この画像を大きなサイズで見るなぜ動物は助け合うのか? 自然界における協力行動の意味について、長らく多くの研究者を悩ませてきた。
「ホオグロオーストラリアムシクイ(Malurus coronatus)」という鳥は、自分の子でないヒナの子育てを熱心に手伝うことで知られている。
モナシュ大学の鳥類学者は、その理由を解明するため、根気強くフィールドワークを行った。
するとあることが見えてきた。彼らが子育て手伝うのは血のつながった親戚の子供か、「将来の恋人候補」になる可能性がある親鳥の子供である可能性が高いという。
この研究は『Royal Society Open Science』(2023年11月15日付)に掲載された。
鳥が積極的に我が子以外のヒナの面倒を見る理由
モナシュ大学のニキ・トゥニセン博士は、「今回の結果は、確かに斬新かもしれませんが、まったくの驚きというわけでもありません」と語っている。
同博士は過去の研究で、自分では子供を作らず、もっぱら群れの仲間の子育てを手伝う鳥の個体「ヘルパー」は、特定の仲間と群れることでメリットを得ていることを明らかにしていた。
彼らは親戚やつがいになる可能性のある仲間と隣り合ってグルーミングをするなど、非常に親密な関係を作り上げる。
そうは言っても、誰彼かまわず仲良くなるわけではなく、鳥には鳥なりの線引きがある。というのも、群れのそばに危険な捕食動物が迫ってくると守る相手を選ぶのである。
オーストラリアムシクイのヘルパーを観察
今回、トゥニセン博士らが観察したのは、オーストラリア北部の固有種「ホオグロオーストラリアムシクイ(Malurus coronatus)」(以下、オーストラリアムシクイ)というオーストラリアムシクイの一種だ。
オスの頭が鮮やかな紫をしていることから、英名を「パープルクラウン・フェアリーレン」という。メスの頭部は頭部は灰色だ。
その名の通り主に昆虫を食べ、他に小さな種子や果実なども採食する。
この鳥の特徴は社会性があり、家族単位の小さな群れで生きていることだ。そうした群れは、繁殖するための1組のつがいのほか、子育てを助けるヘルパーによって構成される。
トゥニセン博士らは、西オーストラリア州キンバリー地方の人里離れた自然で、この鳥を何年も観察してきた。
そこは本当に何もないところで、鳥が大好きな研究者にとってもなかなか大変な場所であるようだ。
「雨季には繁殖が盛んに行われますが、しばしば道路が洪水に見舞われて、外界から完全に遮断されてしまいます」(トゥニセン博士)
オーストラリアムシクイは、小川に沿って生息している。そのため彼らを観察するには、トゲの生えた草木をかき分け、ときには氾濫した小川をわたり、もちろんヘビやら昆虫やら、ありとあらゆる生き物にも遭遇する。
トゥニセン博士らは、鳥を識別するために、その足に色分けされた金属ブレスレットを取り付けて観察する。だがそれも熟練した技が必要だ。
簡単なことと思われるかもしれませんが、実際には、薄暗く、離れたところから色を見分けるには、かなりの練習が必要になります。鳥がじっとしているその瞬間、すべての色を正しくチェックせねばならないのですから
この画像を大きなサイズで見る面倒をよくみているのは親戚のヒナか将来の恋人候補の子供
こうした苦労の甲斐あって、オーストラリアムシクイがとる利他行動のルールらしきものが見えてきた。
それは「ヘルパー」がもっとも子育てに協力するのは、相手が親戚であるか、将来的に自分の繁殖パートナーになる可能性がある場合だということだ。
つまりオーストラリアムシクイは誰彼構わず子育てを助けているわけではなく、自分にとって直接的・間接的に利益があると思われる場合にだけ献身的になるらしいのだ。
これらの証拠から、協力的な助け合い行動は、特定の社会集団のメンバーにとっての直接的・将来的な利益が重要な原動力であるとわかります
こうした利益は、協力行動の説明を目的とした研究において一般に見落とされてきました
トゥニセン博士の次の研究テーマは、オーストラリアムシクイの群れからの自立だ。
この鳥が協調的な繁殖をする理由を完全に理解したければ、群れの鳥が仲間の子育てを手伝う理由だけでなく、自分では繁殖せず群れにとどまるそもそもの理由をも解明する必要があります
トゥニセン博士は、群れにとどまる個体がいる一方、そこから離れて自分で子供を作ろうとする個体もいる謎を解明するため、今もなお困難だらけの自然の中へと足繁く通っている。
References:Best of both worlds? Helpers in a cooperative fairy-wren assist most to breeding pairs that comprise a potential mate and a relative | Royal Society Open Science / Fairy-wrens babysit if they’ve got a good chance of mating with the parents / written by hiroching / edited by / parumo













ドーキンスの利己的な遺伝子で記されている通り、動物の行動は一見不思議でも「遺伝子」目線で考えると辻褄があっている。我々がいろんなことを一生懸命に考えて行動しても、全て遺伝子という意思のないものに支配された結果という不思議。
なんだ、他の種類の子育てをするのかと思った…なるほどですね
同種のヒナなら十分あり得ると思うな
仲間が増えるのは自分にも家族にも見返り確り有るし
遣り方が違うだけでペンギンのコロニーと根っ子は一緒なのでは
>>3
一面的にはそうかもしれないが、別の面としては同種だからって育てるどころか殺す種だっているからなあ
ハイイログマの父親は食事に窮すれば我が子でも平気で食べるから母子は体格の大きいオスが上ってこれない険しい山で子育てするし
>>8
種の存続への危機感の違い…とか有りそう
クマが減ってる話はあんまり聞かないけど小鳥は体感でも割と減ってる気がする
>>9
自己犠牲して種の存続に貢献する個体は自己の存続に心血注いでいる個体に負けて淘汰される、大きな「種」というものを存続させる力は生物には働いてないよ
鳥のヘルパーはあくまで血縁者の子を育てて間接的に遺伝子を残すか、将来の配偶者を育てて直接的に遺伝子を残すかの戦略を持つのみ
動物の子殺しも、メスの交尾受け入れを促すためのあくまで利己的な動機
家族になろうよ
ペット垢鳥派でも自分ちの子とは恋人同士って話はよく聞く
ヒナから育てたのに求愛行動されて部屋の中で巣作って卵産めと催促されるらしい
5年か10年か前くらいの動物行動学の竹内久美子先生のエッセイで類似のネタを読んだことあるな
親戚である個体と将来の親戚でありうる個体
で、それ以外の若い個体っていうのがちょっと具体的に思い浮かばないんですが…?
>>11
たまに居候的に外部から入ってくる若い個体がいるのよ