低空飛行のヘリコプターがワニを発情させ大交尾大会を引き起こす

　オーストラリアのワニ繁殖場で、写真撮影のためにヘリコプターが低空飛行したところ、突如ワニたちが乱交パーティをおっ始めるという事案が発生したそうだ。

　空から接近するヘリを目にしたワニたちが、何をどう勘違いしたのか定かではない。だがこれが発情の合図となったのは確かだ。

　もしかしたらヘリの轟音は、ワニに繁殖シーズンの到来を告げるサインになっている可能性があるという。

低空飛行のヘリコプターでワニたちが大興奮

　ワニの乱行パーティが起きたのは、オーストラリア、クイーンズランド州中部にあるコオラナワニ農場だ。

　その日、撮影チームはワニたちのダイナミックな姿を撮影するために、ヘリコプターを低空飛行させて彼らに空から接近した。

　ファームのオーナーであるジョン・レバー氏は、ABCの取材に対し、その時のことをこう語っている。

ワニの写真を撮ろうと、大型ヘリが低空飛行してきました。もちろん、バラバラバラッとすごい音がしました。

するとオスのワニたちがみんないきり立って、空に向かって吠えだしたんです。そしてヘリが去ると、狂ったように交尾が始まりました

一体何がワニを興奮させたのか？

　だが、一体にワニたちに何が起きたのだろうか？ ヒントになりそうなのは、同じようにワニを興奮させる自然現象だ。

　じつはオーストラリアでは、嵐がやってきても同じようなことが起きるのだという。

　どうも嵐は、卵を産むにはぴったりの季節がやってきたことを告げる自然の合図である可能性があるのだ。

　だがヘリは轟音を上げるとはいえ、嵐とはまったく別物だ。それが飛んでできたからと、恋のシーズン到来と勘違いすることなどあるのだろうか？

　それも、ワニが鳴き声でコミュニケーションを交わす動物であることを知れば、納得するかもしれない。

ヘリの轟音を発情の時の声と勘違いした可能性

　彼らは声で自分の縄張りを主張したり、デートに誘ったり、卵からかえる赤ちゃんワニが親に鳴き声で知らせたりと、意外なほどおしゃべりだ。

　そのため、ヘリの轟音を聞いたワニたちは、それを発情した時の声と勘違いしたとも考えらえる。オスはそれを聞いて一斉にイキリ立ったというわけだ。

　あるいはヘリが発する低周波が、ワニの耳には繁殖シーズンの到来を告げる嵐のように聞こえているという可能性もある。

　確かなことはわからないが、南半球にあるオーストラリアは、これから暖かくなり、やがて夏本番を迎える。ワニたちの興奮はまだまだ冷めやらぬことだろう。

References:Crocodile Sex Bonanza Triggered By Low-Flying Chinook In Australia | IFLScience / written by hiroching / edited by / parumo
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