メインコンテンツにスキップ

漁師の罠の中に卵を産んでいたタコ、助けてくれた女性にありがとう

記事の本文にスキップ

41件のコメントを見る

(著) (編集)

公開:

この画像を大きなサイズで見る
image credit: youtube
Advertisement

 タコは知能が高くとても聡明な生き物だ。危機を助けてもらった人間のことを忘れないし、仕草で「ありがとう」とお礼を伝えてくれることもある。

 海洋生物学者の女性が、海岸に打ち上げられた漁師の罠のパイプの中にタコがいることに気が付いた。そのタコはパイプの中に卵を産みつけており、なんとかパイプを海に戻そうと必死にもがいていた。

 そこで女性はタコ母さんと卵を海に戻すために試行錯誤を繰り返した。タコは女性のやさしさを理解してくれていたようだ。

Woman Spends Months Helping An Octopus Protect Her Eggs | The Dodo

漁師の罠のパイプの中に産卵したタコ

 去年5月、シェリー・マリスさんは海岸で白い塩化ビニルパイプの中に入っているタコを発見した。

 ダイビングを頻繁にする海洋生物学者のマリスさんにとって、塩化ビニルパイプは珍しいものではない。

 実はこのパイプは漁師がタコを捕えるための罠なのだ。その罠にかかったタコはパイプの中に卵を産んでおり、その状態で岸に打ち上げられたのだ。

 タコ母さんはパイプにたくさんの卵を産み付けていた。

この画像を大きなサイズで見る
image credit: youtube

 捕食者に卵を狙われないように、タコは海岸に押し流されてしまったパイプを一生懸命海に戻そうとしているようだった。

 タコの体が柔らかく傷つきやすいのを知っていたマリスさんは、タコのためにひと肌脱ごうと決めた。

 パイプが海岸に押し戻されてこないよう、重りとしてロープで括ったレンガをパイプに結び付けて固定し、海へ戻すのを手伝った。

 タコが大好きなマリスさんは、そのタコに「ケイシー」と名付けた。「戦士の母」という意味で、子供を守ろうとするタコ母さんの決意にふさわしいと思ったのだ。

 その後、潜ってケイシーの様子を見に行ったマリスさんは、近くにあったムール貝をケイシーに与えてみたところ、食べ始めたという。

普通、タコは繁殖期や産卵直後は食べないのですが、ケイシーは私があげると食べてくれました

 最初は、自分だけでパイプの中の我が子たちを守ろうとしていたケイシーだったが、マリスさんが協力者であることをわかってくれたようだ。

この画像を大きなサイズで見る
image credit: youtube

嵐でパイプとケイシーを見失う

 潜った時は必ずケイシーの様子をモニタリングしてきたマリスさんだったが、ある日嵐がきて海が荒れた。

 タコと卵がどうなっているのか気になって潜ったマリスさんは、レンガに括り付けられてあったパイプが流されてしまった光景を見てショックを受けた。

 ケイシーの姿は近くにはなく、マリスさんはもう2度と会えないのではと心配した。

 だがそれから2~3週間後、パイプがあったもとの場所から2キロほど離れた海藻の上に、ケイシーがいるのを発見した。

 5メートルほど離れた場所にはパイプがあり、卵は無事に中に収まっていた。

 マリスさんはタコをそっと持ち上げ、パイプの中に戻した。そして前回よりも工夫を凝らして、今度こそパイプをちゃんと固定できるようにすると、元の場所へ戻した。

この画像を大きなサイズで見る
image credit: youtube

女性を信頼し触手を差し出し挨拶するようになったタコ母さん

ケイシーは一生懸命卵を守ろうとしているようでした。最初、私が見たときにはパイプの中から出てこなくて警戒している様子でしたが、だんだん怖がる様子を見せなくなりました。

私が潜って近付くと挨拶するように腕を出してくれたんです。

この画像を大きなサイズで見る
image credit: youtube

卵からタコの赤ちゃんが無事に孵化

 やがて、小さな卵から赤ちゃんが孵化し始めた。

この画像を大きなサイズで見る
image credit: youtube

 見守り続けてきたマリスさんにとって、これほどうれしいことはない。「タコって本当に尊敬に値するわ」と話すマリスさん。

 救助を通して一種の友情が芽生えたタコとマリスさんの動画を見たユーザーからは、「タコを救ってくれてありがとう!」「無事にみんな孵化しているといいけど」「献身的な救助に感動した」といった声が寄せられている。

