この画像を大きなサイズで見る現在のトルコ南西部にある古代ローマの遺跡ヒエラポリスには、冥界の王、ハデスの名を冠した洞窟があり、近づいた動物は必ず死んでしまうのだという。
ハデスのローマ名であるプルートーにちなみ、いつしか「プルトニウム」と呼ばれるようになった。元素のプルトニウムのことではない。
この洞窟で生き物の命を奪うのは、地中深くから湧き出る「ハデスの息吹」だと言い伝えられてきたのだが、最近この伝説に科学のメスが入れられることになった。
科学者による調査の結果、洞窟の地下では今も大量の二酸化炭素が発生していることが判明した。動物たちはこのガスによって、命を落としていたらしいのだ。
動物たちが息絶える「地獄の門」
トルコの首都アンカラから、南西に約420kmの場所にある自然遺産に登録されたヒエラポリス・パムッカレの周辺は、古代から栄えた温泉リゾートだった。
パムッカレの丘にあるヒエラポリスは、もともとはヘレニズム時代に築かれた街で、2世紀頃に古代ローマ帝国の支配下に置かれたと言われており、立派な円形劇場も残っている。
この画像を大きなサイズで見るこのヒエラポリスには「地獄の門」と呼ばれる洞窟があって、近づくものの命を奪うと言い伝えられてきた。
古代ギリシャの学者ストラボンは、この洞窟について以下の様に記している。
低い丘に、人の背丈程の深い空洞が口を開けている。内部の空間は地面がほとんど見えないほど、濃密な蒸気で満たされている。この中に入った動物は、即座に死ぬ。スズメを投げ入れると、すぐに息を引き取って落ちていく。
この恐ろしい洞窟は、冥界の王ハデスのローマ名であるプルートーにちなみ、いつしか「プルトニウム」と呼ばれるようになった。元素のプルトニウムとは無関係である。
古代においては、司祭たちがプルトニウムに動物を連れ込んで生け贄とし、冥王に捧げていたという。人々は洞窟の周囲に集まって、生け贄とされた動物たちが命を落とすのを見守ったそうだ。
2000年を経て、忘れ去られていた門が発見される
だがやがてローマ帝国はキリスト教を受け入れ、異教の神への信仰や儀式は忘れられていった。そして度重なる地震によって、ヒエラポリスの街も放棄されることになる。
プルトニウムの場所も長らく不明だったが、21世紀に入って考古学者たちのチームが調査を開始。2011年になって、発掘の結果、おそらくプルトニウムで間違いないであろうという場所が特定された。
そこは階段状になった石の建造物に囲まれた長方形の空間で、真ん中にはアーチに縁どられた洞窟があり、その上には「プルートーとコレー(冥界の女王ペルセポネー)に捧げる」という文字が彫られていた。
この画像を大きなサイズで見る地面から湧き出す大量の二酸化炭素
現在、洞窟の前の空間には水が溜まって池のようになっているが、水中を覗いてみるとかなりの量の泡が湧き出ているのが見える。
実はこのガスは、大量の火山性二酸化炭素であることが、科学者たちの調査で判明している。二酸化炭素は空気よりわずかに重いため、この空間に水がなかった時代は、ガスがその代わりに床を覆っていたと思われる。
その濃度は底の部分で35%~50%と、人間を殺すのにも十分なものであったらしい。さらに洞窟の中に入ると、濃度は90%近くにも達する。
動物たちを殺す「ハデスの息吹」の正体は、二酸化炭素だったのだ。
この画像を大きなサイズで見るDiscovery UKが投稿した下の動画では、ヒエラポリスの街並みからプルトニウム発見の様子、そして洞窟内のガスの状態までがわかりやすく再現されている。
生け贄の儀式では、おそらくこのような形で行われていたのだろう。身長のある人間は、底に溜まった毒ガスの影響を受けなかったため、動物だけが命を落とすシーンは、信者たちの目に奇跡のように映ったはずだ。
この画像を大きなサイズで見る現地は今も温泉リゾートとして大人気
現在、ヒエラポリスのあるパムッカレ一帯は、屈指の温泉地帯として知られている。古代ローマの時代には、既に温泉保養地としてにぎわっていたらしい。
ヒエラポリスにも遺跡がまるっと沈んでいるサーマルプール(水着を着用して入る男女共用の天然温泉プール)があって、あのクレオパトラも立ち寄ったんだとか。美容に効く効能があるのかな。
その名も「クレオパトラプール」。遺跡に囲まれて泳ぐのもまた一興だ。
石灰に覆われた台地には、こんな絶景も広がっている。遺跡も含め、まるでテルマエ・ロマエやカリオストロの城をほうふつとさせるような場所である。死ぬまでに行ってみたい場所のリストに入れておこう。
References:HIERAPOLIS – IERAPOLI (Turchia) / Ancient Roman ‘Gate to Hell’ Killed Victims With Its Deadly Lake / References:Mystery of the ‘Gate to Hell’ that caused a series of unexplained deaths finally solved / written by ruichan/ edited by parumo
追記(2024/04/21)トルコの首都を訂正して再送します。
















>スズメを投げ入れると
ひどいっ!
