この画像を大きなサイズで見るトマトとジャガイモ、一見まったく異なる野菜に見えるが、実は深いつながりがあった。
中国をはじめとする国際チームが発表した新たな研究によると、約900万年前、南米に自生していたトマトとジャガイモに似た植物が自然交配を行い、現在のジャガイモの原型が誕生したという。
この驚きの発見は、私たちが食べている「塊茎(かいけい:植物の地下茎の一部が肥大化したもの)」というイモの部分が、偶然による異種間の交雑によって進化したことを伝えている。
この研究は『Cell』(2025年7月31日付)に掲載された。
ジャガイモはどこからやってきたのか?
世界各地で栽培されているジャガイモだが、そのポピュラーさのわりに起源不明のミステリアスな作物でもある。
見た目こそチリ原産の野生種「エツベロスム(Etuberosum)」にそっくりだ。ところが、このナス属の植物には「塊茎(かいけい)」、すなわち地地下茎が膨らんで養分を蓄えるイモの部分がない。
一方で、系統解析によると、ジャガイモはむしろトマトに近いことが明らかになっている。
この画像を大きなサイズで見るジャガイモはトマトとエツベロスムの自然交配から誕生した
はたしてジャガイモはどこからやってきたのか?
この謎を解明するために、中国農業科学院深圳農業ゲノム研究所をはじめとする国際研究チームは、ジャガイモの栽培種450種と野生種56種のゲノムを解析した。
論文の筆頭著者チャン・ジヤン氏は、「採取が難しい野生のジャガイモですが、今回のデータセットはこれまでに解析された中で最も包括的なゲノム情報でした」と語る。
そして分かったのは、どのジャガイモ種にもエツベロスムとトマト両方の遺伝子情報が含まれているということだ。
つまり、大昔に両種が交雑し、それによってジャガイモが誕生したと考えられるのだ。
エツベロスムとトマトは遠く離れた種だ。だがおよそ1400万年前には共通の祖先が存在した。
この共通祖先から枝分かれしてから500万年後、それぞれ独自の進化の道のりを歩んだ両種だったが、それでもまだ交配することができた。
そして今から900万年前に自然交配が起きて登場したのがあの美味しいジャガイモの祖先だったのだ。
今回の研究では、イモの部分(塊茎)の形成に不可欠な遺伝子が、エツベロスムとトマトの両方から受け継がれたことも明らかになっている。
すなわちトマト由来の「SP6A遺伝子」は、塊茎を作るタイミングを伝えるスイッチとして機能する。一方、エツベロスム由来の「IT1遺伝子」は、塊茎を形成する地下茎の成長を制御する。
あの美味しい塊茎は、この2つの遺伝子がそろって初めて成長が可能になったのだ。
この画像を大きなサイズで見る激変するアンデスの環境を生き抜いたジャガイモ
実は900万年前の登場時期は、ちょうどアンデス山脈が急激に隆起し、新しい生態系が生まれていた時期と一致する。
おそらく初期のジャガイモは、地下に栄養を蓄える塊茎を持つことで、寒冷で厳しい山岳地帯に適応し、生き延びることができた。
さらに塊茎のおかげで種や受粉なしで繁殖できるようになったことも、温暖な草原から高地の寒冷な草地まで、ジャガイモが多様な環境に広がることを手助けした。
そんなわけで、900万年前に南米で起きたトマトとエツベロスムの自然交配は、まさしく野菜の革命だったのだ。
そのおかげで塊茎を持つ最初のジャガイモが誕生し、アンデス山脈の厳しい環境でも生き残ることができた。
そしてジャガイモはさまざまな進化を遂げて世界中に広がり、私たちの胃袋に収まるようになったというわけだ。
編集長パルモのコメント

そういえば、1つの苗木からトマトとじゃがいもが育つ「トムテト(ポマト)」なるハイブリッド苗木が開発されたというニュースを報道したのは2013年。自然交配により2つに分岐したのだとすれば、両方なる苗木が誕生してもおかしくないよなと、今回の研究結果を聞いて
References: Elsevier.com / Eurekalert
















トマトとジャガイモが自然交配するとは。
マクドのフライドポテトとポッポのフライドポテトも、自然交配するのだろうか。
