この画像を大きなサイズで見る社会性のあるアリは集団で生活している。巣の内外で働くアリたちに怪我はつきものだ。だが彼らは誰かが傷を負うと、仲間が応急処置をしてくれる。いわば衛生兵が存在するのだ。
これまでも、シロアリとの激しい戦いで負傷した仲間の傷口を舐めて回復させる「マタベレアリ」の衛生兵の活躍は知られていたが、今回、外科手術まで行ってしまうアリの存在が確認された。
見事な足の切断手術を行っているのはフロリダ州に生息する「フロリダオオアリ(Camponotus floridanus)」で、手術の成功率はなんと90%にものぼるという。
しかも闇雲に切断するわけではない。衛生兵となったアリはきちんと状態を診断し、怪我や感染の状態にあわせて治療を行うのだ。
ブラックジャックさながらの腕前を持つアリの衛生兵
「フロリダオオアリ(Camponotus floridanus)」は、フロリダではもっとも一般的なアリのひとつで、オレンジ色の体と黒っぽいお腹のツートンカラーが特徴だ。
この画像を大きなサイズで見るドイツ、ヴュルツブルク大学の行動生態学者、エリック・フランク氏らの研究によると、彼らは高度な医療行為は、きわめて効果的なものだという。
例えば、スネ(脛節)に当たる部分を怪我したアリを放っておけば、生存率はわずか15%しかない。ところが、仲間から傷の手当てを受けると、75%が生存するのだ。
処置の主な内容は消毒で、衛生兵役のアリは大あごと前脚で仲間の傷ついた足を支え、時間をかけて丁寧に傷口を舐める。
しかもケガによっては足の切断手術すらやってのける。その成功率はなんと90%だ。
太もも(腿節)の怪我の場合、外科医アリは先ほどと同様に傷口をきれいにし、それから転節という部分で足を切断する。
足が切れるまでガリゴリと噛み付くワイルドな手術だが、それでも放置すれば40%程度の生存率が切断後には約90%にも跳ね上がる。
この画像を大きなサイズで見る的確な診断に基づく医療行為を行っていた
だがなぜかスネの怪我は切断しないこともわかった。 そこには医師アリの的確な診断があるようだ。
試しにスネに傷を負ったアリの足を切断してみた実験では、生存率が上がらないことがわかっている。
その理由はスネの怪我では、血(血リンパ)の巡りがそれほど変わらないことと関係があるようだ。
ここに怪我をしても血の循環が悪くならないということは、それだけ細菌が体内にすばやく侵入できるということでもある。
切断手術には40分ほどかかるそうだが、スネの怪我の場合、そんなに時間をかけてしまうと、危険な細菌に感染してしまう。だから舐めて消毒することに専念し、致命的な感染のリスクを下げるのだという。
一方、太ももの傷では、血の循環が悪くなる。だから切断手術を行う猶予がある。
この画像を大きなサイズで見る人間に匹敵するほどの医療処置の腕前
感染症はどんな動物にも危険なものだが、特にアリのように社会的な生き物の場合、仲間から仲間へと広がるリスクもある。
だから昆虫の中には、感染した卵や幼虫を殺したり、巣を隔離したりして、伝染のリスク緩和に努めることがある。
今回のアリによる医療行為もこうした戦略のひとつであると考えられるが、じつは学習によるものではなく、生まれつき備わった習性である可能性が高い。
アリたちがどのような進化で医師の才能を獲得するにいたったのか、これはきわめて興味深い疑問だ。
アリが怪我をした足を仲間に食いちぎらせ、新しくできた傷口をまた別の仲間が消毒して仕上げる様子を映した動画を見ると、その生まれつきの協力レベルに目を見張る思いがします(フランク氏)
フランク氏は「これに匹敵する医療行為を行うのは、唯一人間だけでしょう」とも述べている。
負傷した仲間の足の切断手術を行うフロリダオオアリ
この研究は『Current Biology』(2024年7月2日付)に掲載された。
References:Ants treat each other’s wounds and can even do amputations – Scimex / These Ants Perform Life-Saving Operations on Injured Nestmates, Similar to Humans : ScienceAlert / Ants perform amputations to save injured nestmates / written by hiroching / edited by / parumo
















最後の動画、手術自体もすごいけど、横でじっと手術を見てるやつがいるのが知性を感じる
>>1
慥かに
されてる側も素直に大人しく施術受けてるのも凄いね
取れた瞬間の「痛っ」みたいなリアクションも生々しい
>>1
観て学習しているのではないかと思ってしまう
痛いぞ 我慢しろ
ブチブチッ
趣味でアリを育てているんだが、ある種のアリはそれまで順調に成長していても
孵化を失敗して体に異常がある個体が生まれると、すぐにバラバラにして食べてしまう
まるで失敗作を材料に戻してるように見える
そんなこと、ありえるのだろうか?
