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ツタンカーメンの黄金のマスクは別の誰かのために作られたものである可能性

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(著) (編集)

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Photo by:iStock
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 古代エジプトのファラオ、ツタンカーメン王の黄金のマスクはあまりにも有名だ。その高さは54cm。貴石のモザイクが精巧にはめ込こまれていて重さ2.5kgのあごひげがついている。

 ところが今回、前から噂になっていた、この仮面は王のために作られたものではなかったとの見解を裏付ける証拠が発見された。

 英ヨーク大学の研究は、これまで見逃されていた手がかりを発見したという。それはマスクにあったイヤリング用の穴だ。

ツタンカーメン王のマスク発見

 エジプト学者のハワード・カーターによって、このマスクが初めて発見されたのは1925年のこと。1922年に見つかったルクソール近郊の王家の墓の発掘作業中の出来事だった。

 カーターの記録はオックスフォード大グリフィス研究所に保管されている。

 ツタンカーメン王は、わずか9歳で王位に就き、紀元前1332~1323年頃までの9年間、第18王朝ファラオとして古代エジプトを統治した。

 両親が兄妹だったとされる近親婚のせいか、脊椎側弯症や口蓋裂、内反足などの健康被害に悩まされていたと言われている。

 王の死因は殺人説もあるが、現在はマラリア、あるいは戦車の事故で足を骨折し、それが原因の感染症で亡くなったと考えられている。

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ツタンカーメン王の棺を調べるハワード・カーター image credit:DEA PICTURE LIBRARY

黄金のマスクはツタンカーメンの為に作られたものではない

 ヨーク大学のジョアン・フレッチャー教授は、次のように述べている。

このマスクは成人男性のファラオのために作られたものではない。顔部分の金は、他の部分の金とは全く異なるものであり、はんだ付けの跡が明らかだ(フレッチャー教授)

 更にマスクの耳たぶ部分にイヤリングの穴が空いていることも、このマスクがもともとツタンカーメンのものとして作られたものでない証拠になるという。

 古代エジプト文化では、イヤリングをつけるのは高位の女性か子どもだけだったからだ。

 ツタンカーメンは9歳で即位したため、その当時はイヤリングをしていた可能性は高い。だが、成長してからはイヤリングは外していたはずだ。

 亡くなった19歳前後の時点では着用していなかったと考えるのが自然だ。それではなぜ、マスクの耳たぶにイヤリングの穴があるのか? 

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石棺内のツタンカーメンのマスク(1925年) public domain/wikimedia

若くして突然亡くなったため、代用品を使用した可能性

 なぜ王に君臨したツタンカーメンのマスクが、彼自身のためにあつらえたのものではなかったのか。

 フレッチャー教授によると、王が19歳という若さで突然亡くなったため、埋葬の準備、つまりマスクが間に合わなかったのではないかというのだ。

 だからすでにできあがっていた他人のマスクを代替に使ったというわけだ。

 権力闘争が埋葬を急がせた可能性もあるかもしれない。墓室内の壁の塗料に垂れた跡があり、塗装がまだ完全に乾いていない状態で墓が封印されたという説ももっともらしい。

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エジプト考古学博物館に展示されているツタンカーメンのマスク image credit:Roland Unger / WIKI commons

では、誰のマスクだったのか?

 このマスクは、ツタンカーメン王の継母ネフェルティティのものだった可能性があるという。

 彼女の死の具体的な日付はわかっておらず、墓もまだ見つかっていないが、かなり信憑性がありそうだ。

 ネフェルティティは、ツタンカーメンの父であるファラオ、アクエンアテンとのちに結婚し、共にエジプトを統治した。

 夫の死後からツタンカーメンが王位に就くまでの短期間、彼女がファラオとして統治していたかどうかは議論がある。

 マスクのひげの素材が違うのも、もともと女性用に作られたマスクに後から取りつけたからではないかという説もある。

 マスクのイヤリングの穴は、長い間見過ごされてきた盲点だった。ツタンカーメン王のマスクには、まだまだ謎が隠されていそうだ。

References: King Tut’s Mask Wasn’t Meant for Him / King Tut’s Iconic Death Mask Was Intended for Someone Else, Researchers Say

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この記事へのコメント 14件

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  1. 副葬品が流用されたかは別にして
    ラムセス2世と言われる複数の像の耳たぶにも穴が見える気がするのでピアスは女性や子供に限らなかったのでは

    • +8
    1. ラムセス2世は過去の像を自分の顔に直しまくってるからアテになるのかどうか。

      • +4
  2. 王になったら真っ先にやるのが墓作りだったというので
    ここまで早くあぼーんしたらすべてが間に合わないよな
    これが一般人だと出来合いの墓地やミイラ作りがコースであったので
    いきなりあぼーんしてもそれなりには出来たんだけどさ

    • +9
  3. ナショジオのエジプト遺跡発掘番組でもこの記事と同様ツタンカーメンのマスクは継母のネフェルティティ用だったものを流用して作り直した可能性を紹介していた。マスク以外の根拠としては副葬品として女性の像がたくさん納められていたなんてのも。
    他にも副葬品として大量の武器と実戦仕様の鎧も納められていて、実はツタンカーメンは戦場に出る勇猛な王だったという説もあったり謎が尽きない。

    • +6
  4. お墓自体も別の人のを代用したって説もあったし
    全体に急死してバタバタ感が強い印象。
    それでもあれだけの財宝が収められたのだから
    古代エジプトの豊かさは半端ないよなぁ。

    • +11
  5. 言われてみるとマスクの顔が女性的に見えてくるから不思議。かなり中性的ですね。

    • +5
  6. エジプトの至宝を合法だと収奪してるイギリス

    • -1
  7. すぐさまこれだけのものを作るのは無理だから
    顔を除いた部分を先に作っておくことぐらいは
    やっておいたと思うな

    • +2
  8. で、プラミットは間に合ったの?おかしくない?
    決まった人のマスクじゃなく、亡くなった王族が順番に使ってたんじゃないの?

    • 評価
    1. ピラミッドは、古王朝時代、ツタンカーメンは新王朝時代の王なので、時代自体が違う。新王朝時代の墓はルクソールの王家の谷だよ

      • +2
  9. イヤリング用の穴なんて些細なことは証拠にはならん

    自分の論をごり押ししているようにしか見えん

    • -5

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