ヒトにとってヨーロッパにもっていって毒のないジャガイモにしたとき世界が一段変わったわけで、人為的ではないですがその前にそもそもジャガイモになったときってのがあったのですね。 このころからソラニン(毒)もってたのかななどと疑問を持ったり……
トマトも熟す前とかヘタとかの緑色の部分には毒あるからあったでしょうね
その名もトマチン、ソラニンと同じグリコアルカロイド属です
だいぶ昔に土の下にはポテトができ、上にはトマトがなる
ポマトというのを細胞融合で作られて農業革命だ、なんて話が
あったが遺伝子組み換もだがバイオ技術って消費者に警戒されて
思った以上に普及してないなぁ。
普及しなかったのは単に、トマトとしてもジャガイモとしても品質が中途半端で、商用レベルの実用に達しなかったから。
接ぎ木のトムテトのほうが、まだしも目的に適う水準。
実と塊茎を両方美味しく作るのは無理。
蓮だって花を楽しむ園芸種と野菜の蓮根は種類が違うじゃん
それぞれに特化した品種があるんだよ
葉で光合成された栄養は実かイモかどちらかにしか貯蔵できない
半々に分けるのであれば、当然実の量か実の質が半分になる
そんなんだったらそれぞれ作ったほうが楽
そういえば昔ポマトとかあったなあ
あれは案外理にかなってたのか
どっちもナス科だもんな
花の形も似てるよね
トマトとジャガイモ、実も葉っぱも割と似てるからなぁ・・・花はあんま似てないけど
(ジャガイモの花はどっちかってーとナスに近いと思う)
ジャガイモの実はミニトマト感が強いけど、
若い実は毒性が強い上に、熟してるか否かの
見極めが難しいというなかなかの危険物らしい
とりあえず食べない方がよさげ
バブルの時にじゃがいもとトマトを合成した
ポマトってあったな、、芋も実も取れます、
ってうたい文句だったが、どっちつかずだったらしい。
園芸をやっているとわかるけど
美味しい作物を収穫するためにはお世話が大切なんだよね
その中には、作物に栄養を送り込むための作業が含まれているから
ポマトがどっちつかずになることは農家だったら初めから気が付いていたはずだよ
ジャガイモとトマトをバイオテクノロジーで融合させたポマトって雑種もあるから、ジャガイモとトマトが近い系統なのは知ってた。そもそもジャガイモがトマトと別種の自然雑種だったのか。
芋じゃないんだな
そりゃ根と実に栄養分散させたら微妙にはなるわな。
フライドポテトを「野菜だから!」と言い張るアメリカ人の主張はあながち間違いでもなかったのか。
なおトマトは果物だと主張される模様(敗訴)
ちな植物学的には種を包む果肉を食ってるのでナス科は全部果物である
どっちも美味しすぎる野菜やありがたや〜
ポマトはどっちも不十分な育成になることが多く
大量の肥料が必要で廃れた
君達は本当に優秀なかけがえのない野菜だよ。生まれてくれてありがとうと言いたい。
久しぶりにジャガイモふかしてトマトのポタージュでも作ろうかね
やっぱみんなポマト思いつくんだね~
つくば万博での展示があって、その時の写真見せてもらったらめちゃめちゃ大きい”木”ぐらいに育ってた様な記憶が… 記憶違いかも知れんけど… トマトのなり数も1万越えと半端なかったらしい、ちゃんと乗れるリニアモーターカーとかの展示もあったらしい、うらやましいな~
水耕栽培の話聞いた時に見せてもらったけど、接ぎ木では無くて細胞同士を直接くっつけて作るとかで、トマトを丈夫に、かつ寒い土地でも育つように改造したモノらしい、つまりイモの方は副産物的だったとか。
関東で多く作られてる品種規準だと、収穫時期がじゃがいも→トマトなので土に植えたらどっちも収穫するのは無理そう、イモは茎ごと収穫しちゃうし。
水耕栽培はオート農業の模索で進歩してそうだな~
どっちも大好きだ!
交配してくれてありがとう!
ナス、トマト、ジャガイモが近縁と聞いても、何なら並べられても絶対にわからん
トマトとナスは似てる
トマトのどろどろの部分が固まったらもうナスやん
ワタの部分が固体だとナス、液体だとトマト、気体だとピーマン
トマトが先か、じゃがが先か…
そう言えば、ジャガトマナスってみんな話題にしないけど、あったよね?
育ててみたいなぁ。