メインコンテンツにスキップ

アリだって孤独が辛い。孤立したアリは人間と同じようにストレスを感じているという研究結果

記事の本文にスキップ

24件のコメントを見る

(著) (編集)

公開:

この画像を大きなサイズで見る
photo by Pixabay
Advertisement

 新型コロナウイルスの影響で、思うように人に会えず、寂しい思いをしている人もいるだろう。だが孤独を感じているのは人間だけではない。小さなアリですらも、同じように孤独の辛さを感じているようだ。

 きわめて高度な社会生活を営んでいるアリもまた、孤立することに対してストレスを感じ、人間をはじめとする社会的な動物と同じような反応を示すことが『Molecular Ecology』(3月27日付)に掲載された研究で明らかとなった。

社会性をもつアリも孤立するとストレスを感じるのか?

 社会生活を営む人間は周囲から孤立すると大きなストレスを感じて、心身ともに影響が出る。孤独感やうつ症状、不安などを感じ、人付き合いや身だしなみといったことに関心を示さなくなる。またときに依存症に陥ったり、免疫が弱くなることもある。

 では、社会生活を営むアリはどうだろうか?アリの暮らしは極めて社会性があり、巣の中に構築された社会に深く織り込まれている。

 たとえば女王アリはもっぱら子供を作ることにだけ専念し、働きアリは自らの子孫を残すこともなく、女王アリの子供の世話と巣の管理に勤しむ。

 仲間がいなければ絶対に生存することができない彼らは、人間以上に社会に依存しているとも言えるかもしれない。

この画像を大きなサイズで見る
photo by Pixabay

働きアリを孤立させると、うつ状態になり免疫が低下

 そんなアリが孤立するとどうなるのか調べるために、ドイツ・ヨハネス・グーテンベルク大学マインツをはじめとするグループは、西ヨーロッパの固有種である「Temnothorax nylanderi」というアリを観察した。

 このアリはドングリや枝のような木が落としたものの中に巣を作る習性があるのだが、試しにそこから若い働きアリを捕獲し、周囲から孤立させてみた。そして、しばらくしてから(最短1時間から最長28日)また巣に戻す。

ドングリに巣をつくるアリ、Temnothorax nylanderi

 するとその働きアリは、大人の仲間にあまり関心を示さなくなったという。ついでに自分の身繕いをすることも減り、かわりに子供と過ごすことが多くなった。

 身繕いは寄生虫から身を守るための大切な行動なのだが、スザンネ・フォイジク教授によれば、自分の衛生に関心を払わなくなる傾向は、ほかの社会的動物が孤立したときにも見れられる現象で、人間のうつ状態によく似ている。

 さらに遺伝子にも影響があった。アリの免疫系やストレス反応に関連する遺伝子の活動が低下したのだ。

 ほかの社会的動物を対象としたこれまでの観察では、孤立すると免疫が弱くなることが確認されているが、アリもまた同様であるようだ。

この画像を大きなサイズで見る
photo by Pixabay

 つまり昆虫でありながら社会生活を営むアリもまた、孤独に対して、我々人間や哺乳類と同じように反応するということだ。

 ちなみに働きアリでありながら、中には全く働かないアリもいる。そんなところさえ人間によく似ているじゃないか。

References:
Social isolation causes downregulation of immune and stress response genes and behavioural changes in a social insect
Ants handle social isolation about as well as humans do — poorly
/ written by hiroching / edited by parumo

📌 広告の下にスタッフ厳選「あわせて読みたい」を掲載中

この記事へのコメント 24件

コメントを書く

  1. ドラえもんのアリの話の完成度の高さに
    驚かされる。

    • +2
  2. やっぱり社会性を築く生き物って似てくるんだろな

    • +8
  3. ひょっとして、人間はアリと豚と猿を配合させて出来た生き物なのかなぁ?

