メインコンテンツにスキップ

アリは「ガン」を嗅ぎ分けることができる。犬に匹敵する嗅覚

記事の本文にスキップ

16件のコメントを見る

(著)

公開:

この画像を大きなサイズで見る
Advertisement

 犬は人間の病気である「がん」を嗅ぎ分ける嗅覚を持っており、すでにがん探知犬として活躍しているが、新たな研究によるとある種のアリも犬に匹敵する嗅覚を持っており、簡単な訓練でがん細胞を見つけられるようになるという。

 今回は行われた研究は限定的な概念実証であり、実用化するには当分時間がかかりそうだが、完成すれば、犬を訓練するよりはるかに時間もコストも少なくて済むようになる。

アリの鋭い嗅覚に着目

 犬の嗅覚が優れているのは周知の事実だ。その優れた嗅覚を活かして、麻薬探知犬や爆発物探知犬はもちろん、がんやマラリア、最近では新型コロナ探知犬として活躍している。

 だが犬の訓練には時間もコストもかかる。なにしろ一人前の探知犬になるには、1年は必要だという。

 そこで、マウス・ミツバチ・バッタといった他の生き物で同じことができないか? と考える研究者がこのところ増えている。

 今回、研究者が注目したのは、主にヨーロッパ全土に生息するフスカヤマアリ(Formica fusca)だ。

 アリは特定の「揮発性有機化合物(VOC)」を嗅いで巣に帰っていることが観察されてきた。さらに、それぞれのがんに固有のVOCを分析して、種類を特定できることを証明した研究もある。

 ならば、アリを訓練すれば、がん探知犬ならぬ「がん探知アリ」にできるかもしれない。

この画像を大きなサイズで見る
Photo by Guillaume de Germain on Unsplash

犬に匹敵する検出能力があることを確認

 今回実験に使われたのは、2種類の「乳がん」の細胞だ。それぞれは違うVOCを持っている。そして研究者によると、たった3回の訓練だけで、アリはがん細胞と通常の細胞を犬並みの正確さで嗅ぎ分けられるようになったという。

 「検出能力という点において、アリは犬に匹敵する」と、研究グループは論文で解説している。

ある点では、アリは犬すら凌駕する。というのも、犬は日々30分の訓練を6~12ヶ月続けねばならないのに対し、アリは訓練時間が圧倒的に短い。

それは訓練コストや維持コスト(週に2度、ハチミツと冷凍した昆虫を与えればいい)の低下にもつながる。今回のシンプルな条件付け訓練は、3日も練習すれば誰でもできるようになる

この画像を大きなサイズで見る
Paul Devienne, Laboratoire d’Ethologie Experimentale et Comparee at ‘Universite Sorbonne Paris Nord / image credit:

1度の訓練で9回がん細胞を検出可能

 過去の研究から推測すれば、一度アリを訓練すれば、9回はがん細胞を検出できるだろうという(あとは忘れてしまう)。

 つまり、今活躍しているどんな探知動物よりも、効率・コストの両面において優れた検出ツールになるかもしれないということだ。

 「アリは、揮発性有機化合物を検出する上では、迅速・効率的・安価かつ高い識別能力を備えた検出ツールと言える」と、研究グループは結論付けている。

 がんだけでなく、マラリア・感染症・糖尿病といったほかの病気への応用が考えられるし、麻薬・爆発物・腐った食品の検出にも利用できるかもしれないそうだ。

この画像を大きなサイズで見る
photo by iStock

実用化へ向けた更なる研究が必要

 今回の研究はあくまで概念実証としての予備的なもので、アリががん探知動物として活躍するには、まだまだ越えねばならないハードルがある。

 たとえば、各種のがんがどんなVOCを持つのかリスト化する必要があるだろうし、そもそも医療の現場で本当にアリが使えるのかどうかも確かめねばならない。

 だがそれらのハードルを越えたら、アリががん探知に利用される日がくるのかもしれない。

 この研究は『iScience』(2022年2月21日付)に掲載された。

References:Cancer-sniffing ants prove as accurate as dogs in detecting disease

📌 広告の下にスタッフ厳選「あわせて読みたい」を掲載中

この記事へのコメント 16件

コメントを書く

  1. 「最近、外で立ちションするとアリが集まってくるんや・・・」
    「おとん、あかん!それガンやない、違う病気や」

    • +4
  2. 意味不明な記事

    ステージ1でも見つけることが可能なのか?

    精度が悪けりゃ誰も医療に使わない

    • -12
  3. アリの中にはいわゆる昆虫寄生菌に罹患した仲間を判別して遠くに捨てるものが確認されてるけど、その能力に由来してるのかな?

    • +1
  4. 最近「犬に匹敵する嗅覚の生き物」がどんどん出てくるな
    犬さんピンチ!

    • +1
    1. >>6
      犬より鼻がきく生き物たくさんいるけど使えないから意味が無いんよ。

      • +5
  5. 検査にどうやって使うのか見つけてどうするのかってことやな
    医療や科学の発展はこういった地道な発見と努力の積み重ねだから今後に期待ってところやね
    もしこの研究で成果が得られなくてもいつか必ず何かの役に立つかもしれん

    • +5
  6. 匂い探知機って作れないのかな?
    アリは寿命が短そうで…

    • +1
  7. ガンだぜ!!っていう時にアリさんはどんなリアクションするのかな

    • +1
  8. N-noseっていう、線虫が尿のサンプルの臭いで
    ガン等の病気の有無を確認するサービスがすでにあるで!

    • +3
    1. >>15
      そこ、そろそろ旗色がよろしくない

      • 評価

コメントを書く

0/400文字

書き込む前にコメントポリシーをご一読ください。

リニューアルについてのご意見はこちらのページで募集中!

サイエンス&テクノロジー

サイエンス&テクノロジーについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

昆虫・爬虫類・寄生虫

昆虫・爬虫類・寄生虫についての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

最新記事

最新記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。