
多数の部屋、トンネル、通路、遺物などが見つかっており、古代ローマ時代、迫害されていたキリスト教信者の避難所として使用されていた可能性があるという。
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世界最大級の古代地下都市を偶然発見
今回の発見があったのは、ユネスコの世界遺産にも登録されている、歴史と文化の宝庫、トルコのマルディンにあるミドヤト地区。"洞窟の街" という意味のマティアテと呼ばれているこの地下都市は、ミドヤト地区の歴史的な通りや家を清掃、保全しているときに偶然に発見された。作業員が洞窟内を清掃しているときに、通路があるのを見つけたという。
発掘調査をしてみると、たくさんの部屋や、部屋同士を結ぶトンネル、遺物や壁画が見つかった。

古代地下都市、マティアテは避難所だった
これまで49の部屋が発見されており、礼拝堂や井戸、貯蔵のためのサイロ、たくさんの廊下やトンネルが確認されている。しかしこれらはまだ、この地下都市全体のたった3%にすぎないという。
「この地下都市は、1900年もの間、ずっと使われていました」こう語るのは、マルディン博物館長で、マティアテの発掘責任者のガニ・タルカン氏。
そもそもここは、身を隠す避難所として作られたのです。西暦2世紀当時、キリスト教は公式な宗教ではなく、ローマの迫害を逃れるために、信者は地下に逃げ込んで地下都市を形成したのでしょう。
ミドヤトの地下都市は、おそらくそうした目的のための生活空間のひとつだったのです。ここでは少なくとも6万から7万人の人たちが暮らすことができたと思われます

歴史の宝庫 ミドヤト地区
マルディンにあるミドヤト地区は、トルコ南東部の石灰岩台地の中央に位置していて、80の村、100以上の教会、70の修道院がある田園風景が広がる場所だ。この地域は、アッシリア時代から人が定住していたが、ミタンニ、アッシリア、アラム、アルメニア、メディア、ペルシャ、ギリシャ、ローマ、ビザンチン、アッバース、セジューク、オスマントルコなど、さまざまな多くの帝国に支配されてきた。
それぞれの新しい文明は、前の文明を基礎として発展した。町も帝国も信仰も、多様な歴史に翻弄されながら栄えては、衰退していったが、まだまだいくつもの秘密が隠されていそうだ。

