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触ると願いが叶う?ヒッタイト王国の古代遺跡に置かれた緑色のキューブ状の石

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(著) (編集)

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 現在トルコがある場所には、紀元前15~13世紀頃に栄えたヒッタイトという王国があった。ちょうど古代エジプトで言うと、ツタンカーメン王やラムセス二世なんかが生きていた時代あたりである。

 このヒッタイトの首都だったとされているのが、トルコのボアズカレ(旧ボアズキョイ)にあるハットゥシャ遺跡だ。

 この遺跡には大きな緑色の四角い石があるが、用途も目的も不明なままだ。ところが現在では、触れて祈ると望みが叶う「願いの石」として、パワースポット的な人気を博しているという。

ヒッタイトの首都の遺跡にある「緑の石」

 ヒッタイトは今の世界地図で言うと、トルコからレバントの北岸沿岸あたりまでをその勢力範囲としていた王国である。

 アナトリア高原の真ん中にあるボアズカレの街の近郊に、この古代の王国の首都であったハットゥシャ(ハットゥシャシュ)の遺跡がある。

 ここには不思議な緑色をした立方体の石が置かれていて、訪れる観光客の目を引いている。

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 ドイツの考古学者、アンドレアス・シャクナー氏は、この石について次のように語っている。

この緑の石は、ハットゥシャにある他の石とは全く異なっており、それが注目を浴びる理由になっているのです。

これは蛇紋岩かネフライト(軟玉)でしょう。このあたりで普通に見つかる石であり、それほど特別なものではありませんが、大きな一枚岩として現存していることは注目に値します

 ちなみにネフライトはジェダイトと共にヒスイと総称されているが、現在ではヒスイと言えばジェダイト(硬玉)を指すのが一般的である。

 そのためここでは、ヒスイという呼称は使わないでおく。

エジプトと張り合った古代の王国

 ハットゥシャは海抜1,000mほどの高地にあり、最盛期には5万人もの人々が暮らしていた。約2平方キロメートルの広さの町が、城壁に囲まれてその栄華を誇っていたのだ。

 ヒッタイトの首都として、この街には王宮のほか4つの神殿があり、スフィンクスやライオンを刻んだ門など、高度な建造物が今も往時の姿を伝えている。

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 古代史においてヒッタイトが注目される理由は、まず鉄器の高度な加工技術にある。そしてもう一つ、歴史上で初めて「講和条約」を結んだ国である点も、この国の歴史を特別なものにしているのだ。

 古代エジプト新王国第18王朝最後の王「ツタンカーメン」の名前は、きっと誰でも一度は聞いたことはあると思う。

 この王が若くして亡くなったとき、遺された未亡人のアンケセナーメン(※)が、ヒッタイトの王シュッピルリウマ1世に書状を送った。
(※)アンケセナーメンではなく、ネフェルティティとの説もあり。

 そこにはヒッタイトの王子の1人を自分の夫として迎え、エジプト王にしたいので送ってほしいと書かれていた。

 そこでシュッピルリウマ1世は王子ザンナンザをエジプトに送り出したが、王子は途中で暗殺され、激怒したヒッタイト軍はエジプト領に攻め入った。

緑の石は、ラムセス二世からの贈り物?

 その後幾度かの攻防を経て、シュッピルリウマ1世の孫の時代に、ヒッタイトは再びラムセス二世率いるエジプト軍と戦火を交えることになる。

 そして膠着状態を迎えた中、ヒッタイトとエジプトは講和条約を結ぶ。これが歴史上記録に残る中で、最初の明文化された講和条約だとされている。

 緑の石は、この時エジプトのラムセス二世から、講和の証として贈られたものだとも伝えられているそうだ。

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 さて、この緑の石は重さが約1tと推定される大きな軟玉の塊だが、その用途や目的についてはほとんどわかっていない。