オオアリですよ~。
アリって働き者だし可愛いと思ってたけど、よく見るとGやクモに似てることに気付いてしまった。
>>6 アリグモっていうアリ似のクモもいるよ。
働きアリってもっと消耗品みたいな扱いなんだと思ってたから治療して生かすのは意外だった
>>7
自分も大量生産使い捨ての物量作戦だと思ってたけど、そんな雑なやり方じゃ自然界じゃダメなんだなあって
1匹成虫まで育てるのもそれなりに大変だもんね。しかし外科手術をやれる生物がヒトの他にいるとは思わなかった
家をアリに侵食されかけたので大嫌いなんだけど、動画とかは見入ってしまう…
小さい虫なのに社会性というのか、本当に凄い
すごい、ちょっと感動した
蟻は何百種類もいるだろうけど手術までするのはこれだけなのかな
生命の神秘やな遺伝子🧬って不思議
これにはナイチンゲールさんもニッコリ
「メディーーーーーック!!メディーーーーーーーーーック!」
俺自身は懐疑主義者じゃないが、こういうの見ると確かにダーウィニズム的な進化論に懐疑的になる人がいるのもわかる気がする。
これは流石に進化論じゃ説明も難しくないか?
>>15
具体的にどこが説明が難しいの?
集団としての利益を最大する個体が多い集団が生き残りやすかったってだけでしょ
>>18
「怪我をしている個体を特定し」「治療すべきかどうかを判断をし」「適切な外科的処置をする」。これらの条件がすべて揃って初めて発生する行動は、進化論的に説明が難しいでしょ。
っつうか
> アリたちがどのような進化で医師の才能を獲得するにいたったのか、これはきわめて興味深い疑問だ。
って記事内でも書いてるじゃん。キミはその疑問に答えられるってこと?
>>20
18じゃないが、
確かに自然淘汰を基盤とした進化論では説明が難しく思える
でも代替仮説でより説得力のあるものが無いのが現状、少なくともインテリジェンスデザインを説明する方が難しいのかもしれない
あとは、実は条件が最初から全て揃う必要が無いかもしれないし、ものすごい時間をかければ少しずつ獲得できる、のかもしれない
>>21
本能のあり方を高尚に見過ぎてると思う。別にケガをケガとして治すべきものとして認知する必要はないし、治療行為をそれとして意義まで認知する必要はないんだよ
仲間の血を美味いと感じるから味がなくなるまで(=治るまで)美味い美味いと舐める、膝損傷は美味しいメシに見えるからブッ千切って持ち去る、
ケガを舐められると気持ち良いからされるがままに応じる、膝のケガは特別痛く感じないからされるがままに応じる
そんなふうに感じる個体がたまたま発生し、結果的に治療行為になっていたから定着した。治療行為になっていないトンチンカンな本能も裏では発生しまくっているが意味ないから定着していないし偶々人間に見つかってもなんかバカな動きしてるやつが1匹いるなでソイツだけで終わる、これだけで説明できるしこれが自然選択だよ
全部が同時発生する必要もないしね。嫌がられてもしつこく舐めたりブッ千切ればそれだけでも十分に治療行為として成立するしその本能は広まる。そうなれば被治療側の本能が産まれ定着する土台になる
ほんの少しでも有利なら大体3万年もあれば全体に広まると言われているよ
🐜「2番と4番、それに5番脚が損傷。走行不能です」
残りの脚で車体を戻せるか
🐜「やってみます」
足を切られてる方も必要性が分かっているから黙って切られてるんでしょ
その辺の判断力というか、本能というのか、凄いな