンツにスキップ

Googleでカラパイアを「お気に入りサイト登録」

ツタンカーメンの墓に隠し部屋に新証拠。ネフェルティティの墓の可能性が高まる

記事の本文にスキップ

19件のコメントを見る

(著)

公開:

この画像を大きなサイズで見る
ツタンカーメンの父アクエンアテン王の正妃、ネフェルティティ Image by pixabay / Mrdidg
Advertisement

 古代エジプト第18王朝のファラオであるツタンカーメンの墓の壁の奥に、隠し部屋が存在するという説はかねてから存在したが、それを裏付ける新たな証拠が発見された。

 エジプトのアイン・シャムス大学などの共同研究チームが最新の技術で地下を測定したところ、墓の北側に人工的な回廊や隠し部屋の痕跡を捉えた。

 この隠し部屋に、ツタンカーメンの父、アクエンアテン王の正妃であり義母となるネフェルティティが眠っている可能性が高まった。

 早ければ2026年11月にも、地表から小さな穴を開けて、小型カメラを搭載した遠隔操作のロボット車両を送り込み、直接調査が始まる予定だ。

 この研究成果は『Occasional Papers of the Amarna Royal Tombs Project』(2026年9月17日付)で公開された。

参考文献:

最新技術が捉えたツタンカーメンの墓の地下空間

 エジプトの王家の谷にあるツタンカーメンの墓(KV62)は、1922年にイギリスの考古学者ハワード・カーターによって発見された。

 それから100年以上が経過した現在でも、ツタンカーメンの墓はエジプト学者たちを魅了し続けている。

 カイロにあるアイン・シャムス大学の考古学者であり、エジプトの元考古相であるマムドゥフ・エルダマティ氏が率いる共同研究チームは、墓の内部と周辺の地下構造を詳細に調査した。

 研究チームは、地中レーダー(GPR)に加え、この遺跡では初となる重力探査を行った。

 重力探査は地球の重力のわずかな変化を測り、地下にある物質の密度の違いや空洞の有無を調べる技術である。

 墓の周囲の約35平方mの範囲で、1200回以上の測定を行ったところ、ツタンカーメンが埋葬される前から存在していたとみられる、回廊や部屋からなる地下空間の証拠が新たに見つかった。

この画像を大きなサイズで見る
ナイル川西岸にある岩山の谷にある「王家の谷」には古代エジプトの王たちの墓が密集している。ツタンカーメンの墓は「KV62」で画像右中央の屋根がついている入口の部分にある。Image credit:commons.wikimedia / CC BY-SA 3.0

北側の奥で発見された、瓦礫で埋まった人工的な回廊

 今回の調査データを分析した構造技術者で地球物理学の専門家であるジョージ・バラード氏によると、測定データには人工的な空間の特徴と一致する構造物の痕跡がはっきりと表れているという。

 研究チームは、ツタンカーメンの玄室(遺体が安置されている最も奥の主室)から北へ伸びる幅約2mの回廊の痕跡を捉えた。

 回廊の内部は瓦礫で埋まっているとみられている。

 2018年までのレーダー調査では、墓の壁のすぐ裏にある大きな空洞だけを探していた。そのため、瓦礫で埋まった回廊を見逃していた可能性がある。

 研究チーム特に注目したのは、密度の低い空間の中に、ほぼ正方形の密度の高い部分があったことだ。

 バラード氏は、何らかの物品を納めた人工の部屋である可能性を指摘している。

 こうした痕跡はツタンカーメンの玄室から北へ25mから30mにわたって広がっている。

 そこには5つか6つの部屋があり、部屋どうしは、古代にわざと瓦礫を詰めて塞がれた通路でつながっていると考えられている。

ツタンカーメン玄室の壁面装飾 Image credit:commons.wikimedia / CC BY-SA 4.0

伝説の女王ネフェルティティの隠し部屋説が再び過熱

 今回の発見により、10年以上続く議論が再び熱を帯びている。

 2015年に、イギリスのエジプト学者ニコラス・リーブス氏が、ツタンカーメンの墓の奥に古代エジプト三大美女の一人とされる女王ネフェルティティの玄室が隠されているという仮説を発表した。