>>1
マジそれな!です
時代が違えば、ってヤツですかね(;ω;)
>>1
炭鉱のカナリア、泉のスズメ。南無~
有馬温泉の銀泉
>>14
ありぃまぁ~
火山性ガスもアポロンの神殿、巫女の神託に使われた歴史もあるからなー
(硫化水素のほうらしい)
>>2
有毒ガスの中毒症状で支離滅裂な言葉をしゃべるのを神託と言ってたんだっけ。
もちろん神託を意訳して権力者に都合の良い話にするんだけど。
>>8
ぶっちゃけ、紀元前からガスパンの概念が有るのは正直低くわ💧
>>16
かなり違う
もっと作用を理解してて
穴🕳️の開いた椅子🪑に座り下の粘膜からガスが吸収されることで
神託を…
だから尋ねる人の前で劇的に起こり、そして演劇的に示されたんだよ
ギリシャで1~2番に愛されたアポロンなんだからね、権威さがあった
(だからこそディオニッソス信者と対立するんだ)
50年前に発売された世界の不思議をピックアップした本に、
この洞窟のことが載ってるんだけど、普通に二酸化炭素が原因って書いてある。
まぁ、2000年前と比べればごく最近だけどさ。
日本だったら妖怪が発生してたかもな
>>4
妖怪「たんさん、こんばんは~」
いくら動物でも呼吸困難で死ぬのきつすぎるやろ
えげつないことするなあ・・・
>>6
高濃度二酸化炭素だから呼吸困難ではなくノックダウンによる意識喪失からの脳死なので逆に苦しむ間もないやつだよ
硫化水素が有名だけど二酸化炭素でもノックダウンは起こる
空気より重く下に溜まるから歩いてる時は問題なくとも底に溜まった高濃度エリアに入って呼吸した瞬間昏倒する
硫化水素の例だったと思うけど火山ガスの多いところで解けた靴紐結ぼうとしゃがんだ人がそのまま亡くなるって話がある
なんてこったい!プルートー
>>7 そりゃブルート(ブルータス)だよー
>>18
アンタも昭和の残骸ね
トルコの首都はアンカラ
日本でも確か洞窟?探検で成人男性が亡くなった気の毒な事故があったよね。注意書きとかはなかったのかも。
>古代ローマの地獄の門、近づいた動物たちは全て息絶える
ちゃんと、風呂に入って清潔にしておかなきゃ、
「歩く地獄の門」とか言われたりしてw(気をつけようかな)
埋めてしまえよ
ロウソクや松明を近づけると一瞬で消えてしまう「死の洞窟」は世界各地にあるけど、これだけ大きい神殿にするのはさすがローマ
ただの窪地にガスがたまっている場所は珍しくない
日本だと安達太良山火山ガス遭難事故が有名
ロープや柵で立ち入らないようになっていたが、霧でそれを避ける形になったしまったそう