References:Octopus melts hearts with sweet ‘thank you’ for woman who helped saved her babies/ written by Scarlet / edited by parumo

📌 広告の下にスタッフ厳選「あわせて読みたい」を掲載中

この記事へのコメント 41件

コメントを書く

  1. この状態だと罠をしかけた主は罠自体を見失っているだろうから、気にしなくていいだろ(牽制

    • +18
  2. カラパイアを見てるとタコを食べづらくなってくる

    • +20
    1. >>4 一匹は失ったけど、結果より多くタコが育つからまた採れると思う。

      人工物はやっぱりうまくいかないね。自然なら岩場とか?

      • +12
  3. タコのメスは卵を産んだらエサも摂らずに守って、子供が卵から出てくるのを確認して死ぬんだよな(涙)

    • +38
  4. 蛸は絶食の体制にて卵を守り通し、その孵化を見届けると天寿を全うするという
    この蛸がそのような寿命の種類なのかは分からないが、貝を食ったのなら普通よりも長らえたのは確実だろう

    • +30
  5. タコ焼きが好物だと言い出せない雰囲気w

    • +13
  6. 人間が滅びた後に地球を支配するのはタコから進化した知的生命かもしれない

    • +6
  7. あの人は日本に来ない方がいいと思う。たこ焼きとかタコ煎餅見たら
    きっとショックを受けるから。

    • +14
    1. >>11
      たこせんはだめだね…
      たこ焼き屋さんやたこせん屋さんのキャラクターを見て「かわいー!」って近付くところを想像してぞっとするわ、完全なる妄想なのに

      • -2
  8. 理解力が低くてあまり理解できなかった私にどなたかご説明していただけたら・・・

    このパイプは漁を生業とされる漁師さんのものということで、罠はまさにタコを捕獲する漁としてかけたものだとして、卵については戻してタコの赤ちゃんは海に還元したほうが海の資源を守るため猟師さんの仕事にとっても良いのでこのようなことをしたのかな?という理解ですが、あってるのかな?
    この女性は親タコは食べてもいいという判断でされてるのかな?
    それともタコの漁自体を反対されてるのかな?

    • -4
    1. >>15
      人間社会のルールに立って見た場合の彼女の行動は蛸漁を生業としている漁師さんの仕事道具を窃盗したのだから犯罪である事は紛れもない事実ですが
      動物愛護の観点に立って見た場合の彼女の行動は母蛸と子供たちの命を救った尊いものであるとも言えます

      大量の罠に対してケイシーと同様な対応を彼女が行ったのであればさすがに漁師さんも経済的ダメージは大きく看過されるものではないでしょうけど
      今回のケースではケイシーの罠1つのみですから犯罪であるとはいえ漁師さんも見逃してくれるのではないかと思われます

      漁師さんに承諾を得る配慮を彼女が行えば完璧でしたね

      • -7
      1. わぁ~複数の方々がコメントしてご意見下さり本当にありがとうございます

        >>20
        人間社会のルールと動物愛護の観点の尊さとの両面の視点でできるだけ公平にお話しされていて素敵だと思いました
        ご意見ありがとうございます

        >>23
        確かに自分もタコを食べますが、浜辺にポツンと筒があってタコが頑張って海に戻そうとしているのをもし私が見かけたとしたら、普通に海に戻すのを手伝ってあげようとすると思うので、タコ漁に対する考えとその場で出会ったタコのお手伝いすることはあまり関係ないかもしれないですね
        ご意見ありがとうございました

        >>24
        資源的にも卵は海に戻して孵化したほうが海にとっても漁師さんにとってもよいことですよね
        ご意見ありがとうございました

        • +4
    2. >>15
      私も完全な自信がある訳じゃなくて恐縮だけど、
      「パイプは漁師さんの物でタコ捕獲機」YES
      「たまごを海に還元」YES
      「女性のタコ漁の是非」不明