 ツタンカーメンの墓はファラオの墓としては極端に小さい。

 リーブス氏は、玄室の北側の壁に見られる線やひび割れが、隠された出入り口の痕跡であると主張し、2022年にはツタンカーメンの墓の壁画に隠された象形文字がその鍵を握っていると述べた。

 ツタンカーメンの墓であるKV62はもともとネフェルティティのために造られた巨大な王墓だったが、ツタンカーメンが若くして突然死したため、手前の区画を彼の埋葬用に急遽作り替え、奥の区画を封鎖したというのだ。

 これまでの物理探査では結果にばらつきがあった。

 エルダマティ氏は今回の結果を受け、建築的、装飾的、そして地球物理学的なデータが蓄積され、少なくとももう1つの部屋が存在することを強く示唆していると述べている。

 未知の空間がネフェルティティ自身の埋葬場所でなかったとしても、古代エジプト第18王朝のアマルナ王室との関連を示す発見になる可能性がある。

この画像を大きなサイズで見る
ネフェルティティの胸像 (ベルリン国立博物館所蔵) Image credit: commons.wikimedia / CC BY-SA 3.0

2026年11月にも小型カメラでの直接探査へ

 未知の空間を裏付ける強力な証拠は見つかったが、壁の向こう側に何があるのかを確かめるには、直接内部を探るしかない。

 今回のデータだけでは結論を出せないという慎重な意見もある。

 地中レーダーの専門家であるイギリス、ブラッドフォード大学のクリストファー・ガフニー氏は、報告は興味深いが、結論を出すには公開された情報が足りないと述べている。

 空間が存在しても、そこがネフェルティティの墓である保証はない。単なる貯蔵庫や、初期の葬祭複合体の別の部分である可能性も残されている。

 過去に王家の谷で発生した鉄砲水によって、内部の部屋が深刻な被害を受けている可能性もある。

 研究チームは、ツタンカーメンの玄室の北側にある最も強い低密度の異常に向けて、地表から直径約7cmから8cmの小さな穴をいくつか開ける計画を提案している。

 360度カメラを搭載した遠隔操作の超小型車両を送り込み、地下の空間を直接調査する予定だ。

 調査を行うためには、エジプト考古最高評議会の承認が必要である。

 現在チームは許可を待っており、承認が下りれば早ければ2026年11月にも直接探査が始まる。

References: Academia

📌 広告の下にスタッフ厳選「あわせて読みたい」を掲載中

この記事へのコメント 19件

コメントを書く

    1. 天皇陛下のおことば。
      「皇室の御祖先の霊をお祀りすることが大切であるということは、小さいときから両親より教えられてきました。現に陵では祭祀がおこなわれています。陵墓の公開問題は宮内庁から皇室の祖先をおまつりする場所として御陵の尊厳と静安を尊重したうえで、おまつりがおこなわれる立場が崩されない限りにおいて研究に協力するといった趣旨の見解が出ています。歴史を研究する一人の人間ではありますが、その前に皇族として宮内庁の見解に加えることはありません。」

      • +6
    2. ヤマタノオロチって実際どのぐらいの大きさだったのか気になる。

      • 評価
  1. ネフェルティティの墓ならツタンカーメン超えレベルで今世紀最大の発見になるだろうなぁ

    • +17
  2. さあ警備が大変だ
    ツタンカーメンの半分も財宝があれば、と武装して襲撃するやつらもいる
    まあ、ピラミッドの隠し部屋より有望だろう
    あの博物館でいずれ展示されてから見るのもいいよね
    吉村博士も草葉の陰からエールを送ってくれるはず

