この画像を大きなサイズで見るアメリカ・ニューメキシコ州で110年前に発見された化石が、実は未知の恐竜だったことが最新の研究で明らかになった。
この草食恐竜はアヒルのような平らなくちばしを持つ「カモノハシ恐竜(ハドロサウルス科)」の仲間で、当時の生態系を支えた「白亜紀の牛」のような存在だった。
最新の分析により、この恐竜は、独自の進化を遂げた新属新種であると特定された。
この発見は、白亜紀末期の北米に、私たちの想像を超える多様な恐竜たちが共存していたことを物語っている。
110年前に発見された化石を再検証
約7500万年前の白亜紀後期、当時の北米大陸西部を構成していた「南部ララミディア」と呼ばれる地域では、ハドロサウルス科サウロロフス亜科(Saurolophinae)の巨大な草食恐竜が生息していた。
この恐竜の化石が発掘されたのは、今から110年前の1916年のことだ。以来、この化石はハドロサウルス科のクリトサウルス属という別のグループの個体として扱われてきた。
しかし、スミソニアン国立自然史博物館に保管されていたこの化石を、ニューメキシコ自然史科学博物館のアンソニー・フィオリロ博士らが再検証したことで、歴史が塗り替えられた。
不完全な頭蓋骨や下顎、脊椎の骨を改めて調べ直した結果、ハドロサウルス科ではあるものの、既知のどのグループとも異なる特徴を持つ「新属新種」であることが判明したのだ。
ペンシルベニア州立大学のエドワード・マリンザック氏らは、この化石が独自の「属」として認められるほど、明確で異なる解剖学的特徴を持っていることを見出した。
特に頭蓋骨の形状が他の種とは明らかに異なっており、鼻筋の低い位置に独自の骨のトサカを持っていた可能性が高いことが判明したのである。
この画像を大きなサイズで見るアヒル口が特徴のカモノハシ恐竜、ハドロサウルス科
ハドロサウルス科の恐竜たちは、そのユニークな顔立ちから「カモノハシ恐竜」という愛称で親しまれている。
その名の通り、口先がアヒルのくちばしのように平たく広がっているのが最大の特徴だ。
この平らな口は、森や湿地に生える大量の植物を効率よく摘み取るために進化したものと考えられている。
また、彼らの口の奥には「デンタルバッテリー」と呼ばれる数千本の歯が層状に並んだ特殊な構造があり、どんなに硬い植物でもやすりのようにすり潰して食べることができた。
このアヒルに似たくちばしこそが、彼らが過酷な自然界を生き抜くための強力な武器だったのである。
この画像を大きなサイズで見る白亜紀の牛的存在だった
ハドロサウルス科は、白亜紀の終わりの約2400万年間にわたって北半球で繁栄したグループだ。
アメリカ、ペンシルベニア州ハリスバーグ科学技術大学のスティーブン・ヤシンスキー博士は、彼らを「白亜紀の牛」と呼んでいる。
これは彼らが現代の牛のように大きな群れを作って生活し、当時の北米大陸において、どこにでもいる圧倒的な存在だったからだ。
今回特定された新種も、大きな個体では全長が12mにも達する巨体を持っていた。彼らはその重厚な体で群れを作り、広大な大地を移動しながら生活していたと考えられている。
この画像を大きなサイズで見る新たな名前の由来
研究チームは、この恐竜をアシスレサウルス・ウィマニ(Ahshislesaurus wimani)と名付けた。
属名のアシスレサウルスは、化石が見つかったニューメキシコ州のアシスレパという地名に由来している。
一方、種小名のウィマニは、スウェーデンの高名な古生物学者であるカール・ウィマン(Carl Wiman)博士の名にちなんだものだ。
ウィマン博士はニューメキシコ州における恐竜研究の先駆者であり、この化石が以前クリトサウルス属に分類されていた際にも、その功績を称えて命名されていた。
今回の再分類で属名は変わったが、種を特定する名前はそのまま引き継がれた。
多様性を爆発させた恐竜の進化史
今回の発見は、白亜紀後期のカモノハシ竜たちが、これまで考えられていたよりもはるかに多様で、互いの生息域が重なり合っていたことを示唆している。
動物の系統を特定する上で、頭蓋骨は最も重要な手がかりだ。
アシスレサウルス・ウィマニの頭蓋骨を他の仲間と比較することで、彼らが独自の進化を遂げた全く別の系統であることが証明された。
似たような姿の巨大草食恐竜たちが、同じ環境の中でどのように共存していたのかは今も謎に包まれているが、この発見は白亜紀末の生態系が極めて豊かだったことを示している。
この研究成果は『Bulletin of the New Mexico Museum of Natural History and Science』誌に掲載予定となっている。
【追記】(2026/01/13)
発見された恐竜のカタカナ名を訂正し、「アシスレサウルス」に、発見場所「アシスレパ」に変更して再送いたします。
References: Harrisburgu / Giant 'cow of the Cretaceous' discovered almost 100 years ago identified as new duck-billed dinosaur / Paleontologists Identify New Species of Flat-Headed Herbivorous Dinosaur
















ニッポノサウルス化石の再発見を願う
アシスレパサウルス・ウィマニ
新種になっても元の発見者に敬意を表するのっていいね✨(´◡` )
他にもすでに発掘されている恐竜再調査したら新種出てきそうだな。
試料、資料は一回検証しておわりじゃないんですね。 再検証することで新たな発見があるかもしれないからやっぱり検証済みだから終わっても捨てちゃダメってことがよくわかります。 かといって収蔵スペースとの絡みで捨てないわけにもいかないってところもあってとっても二律背反……
参考: https://www.mbs.jp/news/feature/kansai/article/2024/10/103601.shtml
化石種に限らず現生種でも、もう一回調べなおしたら実は新種でしたってのはよくあるよね。
数千本の歯が層状に並んだ、凄いないくら草食でも近くにいたくない
”サウロロフス亜科のハドロサウルス科が” この書き方だと亜科が幾つかの科に分かれるような感じがする
一個一個の歯は小さいからそこまで恐ろしい見た目ではないけどね
カタツムリは1万本以上の歯を持ってたりするし
いやこれ、あくまでも「奥歯」の話であって、口の前の方はクチバシみたいになってて歯が無いからな?
(だからこそ「カモノハシ竜」って呼ばれてるんだし)
貴方が「動物を見れば、とりあえず口の奥に手を突っ込まずにはいられない」やべー奴だってんなら、そりゃ近寄るべきではないけどさ⋯。
バックヤードを調べたら…、なんていうのも化石に限らずあるよねぇ