      ※2さんも言う通り漁師さんはこの罠を見失っていると思う。
      理由は、このパイプは蛸壺漁のような罠だと推測されるから。
      蛸壺漁は沢山の壺のような隠れやすい容器をロープで繋いで一本にまとめているもので、
      このパイプ一つの状態は壊れてしまっていると思われるので、
      女性のしたことは漁師さんの不利益にはなっていない。
      女性の信念はわからないけれど、
      今回の行動で蛸漁の反対如何に繋がるとは思いにくい。

      • +20
    3. >>15
      この人がタコ漁をどう考えてるかは分からないけど、
      この罠については設置場所から遠く流されて来たようだから
      放置しても漁師に回収されず、親も卵も無駄死にする恐れが高いので
      どういう立場であっても海に返すのは理に適ってると思う。

      • +27
  9. その内タコの権利主張し始めそうで怖い
    中々素直に受け止められなくなったわこう言うの

    • +8
    1. >>16
      イギリスあたりでタコの養殖場の話が立ち上がったと思ったら、
      急に「タコには知性がある」「タコは有効的」「知性体は食べるべきではない」みたいな話がボロボロ出始めたのがちょっと怖いのよね。

      ヒンドゥー教は牛を信仰しているけど、世界に「牛を食うな」とは言わない。
      なのに、どこぞの宗教は、やれ猿だ、やれクジラだ、やれイルカだと物を言う。
      次はタコらしい。

      • +9
  10. タコの卵初めてみた
    中の子まで真っ白とは

    • +5
  11. 一年後「あの時助けていただいたタコの子です」「あの時助けていただいたタコの子です」「あの時助けていただいたタコの」「あの時助けていただいた」「あの時助けて」「あの時」「あの」「あ」

    • +14
  12. 魚も知性があって芸を覚えたりできるっていうし、タコなんかもっと知的なんんだろうな。
    食べ放題とか無駄に殺生するのはやめてほしいなと思う今日この頃。

    • +5
  13. SF映画のメッセージのタコ星人はこのタコの子孫だったんだな

    • 評価
  14. 心を寄せた生き物には、どうか生を全うして欲しいと思ってしまうよね。
    助けたいと思った気持ちは間違いではないと思うんだ。

    • +9
  15. タコを個別に見分ける事が出来るってのが凄いなぁと思いました。

    • +2
  16. なんかタコと子供たちとパイプを海に返したのは漁師への窃盗にあたるかで裁判が開かれそうな雰囲気w
    もうイカが弁護してやれよw

    • -5
  17. 漁師だって馬鹿ではない
    罠に産卵してたらタコを捕獲なんてしない
    孵化させた方が何100倍もマシだってわかってる

    • 評価
    1. >>35
      タコの卵って珍味として出回ってるから
      卵も出荷してるんじゃなかろうか。

      • +1
      1. >>38
        出荷するなら胎内にある状態だと思うよ
        この状態だと稚魚になってしまうから

        • -1
        1. >>40
          wikiには

          >最初は蛸壺の中に産みつけられたのを「すぼし」にした。のちに塩漬けにもされるようになって、胎卵もしぼりとられるようになった

          とあるのでタコ壺から採取するのが基本なんじゃないかな。
          タコの卵は孵るのに1ヶ月くらいかかるから
          よほど孵化直前のタイミングでもなければ問題ないかと。

          • +1
  18. そして、この人達が嫌いなマイクロプラスチックが海にばらまかれた…というわけですね

    • -4
  19. 日本って相変わらず無駄にギスギスしてるなあと思った

    • -5
  20. 助けたタコに連れられて 建設現場で重労働

    • 評価
  21. こういう食事つきの産卵って孵化後も母体は大丈夫なの?

    • 評価
  22. お母さんのタコは卵を産んでからひと月ちょっとでお亡くなりになる。不思議な動物だ。

    • +2

コメントを書く

0/400文字

書き込む前にコメントポリシーをご一読ください。

リニューアルについてのご意見はこちらのページで募集中!

動画

動画についての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

水中生物

水中生物についての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

最新記事

最新記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。