    • +2
    1. >>3
      めちゃくちゃキモいの生まれそうで草

      • +3
  4. 孤独で安心を感じる人間もいる事を知って下さい。

    • +8
    1. ※4
      孤立と孤独って違うよね。
      自分は一人っ子だからかもしれないけど,
      他人と与太話するくらいなら,一人でいる方がマシ。
      コロナでつきあい飲み会がなくなってせいせいしてる。

      • +4
    2. ※4 ※17
      その気になれば いつでも玄関から家を出られ
      いくらでも近隣の人がいる街中や住宅地で
      ネットに書き込みしながら「孤独を好むオレ」をやってるのと、
      このアリのように、訳も分からず急に群れから隔絶され
      今後どうなるか 群れに戻れるのか 全く状況が見えない
      (例えば、大災害に見舞われて交通が途絶した場所に取り残され
      スマホやラジオ等も通じず、何がどうなったのか知れないまま
      幸い生存に必要な当面の食糧だけは手元に確保されてる状態とか、
      道を歩いてたら いきなり謎の集団に拉致られ
      衣食住は快適に保障された建物に閉じ込められているとか)
      って条件とでは、だいぶ違う気もする。

      後者なら、そりゃPTSDモンだろう。

      • +1
      1. ※20
        少し言い方はキツイけど、概ね同意かな。自分も一人で過ごす方が好きだけど、何の説明も無しに社会と断絶されても平気かって言われたらそれは辛い。ネットで意思の疎通が出来たり、玄関を出れば人が歩いているくらいの安心感は欲しい。それに、完全な孤独・孤立が好きな人間なら、わざわざコメントを残したりしないよね。

        • +1
        1. ※23
          ヲタをステレオタイプで括って卑下したり,針小棒大な表現で論破したと思って溜飲下げたりする人と交わるくらいなら,一人でいた方がマシってくらいの孤独観なんじゃないかな。自分もそうだし。

          • +2
  5. 人類が滅んで1億年後、アリから進化した知的生命が地下に高度な文明を築いているかもしれない

    • +6
  6. 昆虫にもうつの様な症状があるのか~驚き
    精神疾患って人間特有のモノみたいな印象があったけど
    意外と生物としての基本的な機能なのかも?

    • +3
  7. 人間もそうなのだが、社会的排除により周囲から役割を与えられない(例えば、中学高校等の学履歴を虐めで中退(一度不登校になると、同期への立場は学校や就職で不利になる為、内定採用のような投資を得られない事も多く、)
    その立場においては、アルバイトを獲得しているフリーターのように社会的に外交的でも
    評価される状況になる事は難しく、
    その状況履歴により環境が非友好的になる事が年齢での無職を生み出している事は背景として極めて多数であり、白い履歴欄でも採用される仕事場所を明示的に当事者に認識できるようにしなければ圧力後、何の解決にもなってない事が多い

    • -2
  8. けどコレ、免疫低下の原因が単に孤立させられた所為か摘まみ上げられた恐怖からか判らんよね
    どっちも十分なストレスだろうし

    後、孤立が原因だったとしても寂しさとかじゃなく命の危険に直結する恐怖からのストレスだと思う

    • +5
  9. 命に係わる状況になるアリと、安心して眠れて好きなものを好きな時に食える人間を同一にいわれてもねぇ

    • -1
    1. >>11
      社会的立場を持てず集団から孤立しなくてすむのに必要な技術レベルが、人間ほど高度で、尚且つ一人で生きられない世界を持つ哺乳類はないぞ。サバイバルをする事は所有権と法の問題で難しい。

      • +2
  10. 不アンと恐怖で猜ギ心を抱いたのが原因か

    • -2
  11. アリよ、お前も一人なのか( ;∀;)
    アリになってもぼっちはダメなのか

    • +1
  12. 基本的な快・不快は生き物の動きをコントロールする為の原理だから
    どんな生き物も変わらないと思う

    • +2
  13. ある人間が蟻に小さな荷車を与えたのが発端で人類の社会が崩壊したって背景のあるSF小説がシマックの都市だったかな(うろ覚え)

    • 評価

コメントを書く

0/400文字

書き込む前にコメントポリシーをご一読ください。

リニューアルについてのご意見はこちらのページで募集中!

知る

知るについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

昆虫・爬虫類・寄生虫

昆虫・爬虫類・寄生虫についての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

最新記事

最新記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。