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有名な古代ローマの浴場の温泉水には本当に治癒効果があったことが判明

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(著) (編集)

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 イギリスの都市バースには、有名な古代ローマの公衆浴場があったことで知られている。この温泉水の浴場はローマ人が英国に上陸して作ったもので、関節の痛みを和らげ、治癒効果をもたらすと長年信じられてきた。

 そしてそれは本当だったようだ。プリマス大学の新たな研究によって、ここの温泉水が単なるリラックス効果だけではなく、実際に病気を治す効力もあることが判明したようだ。

温泉水の中の微生物が抗菌化合物を生成

 英プリマス大学の研究者たちが、サマセット州バースにある古代ローマの遺跡「ローマン・バス」の浴場の温泉水の中にいる微生物のうち少なくとも15種類が抗菌化合物を生成していることを発見した。

 温泉水中の微生物が作りだすそれらの化合物が、大腸菌、黄色ブドウ球菌、赤痢菌など、人類がもっとも恐れる極小の敵に対抗するのに強力な助っ人となりえることが明らかになったのだ。

 これら抗菌性物質を大量に採取できれば、医薬品に活用することができ、抗菌薬耐性(AMR)の問題を解決できる可能性がある。

 AMRとは、同じ抗菌薬を繰り返し使っていると、微生物が耐性を持ってしまい、薬が効かなくなるという困った現象だ。

 抗菌薬耐性は、もっとも重大な脅威のひとつとして認識されていて、新たな抗菌性物質の開発が急務になっている。

 この研究は、バースのローマ浴場の温泉水の中にいる微生物が、新たな光明になりえることを明らかにした。

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photo by iStock

癒しの水は本当に効果があった

 ローマ人が作った浴場は、英国だけでなくスペイン、オーストリア、クロアチア、レバノンなどにもある。

 漫画や映画「テルマエ・ロマエ」を見た人なら知っていると思うが、ローマ人は日本人に負けないくらい温泉好きで、帝国が次々と領土を広げていた時代、占領した先々で故国のこの習慣を持ち込んだ。

 そして、2000年近くたった今、彼らに先見の明があったことが科学的に証明されたのだ。

「ローマ浴場の水には薬効があるとは昔から言われていましたが、現代科学のおかげでローマ人が正しかったことが証明されるかもしれないというわけです」

 研究チームのリー・ハット博士は述べている。

 研究チームは、バースの浴場内にある水温が蒸気で45℃に達するキングス・スプリングや、30℃以下のグレート・バスなど、さまざまなローマ風呂から水、堆積物、生物膜のサンプルを採取した。

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ローマ風呂のレイアウト / image credit:Fina et al./The Microbe

 ちなみに、バースの浴場の地下から湧き出る地下水は、石灰岩の帯水層を通じて地熱エネルギーが水温を69℃から96℃にまで上げる2700~4300mの深さまで浸透する。

 加圧された温水は石灰岩の亀裂や断層に沿って地表まで上昇し、46℃の温水が断層を通じて大量に湧き出てくるという。

人間の健康に良い善玉微生物を発見

 研究チームは、最先端の遺伝子配列解析技術と伝統的な細菌培養を組み合わせて、抗菌特性をもつ微生物を分離した。

 サンプルから合計およそ300の異なる微生物を特定することができ、このうち少なくとも15種は人に害を及ぼす病原菌の広がりを阻止することができる可能性を持つことをつきとめた。

 これらの有望な微生物には、高温の水でもっとも繁殖するものもあれば、逆に低温で活発になるものもあり、有益な生命体の多様性がうかがえる。

 もちろん、こうした微生物を見つけただけでは人間のためには役に立たない。これらを培養して医薬品にするためにはまだまださまざまなハードルがある。

 だがもっとも興味深いのは、こうした”善玉”微生物はこれまで抗生物質の製造に使われたことがないため、大腸菌のような”悪玉”微生物は耐性がないということだ。つまり大腸菌を退治できるということになる。

 これは極めて重要なことだ。現在、世界中で年間およそ125万人が薬剤耐性ができてしまった微生物が引き起こす病によって命を落としていると推定されている。

 AMRのような薬物耐性は現実的な喫緊の懸案事項になっているのだ。

 2000年近くの間、人々はバースを訪れ、温泉の恩恵を受けてきた。

 人間だけでなくカピバラからニホンザルなど野生動物までもが入浴や飲泉などで温泉を活用するのは、ただ気持ちがいいという感情的なものだけでなく、地球の恵みであるその効力を本能的に体でわかっていたからなのかもしれない。

 この研究は『The Microbe』誌(2024年6月3日付)に掲載された。

References:Could the Roman Baths help scientists counter the challenge of antibiotic resistance? – University of Plymouth / Could the world famous Roman Baths help scientists counter the challenge of antibiotic resistance? | ScienceDaily / written by konohazuku / edited by / parumo

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この記事へのコメント 18件

コメントを書く

  1. 日本の温泉地は効能の根拠として湯の化学成分を表示しているが、調べる対象ではなかっただけで実は湯の中に住む微生物の働きもあるのかもしれないね。

    • +15
    1. >>1
      だとすると、ばい菌のためにお湯をマメに張り替えている現状は、昔の効能すら失っている可能性があるわけか。
      選択的に殺菌するような方法があればいいのにね
      培養してコンクにして巻けば良いのかな

      • 評価
      1. >>14
        いや、温泉とは環境が違うんだから、家庭用の風呂を同列に考えるのはやはり衛生上良くない気がるすが・・・

        • +1
  2. お金持ちだったら
    ちょっと広いお風呂場に
    大きめのバスタブと
    オーバーヘッドシャワーとか
    ミストサウナとかジャグジーとか
    色んな設備を充実させたい

    • +3
  3. 実はこのバースという街がお風呂(bath)の語源なのです
    というのは真っ赤なウソ

    風呂があったから街の名前も”風呂”になったそうな

    • +3
  4. 微生物以外にもなんかあるやろ、こう、身体に良い成分が。ゆうて火山地帯なんやし、なんかこう、あるやろがい。

    • 評価
  5. 全世界の温泉に薬効があるのは当たり前でしょうに

    • -5
    1. >>5
      指定成分が基準ギリギリのうっすい薄い代物でも地下深くから湧いていれば温泉と名乗れるで有ります

      • +4
    1. >>6
      ルシウスは花王バブのシュワシュワに衝撃を受けて頑張って再現したのかな

      • +1
  6. 今まで気にもしなかったけど、バスロマンってもしかしてこれが元ネタなんか

    • +2
  7. 水没した神殿って感じの温泉ってロマンあるよなあ

    • +2
  8. なんと言っても、良いのは無料で利用可能なところ

    • 評価
      1. >>16
        ローマ帝国の「奴隷」は高級品だから、買った人は歴史上の他のケースと比較して割と大事にしてたはず。たしか「奴隷に送った誕生祝の宝飾品」なんかも出土してるし、給料ためて代金を払えば「解放奴隷」といって普通の市民権も得られた。

        • +3
  9. 抗生物質と言った方が通りがいいと思う。

    • 評価
  10. うちの沸かしなおしまくりの風呂にも、薬効があるかもしれん

    • -3
  11. 自宅のお風呂に麦茶やレモンティー等の飲み物等持ち込んで、長風呂しつつ汗をがーってかくのが好きだけれど、自宅に温泉風呂があったら掃除とか大変そうだから
    やっぱり温泉風呂は旅先だけでいいや(面倒くさがりの意見)

    • +2

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