 この石が置かれているのは、太陽の女神アリンナと嵐の神タルフンナに捧げられた大神殿の、入り口近くの小さな一室だ。

 具体的にどのような使われ方をしていたのかはわからないが、おそらく宗教的な儀式に用いられたか、もしかすると神像の台座だったのかもしれない。

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「願いが叶う石」としてパワースポットに

 現在、この石は「願いの石」とも呼ばれ、その表面に手を置いて祈った人の、最も深い願いを叶えてくれるんだそうだ。

 古代のロマンも気になるが、今ではパワーストーンとしての威力に惹かれた善男善女が、ご利益を求めてこの石をペタペタしているらしい。

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image credit:Anadolu Agency

 他の多くの古代の遺物同様、もしかしたら今後、柵で覆われて近づけなくなる可能性もある。トルコへ行く機会があったら、ぜひ今のうちに願い事をしてきたいものである。

The Mysterious Green Stone of Hattusa | Ancient Architects

 ところで、古代史の舞台となったこのエリアだが、エジプトとヒッタイトって、どのくらいの距離感なんだ?と素朴な疑問を感じたので、そのあたりに日本列島を持って来てみた。

 意外と思ったより近いなって感じだけれど、どうだろうか。ナイルを船で下り、平坦な海沿いを行けば、行き来もしやすかったのかもしれない。

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 ハットゥシャについては、カラパイアでも以前特集しているので、もっと詳しく知りたい人はぜひこちらの記事も読んでほしい。

References:The Original Purpose Of The Mysterious Hattusa Monolith Is Unknown / written by ruichan/ edited by parumo

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この記事へのコメント 21件

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  1. 古来、翡翠は装飾品ではなく「魔除けや神具」として扱われてきた
    これだけ大きな呪物なら効果はでかいだろう

    • +7
  2. 飛行石でタッチしたら何か始動するんでしょ

    • +4
  3. 物凄く大きいね。古代に良い信仰があった地域は、それを取り戻した方が良い。

    • -1
  4. >ナイルを船で下り、平坦な海沿いを行けば
    ざっくり鹿児島から島根ぐらいの距離を川下りして、島根から函館まで船旅をして、函館から稚内まで陸路、みたいな感じ?
    すげーな、昔の人。

    • +1
  5. 大きくて綺麗に磨かれた緑の石だから当時はさぞ大切にされたんだろうね。今でもつやつやで鮮やかな緑が美しい。
    日本ではヒッタイトって鉄器文明っていうイメージだけど、実はヒッタイトの遺跡から鉄器は大して出てこなくて青銅が主流だったという説になってきてるらしい。性能が良くても数を揃えられない鉄の武器より量産できる青銅の武器と高度な戦術を駆使して戦っていたという話。

    • +6
  6. 願いが叶うというより何か封印してるような感じがする

    • 評価
  7. シュッピルリウマ1世ってどこかで…と思ったら『天は赤い河のほとり』だな

    • +2
  8. ヒッタイトは天は赤い河のほとりで知りました

    • +3
      1. >>11
        ヒッタイトは世界史で知ったけど、ジェダイトとネフライトはセーラームーンで知りました

        • 評価
    1. >>9
      ゴルゴ13の「北緯九十度のハッティ」エピソードで知った気がする

      • +1
  9. この石をみんなが撫でるとすり減っちゃうけど「劫」ほどの時間はもたないでしょうね。

    劫は寿限無にでてくる「五劫の擦り切れ」の劫ね。「1辺4000里(約2000km)の岩を100年に1度布でなで、岩がすり減って完全になくなっても劫に満たない」という時間の単位らしいです。

    • 評価
  10. メッカの黒い石の話かと思った
    どこの国でも目にしるき岩石は信仰対象になったんだね。

    • +1
  11. 苦労も努力もなく安易で容易に手に入れられるものにどれほどの価値があるのか
    泊まると~とか挙句の果てに福を走って競う馬鹿が横行する

    • -3
    1. >>15
      巡礼的って昔は立派な「観光産業」でもあるんですよ。人が潤うんです。
      どの国でもそうです。

      しかも当時歩いて移動するんだから、血の滲むような努力と信心で
      経済が潤って幸せな人ができたんだからいい事じゃないですか。

      • +4
  12. 記事にあるようにこのデカさは蛇紋岩ぽいけど、
    この樹脂光沢見るにネフライトなのかな。
    普通に見られる言うてもこのデカさの宝石品質のネフライトは相当なもんだぞ。
    当時の人も鉱山で凄い塊出たと思ったから神殿まで持ってきたんだろうし。

    • +5
  13. 成形してこの大きさだから、一枚岩としても凄そう

    • +4
  14. 確かに立派だから願掛けしたくなる気持ちもわかる。
    わかるんだけどそのうち削ったり砕いて持ち帰るバカが出る気がしてならない。

    • +1

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