トルコには40以上の古代地下都市が存在する
トルコで地下洞窟網が発見されるのは、珍しいことではないが、これだけの規模のものは確かにない。専門家は、マティアテは史上最大の地下都市といっていいだろうとしている。トルコではすでに40以上の複雑な地下都市が発見されていることを考えれは、これは驚くべき主張だ。
例えば、カッパドキアにあるデリンクユは、深さ80メートル、8層にもなる地下都市だ。
換気シャフト、井戸、水のタンク、厩舎、アパート、集会所、墓地が完備され、内側からしか開けられない重さおよそ450キロの石の扉で保護されている。
各層は互いに行き来できるが、それぞれ独立している。地上の町に出る出入り口は600以上あり、ほとんどはわからないようになっている。
ガニ・タルカン氏は、今回の発見はほかの地下都市をしのぐと考えている。
すべてが明らかになったら、世界に衝撃を与えるでしょう。これほど大規模な地下都市はほかにはありません。アナトリア(トルコ)のミドヤトの地下都市は、世界で唯一の存在になると思います
Massive underground city discovered in Turkiye’s Mardin province
References:Enormous Underground City Discovered in Turkey | Ancient Origins/ written by konohazuku / edited by / parumo
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コメント
1. 匿名処理班
デリンクユを観光したことがあるけど、すごい複雑な作りで、よくこんなもん掘ったなと思った。侵入者対策の落し扉やらワインセラーやら換気口やらがあって本当にゲームかなんかの世界だった。敵から身を守る為のものではあるけど、ああいうとこでの暮らしはちょっと羨ましい。
2. 匿名処理班
ダークソウルの地下墓地やないか
3. 匿名処理班
編纂期である新約なのかそれとも旧約なのか、
聖書が出てこないかな?
4. 匿名処理班
>まだ、全体の3%しか発掘されていないが
新規の発見なのに全体の3%しか現状分かっていないというのが分からん
全体の広さをどうやって判断したんだろう?
カタコンベ採石場ですらまだ全体の広さを把握出来ていないのに
5. 匿名処理班
見つかってない
遺跡まだまだ
あるんだろうね
行ってみたいわ
6. 匿名処理班
梅田を超えるのか・・・!?
7. 匿名処理班
このミドヤトのマティアテ遺跡が本当に初期キリスト教徒によって建造されたのかは今後の調査を待ちたい。
しかし同じくトルコのカッパドキア地方にある地下都市遺跡群は、その内部を詳細に調べてもキリスト教に必須の礼拝堂や宗教的イコンの類は一切見つかっておらず、近年では従来唱えられていた初期キリスト教徒の活動とは関係が無いのではと考えられつつある。
また古代ローマ人歴史家であるヘロドトスやストラボン等によってもカッパドキア地下都市の存在が示唆されていた事から、その地下都市は紀元前から存在していたとも言われている。
ただしその建造を担った民族については一切不明であり、ヒッタイト人や古代スキタイ人、クルガン文化にその起源を求める説もある。
8. 匿名処理班
リアルのダンジョン。おらワクワクすっぞ
9. 匿名処理班
地底人だな。
「人間に、なりたぁ〜い」
10. 匿名処理班
明かりどうしてたんだろ
火だと換気が気になる
11. 匿名処理班
>古代ローマ時代、迫害されていたキリスト教信者の避難所として使用されていた可能性があるという。
地下都市が見つかると決まって迫害されていたキリスト教信者の避難所として使用されたと理由づけをするが、本当にそうなのだろうか?
地下都市が大規模であればあるほど敵国から見つかりやすく殲滅させられやすいのに
12. 匿名処理班
※7
同意。
初期キリスト教の隠れ家というより、ローマ属州時期のギリシャもしくはローマ系移民が、以前からあった地下都市を再利用したんじゃなかろうか。
13. 匿名処理班
氷河期は洞窟で生き延びた説はほぼ確定している
14. 匿名処理班
猛暑の夏にここで暮らしたい
15. 匿名処理班
コバルト爆弾を「神」と崇めていた
16. 匿名処理班
地下都市ってワクワクするけど、
現実問題として新鮮な食糧はどうやって調達してたんだろう
17. 匿名処理班
安彦良和の漫画「クルドの星」でクルドのある部族が隠れ住む場所としてこのような地下都市が使われていて昔キリスト教徒が作ったものだと紹介されていた
30年以上前の作品ですが、クルド人のおかれた状況やトルコと旧ソ連の関係から湿地遺体やアララト山のことなどが紹介されていて、それに触発されて百科事典や図書館でたくさん調べてみたことを思い出しました
18. 匿名処理班
だめだ・・・オイラは閉所恐怖症・窒息恐怖症なので絶対にここじゃ暮らせねえ・・・
ここで生活するくらいなら磔を選ぶわ
19. 匿名処理班
※16
私は排泄物をどうしていたか気になります。
また、掘ったということは残土っていうのかな掘った土か岩の破片をどこに捨てたのかとかも気になってます。かなりの体積になると思うんですわ
20. 匿名処理班
初期人類は洞窟何かで雨風外敵から身を守ってたろうし
それが発展して都市化してもおかしくないと思う
1家族1世代1部屋みたいな感じで家族が増えるごとに増えてって
他家族との部屋ともドッキング
大きくなると今度は水源を求めて更に穴を掘る
住居建築に走った一族と別に居たと妄想
21. 匿名処理班
モーロックのすみかじゃ
22. 匿名処理班
隠れて暮らすにしても換気に排泄、衛生状態‥
日に当たらないことによる損なわれる健康
体にいいとは思えない
23. 匿名処理班
※18
だからこそ我々は地下で暮らしてないのだろう
平気だった人たちなのか、あるいは迫害を受けていたのだろうね
平気だった人たちだとすれば、やはり指摘がある通り衛生の問題で・・・
24. 匿名処理班
※10 天井や壁がずいぶん綺麗に見えるけど、明かりや暖房に火は使わなかったのだろうか? それとも発掘の過程で削られたんだろうか。もしオーパーツ的な電気や何かを使っていたら…とつい妄想する。
25. 匿名処理班
現在でも地下遺跡の一部を地元住民が使ってることがある。夏は涼しくて快適なんです。
26. 匿名処理班
みんなパライソさ行くだ!
27. 匿名処理班
カッパドキアは憧れの地
類例があったとは知らなかった
28. 匿名処理班
換気と排せつ物の処理が気になる。
豚に食わせていたのか?
29. 匿名処理班
中国の龍ナントカ石窟って場所を思い出した。
沼だったか池の水を全部抜いたら、地下から巨大な人口構造体を発見した話。
地下都市と言える規模なのに、いつ造られたのかも目的も記録も一切無くて、推測であれこれ言われている、というのが同じ。
30. 匿名処理班
いや数万人規模で隠れるとか無理だろ
それだけの人数いたら密告者やスパイが出てきて一網打尽だし、食糧や廃棄物の往来も目立ちまくるし
使用されてた当時は普通に国も近隣住民も把握してた何らかの地下施設じゃね