この画像を大きなサイズで見る2026年9月10日、中国の大手IT企業「美団(Meituan)」は、上海市徐匯区の西岸地区で、複数の商業施設や公園、飲食店などをドローンで結ぶ「上海西岸低空航網」の運用を開始した。
これに合わせてスタートしたのが、「マクドナルド中国」と「美団」社が共同で開設した、マクドナルド専用のドローン配送サービスである。
このサービスは、上海のマクドナルド龍騰大道店から、約3km離れた西岸滑板公園へ、注文した商品をドローンが届けてくれるというものだ。
特定の飲食ブランド専用のドローン配送としては、中国では初めて実現したサービスだという。
スマホで注文したマクドナルドの商品がドローンで公園へ
このサービスにより運用が開始されたのは、上海市徐匯区にある「マクドナルド龍騰大道店」と、黄浦江沿いの「西岸滑板公園」を結ぶドローン配送ルートである。
これはマクドナルドと美団が共同で開設したもので、特定の飲食ブランド専用のドローン配送ルートとしては、中国初なんだとか。
マクドナルドから飛び立ったドローンは、事前に設定されたルートを辿り、川沿いにある公園に設置された受け取りポイントまで、無事に商品を届けたのだ。
今回のサービス開始に合わせ、このルートで最初に運ばれたのはビッグマックのセットだったという。
もちろん、このドローンサービスで注文できるのはビッグマックだけではない。セットメニューやサイドメニュー、ドリンク類もOKだ。
さらにマックカフェ、マックフルーリーなど、30種類以上のマクドナルド商品が対象で、飛行に適した条件であれば、注文から到着までは最短で約10分だそうだ。
注文したマクドナルドの商品がドローンで公園へ
今回の配送ルートの出発地点となるマクドナルド龍騰大道店は、上海市徐匯区の西岸地区にある店舗である。
ドローンに配達してもらいたい人は、まずスマホでほしい商品を選び、ドローン配送に対応した受け取り地点を指定する。
注文した商品が用意されると、店舗スタッフが店外に設置された専用の中継設備まで運ぶ。
そこで機械アームが商品をドローンに積み込み、機体が搭載状態を確認した後、目的地を識別して、あらかじめ設定されたルートを飛行する。
道路を走るデリバリーとは違い、渋滞の影響を受けずに目的地まで飛べるため、通常なら30分程度かかるところを、最短約10分にまで短縮できるという。
商品が西岸滑板公園に到着すると、注文した人はスマートフォンでQRコードを読み取り、専用の受け取りボックスを開けて商品を取り出す。
今のところ、受け取れるのはこの専用の受け取りボックスだけで、残念ながら現時点では、自宅のベランダや玄関先まで運んできてくるわけではないようだ。
この画像を大きなサイズで見るマクドナルドとタッグを組んだ「美団」とは
今回マクドナルドとタッグを組んだ「美団」社は、日本ではほとんど聞いたこともないという人が多いと思う。
だが中国では、フードデリバリーをはじめ、飲食店やホテルの予約、買い物など、日常生活にかかわるさまざまなサービスを提供している大手IT企業なのだ。
日本のサービスに無理やり置き換えるなら、Uber Eatsに食べログやじゃらん、ネットスーパーなどをまとめてひとつにしたようなものを想像するとわかりやすい。
その美団が最初にドローン配送の研究・開発を始めたのは2017年で、一般向けの配送サービスは2021年に深圳で始まった。
その後は着々とサービス地域を広げており、現在では北京、上海、広州、深圳、香港のほか、海外ではドバイでも展開している。
2026年9月までに、同社のドローンを使っって行われた配送の累計は、100万件を超えたそうだ。
美団はこれ以前にもさまざまな飲食店の商品をドローンで配送しており、2024年2月にはケンタッキーフライドチキンと提携して、深圳の人才公園への配送も開始している。
だが、今回の件が「中国初」と話題になっているのは、中国で初めてドローンがフードデリバリーを始めたから…ではない。
マクドナルドという「特定の飲食ブランドのために専用の発着設備と飛行ルート、サービス方式を組み合わせたドローン配送」の登場が、中国初なのである。
この画像を大きなサイズで見るマクドナルドはまだ1ルート、美団は上海でさらに拡大へ
現在、マクドナルド専用として発表されているのは、龍騰大道店から西岸滑板公園へ商品を届ける1ルートのみだ。マクドナルド側はまだ試行段階としており、利用者の反応を見ながら今後の展開を検討していくという。
一方、美団は西岸地区でドローン配送に対応する飲食ブランドを、現在の約20から、2026年末までに40以上へ増やす予定とのこと。
さらに西岸での運用を足掛かりとして、上海のほかの地域にもドローン配送網を広げていく方針を示している。
こうした取り組みの背景には、中国で近年成長が期待されている「低空経済」がある。
これはドローンやeVTOL(電動垂直離着陸機)などを使い、低空域を物流や旅客輸送、観光、緊急救援などに活用する産業の総称だ。
