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超大質量ブラックホールが覚醒する瞬間を天文学者が初観測

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(著) (編集)

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 天文学者たちは、遠い銀河の中心にある「超大質量ブラックホール」が覚醒する瞬間を、リアルタイムで目撃していたようだ。

 2019年、おとめ座の方角へ3億光年離れた「SDSS1335+0728」という平凡な銀河で、ある事件が起きた。なぜだか突然、急激に明るくなり始め、以来4年にわたってずっと増光を続けているのである。

 学際的な天文学者チームは、米カリフォルニア州にあるパロマー天文台の「ツビッキートランジェント天体探査装置(ZTF)」がとらえたこの光の変化を、宇宙と地上のさまざまな望遠鏡で分析した。

 その結果、おそらくは銀河中心で眠っていた怪物ブラックホールが目覚めた決定的瞬間であろうことが判明したのだ。

銀河が4年以上も増光を続けている謎の現象

 超新星爆発や潮汐破壊現象(ブラックホールに近づいた星がスパゲッティのように引き裂かれる現象)など、銀河が突然明るくなることはある。

 だが、こうした現象は通常、数十日から数百日で終わる。ところが「SDSS1335+0728」の場合、最初に輝きが観測されてから4年以上が経つというのに、今もなお明るくなり続けているのだ。

 このような明るさの変化は、これまでに知られていないものだ。

超大質量ブラックホールの覚醒をリアルタイムで観測していた可能性

 謎めいた増光の原因は一体何なのか?

 研究チームは答えを探るべく、NASAの広視野赤外線探査機「WISE」のような宇宙望遠鏡や、チリにある超大型望遠鏡「VLT」のような世界各地の地上の望遠鏡など、いくつもの観測データを組み合わせてその正体に迫った。

 こうした分析によって、2019年12月前後における銀河の様子が、さまざまな角度から浮き彫りにされている。

 それによると、この銀河は近年、紫外線・可視光線・赤外線を多く放つようになっており、さらに2月からはX線が目立ってきていた。

 研究チームによると、これは前例のない振る舞いであるという。

 だが、もっともあり得そうな説明は、銀河中心部領域が”活動”を示し始めているというものだ。もしこれが本当なら、超大質量ブラックホールの覚醒がリアルタイムで観測された初の事例となる。

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覚醒する超大質量ブラックホールのイメージ。その周囲を取り巻くガスを貪り始めたことで、明るさが増している可能性が高い/M. Kornmesser/ESO

銀河中心で眠る怪物、超大質量ブラックホール

 「超大質量ブラックホール」とは、太陽の10万倍から100億倍もの質量を持つ怪物のようなブラックホールのことだ。

 ほとんどの銀河の中心に存在すると考えられており、例えば私たちが暮らす天の川銀河なら「いて座A*」がある。

 こうした巨大ブラックホールは通常眠っていて直接は見えない。

 そして今回目撃されたのは、SDSS1335+0728が目覚めて周囲にあるガスのごちそうを食べ始め、それによって大きく輝きが増した瞬間である可能性が高い。

 これまでにも、それまであまり活発でなかった銀河が、数年後になぜか活動的になっていたケース(ブラックホールが原因とされている)が知られていた。

 今回のものは、そのプロセスが直接観測された史上初の事例かもしれないのだ。

 また同じ現象は、いて座A*でも起こる可能性があるとのことだ。

 ただしこれが本当に超大質量ブラックホールの覚醒なのかどうか、確かなことはわからない。可能性としては、やたらと遅い潮汐破壊現象や、未知の現象である線も考えられる。

 いずれにせよ、この銀河はブラックホールの成長と進化について、貴重な手がかりをもたらしてくれるとのこと。

 そしてことの真偽は、ヨーロッパ南天天文台の超広視野面分光観測装置「MUSE」や次世代超大型望遠鏡「E-ELT」などが解明してくれると期待できるそうだ。

この研究は『Astronomy & Astrophysics』に掲載される予定だ。

References:Astronomers see a massive black hole awaken in real time | ESO / written by hiroching / edited by / parumo

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この記事へのコメント 10件

コメントを書く

  1. いきなりちょっとボケボケでリアルな天文写真のコマ撮り動画みたいなの出されたから可視光で捉えた!?とか数年かけて撮影した写真を動画にしたのか!?とか思ったらイメージ動画かよ

    • 評価
  2. 現地の人類が存在してたら めっちゃ好機に湧きだってる可能性が有るのかなw
    例えば今回活動し始めたBHから1万光年ぐらいの所に存在してたらとか。
    まあ地球から3億光年の所なので3億年前に活動を始めたBHなので2億9999万年前の事なんだろーけど(笑

    • 評価
    1. >>2
      現地では吸い込まれててそれどころではないかとw

      • +4
  3. 覚醒、って具体的には何がどうなってるんだろう?
    超巨大BHほどの天体がそんな僅かな期間で
    極端に質量や半径を変化させたりはしないよね?

    • +1
    1. >>3 ブラックホール自体は見えないけど、背景の光を重力レンズで歪めるか、降着円盤が光を放てば見えるようになる。

      • +6
    2. >>3
      記事にその「なぜか」の推測も書かれてますけど…
      実際どうかは今後の研究まちだろうけども

      • +5
      1. >>7
        記事にある説明は

        >銀河中心部領域が”活動”を示し始めているというものだ

        >SDSS1335+0728が目覚めて周囲にあるガスのごちそうを食べ始め、それによって大きく輝きが増した瞬間である可能性が高い

        というようなもので、「活動」や「目覚め」が
        具体的にどのようなものかは説明されてないような。

        • 評価
  4. リアルタイムだけど何億年も前の出来事っていう不気味さよ

    • +3
  5. シリーズ最新作登場「暗黒面の覚醒」撮影開始

    • +1
  6. 眠っている や 覚醒した と言うとブラックホール自身が能動的になにかしでかしてるイメージが湧くけど、実際の所は周りの物質がブラックホールに落ちる過程で摩擦熱で光ったり落下速度が速すぎて弾き出されてジェットになったりといった、周りが重力の影響範囲まで近付いてきたというのが正確かもしれないんだね
    ただ未知の現象として今までこちらに伝わって来なかった重力が突然伝わるようになった、文字通りブラックホールの覚醒と呼べる現象だったりするかもしんないなんて?!

    • +1

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