    • -2
  3. 大英帝国領エジプトの時代であったのならば、来月にも発掘が始まるのだろうのだけども、今は独立国エジプト。

    しかも、それは、植民地あがりの国の常で、縁故、利権に、植民地時代以前からの郷土意識が、官僚主義と植民地エリートの選民主義とスパゲッティコードを成している悪目高き伏魔殿だ。

    調査申請が十年店晒しもザラ、
    外国の学者が関わる場合は、エジプトの学者にも花を持たせ、許認可権を持つ関係各省にも

    「相応の見返り」

    の保証がない限りは、テコでも動かないと聞く。まして今回は、

    「21世紀最大の発見(仮)」。

    それら総てを解決したとして、
    まずは、電磁波等による非破壊検査。
    次いで、ドリルで開けた穴からのファイバースコープ、更に、そこを通っての極小ドローン。
    恐らく、ここまでで2040年代が終わる。

    また始皇帝陵の様に、発掘/保存技術の充実を待って「封印」という事になるかも。

    • -8
    1. 注目度が桁違いだし話は早いんだろうけど
      昔みたいに雑に壊して調べるわけにもいかないからね。

      小さい穴で実在が確認できたとしても
      ツタンカーメンの墓の壁からだと壁画があって無理だし
      横から別の穴掘って開通させるしかないのかな?

      • +7
  4. これまではレーダー調査だけで奥に何もないとされていたので、
    超小型車両での直接調査が待たれますね。
    ネフェルティティの墓だとすると、
    後世の宗教の都合上、墓への回廊が瓦礫で塞がれたのですかね。
    続報が楽しみです。

    • +10
  5. ツタンカーメンの玄室の壁を壊すわけにはいかないから
    裏側から掘削するしかないだろうね

    • +7
  6. もしそうならこれも未盗掘か
    昔はあの黄金のマスクみたいなのがもっといっぱいあったんだろうけど全部鋳つぶして売っぱらっちゃったんだろうな
    もったいない

    • +6
  7. たしかアレクサンドロス大王の墓も分からずじまいだよね。
    更なる期待

    • +8
  8. 見つかったらすごい墓リスト。

    1、クレオパトラ。

    2、アレキサンダー。

    3、ネフェルティティ。

    4、モーツァルト。

    5、皇太子アレクセイ及び、皇女アナスタシア(ニコライ2世長男並びに三女)。

    6、卑弥呼(残念ながら海外の扱い、特に南北アメリカ、ユーロアフリカでは、卑弥呼って誰?なので)。

    番外、超弩級。キリスト及び、マリア。

    エジプト絡みが多いのは、内陸は砂漠、沿岸は海面上昇、地盤沈下で跡形もなくなる国だから?

    • +3
    1. 中国皇帝の墳墓も大体略奪されているけど、未盗掘ってされているのもあるんだよなぁ。
      基本中国政府が発掘許可していないけど、始皇帝陵とか何か残っているかもしれん。

      • +2
    2. 皇太子アレクセイ及び皇女アナスタシアはニコライ二世と王妃と娘たちの発掘の際に見つかって
      今はロマノフの歴代のツァーリが葬られてる大聖堂に安置されていますよ
      ていうか両方ともバラバラにしてガソリンぶちまけて焼いた痕跡ってねえ…

      • +2
  9. ツタン側から穴をあけずに逆の関係ないところに掘削抗を掘って
    反対側からスコープで調査するのはどうかな

    • +3
    1. というか玄室の壁画を破壊して穴を開ける訳にもいかないから
      別の入り口掘ってそこから発掘調査するしかないと思う

      • +1
  10. それにしてもネフェルティティはお美しい
    胸像は存命中に作られたのだろうか?
    古代エジプトの造像技術にはただただ驚くばかりです。

    • +3

コメントを書く

0/400文字

書き込む前にコメントポリシーをご一読ください。

リニューアルについてのご意見はこちらのページで募集中!

知る

知るについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

歴史・文化

歴史・文化についての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

最新記事

最新記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。