上海市も低空経済を重点産業の1つとして育成しており、2024年に策定した計画では、2027年までに中核産業の規模を500億元(約1兆1,700億円)以上にする目標を掲げている。
今回のマクドナルドのドローン配送も、こうした「空を日常の物流に使う」動きのひとつなのである。
世界各地で広がるドローン配送サービス
ところで、ドローンによるデリバリーサービスは、なにも中国だけの専売特許というわけでもない。
アメリカでは、Googleから生まれたドローン配送会社「Wing」がWalmartと提携し、食料品や日用品などを一般家庭へ届けている。
上海のマクドナルドが指定場所で商品を受け取るのに対し、Wingではドローンが住宅まで飛び、上空からワイヤーで庭や車寄せなどに商品を降ろす仕組みだ。
もう1社、世界で大規模なドローン配送を行っているのが米国の「Zipline」だ。
同社はもともと、アフリカで血液や医薬品を医療施設へ届ける事業から成長した企業で、現在は米国でも食品や日用品などをドローンで配送している。
現在は同社の飛行の約70%が米国内で行われており、医療物資を届けるところから始まったドローン配送が、日常の買い物にも利用されるようになっている。
日本でも離島などでは始まっていた
実は日本でも、一般の人が注文した食品をドローン配送で受け取れる…というサービスは、すでに一部地域で始まっている。
たとえば長崎県五島市では、ドローン物流を手がける「そらいいな」社が市内のスーパーや飲食店と提携し、2026年1月から総菜やテイクアウト商品をドローンで届けるサービスを開始した。
注文するときは、LINEのミニアプリ「注文くん」を使用。スーパーの総菜や飲食店のテイクアウト商品をスマホから注文し、ドローン配送で届けてもらえるのだ。
同社はもともと、五島列島の離島など物流が不便な地域の住民や医療機関を対象に、医薬品や日用品などを届ける事業を展開してきた。
同社はこの食品配送サービスによって、離島の住民の買い物を便利にするとともに、地域での消費機会を増やすことを目的としているという。
今回の映像がインターネットで拡散されると、視聴者からはさまざまなコメントが寄せられていた。
- あとは、カモメがフライドポテトを狙ってこのドローンを追いかけ回す動画が出てくるのを待つだけだな
- これ実際に使ったよ。この辺は観光客がすごく多いのに、飲食店はどこも少し離れてるから、みんなデリバリーを頼むんだよね。配送料は1回14元(約330円)。美団のクーポンも併用できるから、トータルではまあ悪くない値段だと思う。注文してから受け取るまで、20分くらいだったかな
- 届くころには、めちゃくちゃ冷めてそう
- 注文してから30分以上は待つことになりそうだけど、それでも見た目はすごいな
- 実際に頼んだことあるけど、だいたい20分くらい。それに保温バッグに入ってるから、受け取ったときもまだ温かかったよ
- それなら自動販売機を置いたほうが簡単じゃない?
- 帰りにはゴミも回収してくれるんだよね?
- どうせ公園は清掃員がいつも掃除してるし、配達員は折りたたんだ箱を回収しに来るだけだよ
- 周辺にはゴミ箱がたくさんあって、50mおきくらいに1つある。上海の街の衛生管理はかなりしっかりしてるよ
- 雨が降ったらどうするの?料理が台無しにならない?
- 雨の日はドローンで配達しないよ
- バッテリー技術が進歩すれば、将来は都市部の小型荷物の配送をドローンでこなせるようになりそう
- 問題はバッテリーじゃなくて、安全性と飛行ルートだよ。大量の配送ドローンが荷物をぶら下げて頭の上を飛び回るのを受け入れられる?
- 飛行ルートの安全性やプライバシーの問題は解決できると思う。それよりも真剣に議論されるべきは、都市部のドローン物流によって、配達員という劣悪な働き方をなくせるんじゃないか、ってこと
- 50億台のロボットができて、それが暴走したらどうするんだ?ロボットがAIウイルスに感染しないと思ってるのか? まあ世界が終わるなら、ゾンビよりロボットのほうがいいと思うし、見てみたい気もする
- ロボットはあなたが考えているほど恐ろしいものじゃないよ。現在のニューラルネットワークにしても大規模言語モデルにしても、言語モデルを頭脳として使っている限り、ロボットがあなたの想像するような形で自律的な身体性を持つとは私は思わない
- ドローンや食べ物に鳥のフンが落ちるのは、どうやって防ぐんだろう?
日本でも先日「テスラのロボタクシーが上陸」というニュースが流れたが、数年後にはきっと今とは全く違った「便利な」生活が実現しているのかもしれない。
当たり前のようにロボタクシーが街を走り、フードデリバリーや宅配便を届けるためにドローンが空を飛び交う。
20世紀の子供たちが夢見たテレビ電話や壁かけテレビは、既に実現して久しいけれど、次に来るのはどんな「夢の未来」なんだろう。
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References: 你点餐,无人机送 / 麦当劳携手美团无人机开通国内首条餐饮品牌专属无人机配送航线
















