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100歳以上の人々の血液検査で明らかになった長寿の人に見られるの特徴

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(著) (編集)

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 世界中で100歳を超えて生きている人が増えてきた。1970年代以降、10年ごとにほぼ倍増しているそうで、彼らは1世紀以上を生き抜いたという意味で「センテナリアン(centenarian)」と呼ばれており、日本語では「百寿者」と言われる。

 日本には現在、約9万人の百寿者がいるそうだが、彼らが平均寿命より長く生きられる理由は何なのだろう?

 スウェーデンのカロリンスカ研究所が行った最新の研究では、長寿者の血液が調べられた。その結果、長寿に関係するいくつかの血液中のいくつかのバイオマーカー(指標)が見つかったという。  

長寿になる人とそうじゃない人の違いは何なのか?

 どうやったら長生きできるのか? いったいなにが健康長寿を決めているのだろうか? この疑問は、遥か昔からずっと関心を集めてきた。

 2300年前にはすでに、プラトンやアリストテレスも老化プロセスについて議論し、書物を残している。

 しかし、並外れた長寿の秘密を理解するのは簡単なことではない。それには遺伝的傾向と生活習慣要素の複雑な相互作用や、それがその人の人生を通じてどう互いに影響しあっているかを解明しなくてはならないからだ。

 『GeroScience』に発表された最新の研究では、90歳以上の人たちのコレステロールとグルコース(血糖)の値など、長寿に関連すると思われるいくつかの共通のバイオマーカー(生物学的指標)を明らかにしている。

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大規模なデータ分析と血液検査を実施

 これまで、90から100歳を超える元気な人の研究は小規模なものしかなく、例えば、介護施設にいる長寿者は対象にしないなど、選ばれた特定のグループに焦点がおかれることが多かった。

 そこで新たに、これまでの100歳以上の人と短命の人の、生涯を通じて測定されたバイオマーカーを分析し比較した大規模な研究が行われた。

 両者のバイオマーカーを比較し、そのプロファイルと百寿者になれる可能性との間の関連性を調査した。

 なお調査用のデータには、スウェーデンのアモリス・コホート研究のサンプルより、健康診断を受けた64歳から99歳までのスウェーデン人4万4000人のデータも含まれている。

 被験者たちは、スウェーデンの登録データを通じて、35年に及ぶ追跡調査を受けている。このうちの2.7%にあたる1224人が100歳以上で、その85%が女性だった。

 分析の対象となったバイオマーカーは、炎症、代謝、肝腎機能、さらに潜在的な栄養不良や貧血に関連する血液ベースのものも含まれている。これらはすべて従来の研究から老化や死亡率と関連があるとみなされている。

 炎症に関係するバイオマーカーは尿酸で、これは特定食物の消化によって引き起こされる体内の老廃物だ。

 また、総コレステロールやグルコースの代謝状態や機能に関連するマーカーや、アラニンアミノ基転移酵素(Alat)、アスパラギン酸アミノ基転移酵素(Asat)、アルブミン、γグルタミン基転移酵素(GGT)、アルカリホスファターゼ(Alp)などの肝機能に関連するマーカー、そして乳酸脱水素酵素(LD)にも注目した。

 さらに腎機能と関連するクレアチニン、貧血と関わる鉄分と総鉄結合能(TIBC)についても調べた。最後に、栄養に関係するバイオマーカー、アルブミンも調査した。

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長寿者は60代からグルコース、クレアチニン、尿酸の値が低い傾向

 全体として、100歳を超えて元気な人たちは、60代の時からグルコース、クレアチニン、尿酸の値が低い傾向にあることがわかった。

 各バイオマーカーの中央値をみると、百寿者とそうでない人の間に大きな差はなかった。ただ百寿者の値は、そうでない人の値に比べて、極端に高いものや低いものがほぼみられなかった。

 例えば、百寿者の人たちで、かなり若い頃に血糖値が6.5%を超えていたり、クレアチニン値が1.25mg/dLを超えていた人はほとんどいなかったのだ。

 一方でバイオマーカーの多くは、百寿者もそうでない人も、臨床ガイドラインで正常とされる範囲外の数値を示した。おそらくこれは、このガイドラインがより若く健康な人たちを基準にしているせいだろう。

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 どのバイオマーカーが、100歳以上生きられる可能性に関連しているのか調べたところ、12のバイオマーカーのうちふたつ(アラニンアミノ基転移酵素とアルブミン)以外のすべてが浮上した。これは、年齢、性別、疾患の負荷量を考慮しても同じだった。

 総コレステロールと鉄の値が5つのグループのうちもっとも低い人たちは、高いグループに比べて、百寿者になれる確率が低かった。

 グルコース、クレアチニン、尿酸など、肝機能マーカーの値が高い人も、やはり百寿者になれそうもない。

 絶対値から見ると、一部のバイオマーカーの違いはかなり小さかったが、ほかのバイマーカーの違いは幾分大きかった。

 例えば、長寿の可能性と尿酸の値は強い関わりがあるようだ。これは、尿酸値がもっとも低い人たちが百寿者になれる可能性は4%であるのに対し、尿酸値がもっとも高い人たちが百寿者になれる可能性は1.5%しかないことを意味する。

 今回発見した差異が、全体としてみるとたとえ小さなものであったとしても、代謝の健全性と栄養と、かなりの長寿との間に潜在的な関連性があることを示している。

 ただし、この研究では、どのような生活習慣要素や遺伝子が、バイオマーカー値の違いの原因であるかを決定づけるところまではいっていない。

 とはいえ、栄養面やアルコール摂取などの要因が、なんらかの影響を与えていると考えるのは理にかなっている。

 年齢を重ねるにつれ、肝腎機能、血糖や尿酸の値を測定し続けるのは、悪いことではないだろう。

 とはいえ、百寿者に到達するのは、偶然も関与しているのかもしれない。

 しかし、バイオマーカーの違いが実際に死ぬ遥か以前から観察されたという事実は、持って生まれた遺伝子やライフスタイルも一役買っている可能性はあるだろう。

追記:(2023/10/23)本文を一部訂正して再送します。

References:Centenarian blood tests give hints of the secrets to longevity / written by konohazuku / edited by / parumo

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この記事へのコメント 25件

コメントを書く

  1. まとめると、血液検査の結果が正常値なら長生きするという当たり前の結果が出ただけで、何をどうするべきかといった実用的なことは全く分からないってことか

    • +10
    1. >>2
      正常でも当たり前で長寿は差があるってことでしょ?

      • +1
  2. 尿酸かー
    食事変えても運動してもピクリとも減らない自分はもうダメだな

    • +3
    1. >>4
      尿酸値高い人はボケないらしいよ
      長生きそのものよりボケない方が大事だろ

      • +6
  3. 遺伝の影響もあるだろうけど現代ではやっぱり生活スタイルが大きく影響してるだろうな。ひい爺さんは101歳まで生きたけど、爺さんは79でなくなったし、親父は60になれなかった。写真を並べると時代が下るにつれて重量感が増していたわ。

    • +6
  4. 好きなように食べ、好きなように生き、それでいいじゃないか

    • +5
  5. 代謝の燃えカスが少ないのは、省エネ体質なのかな?

    • +1
    1. >>7
      もしかすると排泄機能が強力なのかもしれません。腎臓は不要な物質をこしとって体外に出してますね。あるいは肝臓が強力で毒物や不要な物質を分解というか代謝しちゃうとかね。

      >>23
      私はマントおばあちゃんの振袖が気になった。じいさまの方にはないので筋肉の差なのかなと

      • 評価
  6. 100歳行ってないけど、祖父は90代半ばに急死するまでシャキッと背筋を伸ばして杖も使わずスタスタ歩いていたし、持病も傷めている箇所も無かった
    ベビースモーカーでいつも「太く短く」「老い先短いんだから好きなものを食べる」なんて言ってたけど、元々の生活がきちんとしていたのか不摂生と言えるようなものではなかったな
    もの凄い愛妻家で人たらしで対人関係のストレスが少なかったのも大きい気がする

    • +10
  7. 100歳になれる可能性は尿酸値が低くて4%高くて1.5%。
    ものすごく端折った考えだけどね。
    100歳まで生きる努力はその労力に見合ったものかというとなあ…

    でも健康で長く生きるためにはそこそこ気を使わんとあかんやろうね。
    破天荒な生き方で早死している人のほうが圧倒的に多いしね。

    • +2
  8. うちの母方は祖母が89で死んだ時に「早死に!」って騒がれるくらい長生きの一族なんだけど、全員がいっぱい食べていっぱい寝るね。なんていうか、基礎が頑丈って感じ

    • +3
  9. 100歳という画一的な基準より個人個人で異なる寿命を全うする方が大事だろう
    天寿近くまで生きると死の苦痛も少ないと言うし

    • +1
  10. すいません、今回ちょっと読みにくかったです。

    • +5
  11. 調べる範囲が広すぎたせいで総合的に健康な人が長生きっていう当たり前の話になってしまったのかな

    • +2
  12. 独身男性の平均寿命は67才
    身体の特徴より幸せな家庭環境の方が重要なのでは?

    • +1
    1. >>17
      それは病気になっても救急車呼んでもらえなくて死んでるだけだよ

      • 評価
    2. >>17
      独身者は連日外食や深酒や不規則な生活をしても誰にも迷惑が掛からないから、積もり積もって影響するんだと思う
      友人付き合いも男性はランチではなく大体飲みに行く
      あと昔のの男性は根性論が通用しないものまで根性で乗り切ろうとする人が多いから、今の独身者が高齢になる頃には寿命も伸びているんじゃないかな

      • +2
    3. >>17
      これ以上ないほどだらしない生活をしていた父と兄は60代でぶっ壊れたよ
      あんな生活しておきながら「女はお気楽だから長生きだな」ってよくゆーわ!だ
      先進国では健康であることも知性の一つだ

      • 評価
  13. 結局は体質が大きく影響するってことだと思う
    アルツハイマーも脳内の老化物質や血管の再生細胞が活発じゃないのが原因だしね
    90歳以上は本人の食生活や医者の努力ではどうにもならない
    遺伝もあるけど人とは違う老化しない体質が一番影響してるってことだよね

    • +4
  14. 父は先日大腸の検査をして医者から「100歳まで生きますよ」と言われ、傍らにいた母が「100まで!?」と言ったら何を察したのか「99歳にしておきましょうか(笑)」と言ったそうな。
    そんな父はご飯を食べるときすごく時間をかけて食べる。若いころ胃が悪かったらしく、よくよく噛んで食べる。ご飯も柔らかめで。かたや母や私たちはあっという間に食べ終わってゴロゴロしてテレビ観ちゃう。私達は長生き出来なそう(苦笑)

    でも仕事で100歳の方のお宅に行ったら「親も兄弟も親戚も友達もみんな死んじゃった」って。
    長生きするって良いことばっかりじゃないって思っちゃったな。

    それでも親には長生きしてもらいたいけれど。

    • +4
  15. リボンおばあちゃんのガングリオンが気になる

    • 評価
  16. うちの爺さん100歳まで生きたけど痛風だしカップラーメン食いまくってたけどな

    • +1

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