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ネアンデルタール人の洞窟で、4万5000年前の未知なる現生人類の赤ちゃんの骨が発見される

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(著) (編集)

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 フランスのレンヌ洞窟(Grotte du Renne)から、45,000年前の、これまで知られていなかったホモ・サピエンスの初期系統と考えられる赤ちゃんの骨が発見された。

 この洞窟からはネアンデルタール人が生存していた証拠となる骨や遺物が数々発見されているが、なぜこの洞窟に初期の現生人類の骨があったのだろう?

 どうやら、この赤ちゃんの骨は、ネアンデルタール人との混血である可能性が高いという。

レンヌ洞窟の中にみられるシャテルペロン文化

 フランス、ブルゴーニュ=フランシュ=コンテ地域圏のヨンヌ県にある「レンヌ洞窟(レンヌはフランス語でトナカイの意味)」は、専門家の興味をかき立ててやまないヨーロッパ有数の旧石器時代の遺跡だ。

 ここに”人”が住んでいたのは、現生人類であるホモ・サピエンスがネアンデルタール人に取って代わった時代の変わり目のことだ。

 洞窟内からは「シャテルペロン文化」を代表する石器が大量に発見されている。

 シャテルペロン文化とは、3.6万年~3.2万年前に西ヨーロッパで栄えた旧石器時代の文化で、石器のほかにも、象牙のビーズや動物の歯に穴をあけたもの、マンモスの牙で支えていたらしき住居などが知られている。

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photo by iStock

これまでネアンデルタール人の遺体しか発掘されなかったレンネ洞窟

 だが、この文化を作り出した人々が誰なのかははっきりしない。ネアンデルタール人の文化だという説もあるが、私たち現生人類の文化だという説もあるのだ。

 だが、これまでレンヌ洞窟で発掘された遺体は、ネアンデルタール人のものだけだった。ならばやはり「シャテルペロン文化」はネアンデルタール人の文化なのだろうか?

 ところが今回、そこで発見された骨の中に、初期のホモ・サピエンスの赤ちゃんのものがあることが明らかになったのだ。

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レンヌ洞窟 / image credit:WIKI commons

ネアンデルタール人の洞窟で発見された未知の現生人類の骨

 ホモ・サピエンスの初期系統と考えられる赤ちゃんの骨は腸骨(腰の骨の一部)のものだ。

 この骨をネアンデルタール人の子供2人と現代人の新生児32人のものと比べてみたところ、形がネアンデルタール人とは大きく違っていることが明らかになっている。

 どちらかと言えば、現代人のものに近い。ところが、くわしく見てみると、現代人の新生児ともまた違うのだ。

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a)未知の現生人類の赤ちゃんの右腸骨(左は鏡像)b)ネアンデルタール人の子供の左腸骨。c)ネアンデルタール人の子供左腸骨 / image credit:nature

ネアンデルタール人との混血である可能性

 このことから、この赤ちゃんの骨はこれまで知られていなかったホモ・サピエンスの初期系統のものではないかと推測されている。

 研究の主導者であるドイツのマックス・プランク進化人類学研究所の准研究員マテヤ・ハイディンジャック氏は、この発見は「初期人類のヨーロッパへの移住についてのこれまでの理解を変えた」と述べた。

 研究チームによるとこの未知の骨は、おそらくは4万1000年~4万5000年前の石器時代中期から後期への時代の変わり目に、ユーラシア大陸で生息していたネアンデルタール人とアフリカから移住してきた現生人類が同じ場所で暮らし、その間にできた子供である可能性が高いという。

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photo by iStock

 ブルガリアのバチョキロ洞窟では、約4万5000年前のホモ・サピエンス男性の骨3体にネアンデルタール人のDNAが含まれていたことが明らかになっている。

 もしかしたら、ヨーロッパに移住した現生人類は、これまで考えられていた以上にネアンデルタール人と混血している証拠となるかもしれない。

 だとするなら、シャテルペロン文化を育んだのは、ネアンデルタール人と現生人類の両方だったのかもしれない。

 研究チームによると、シャテルペロン文化とは、2つの社会がお互いに影響を与え合うことで発展した文化である可能性があるという。

 ちなみに過去の研究では、ホモ・サピエンスとネアンデルタール人が肉体関係にあっただろうことも指摘されている。皮肉にもそれがネアンデルタール人が滅んだ原因だった可能性すらあるそうだ。

 この研究は『Scientific Reports』(2023年8月4日付)に掲載された。

References:Genome analysis reveals unknown ancient human migration in Europe / 45,000-Year-Old Baby In Neanderthal Cave Belonged To Unknown Human Lineage | IFLScience / written by hiroching / edited by / parumo

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この記事へのコメント 7件

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  1. 昔はネアンデルタール人は狂暴だったと習ったが色々変わったようだな

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  2. 弔いの概念と慣習を持ってたんだっけネアンデルタール人
    身体より精神性を開拓していた人類ってイメージがある

    • 評価
  3. いつも思うが交配で子孫が残せるなら人種レベルのごく近種で
    ネアンデルタール人との差異も文化の違いなだけでは

    • +3
    1. >>3
      解剖学的、遺伝学的にはだいぶ違ったような…
      数万年単位で離れてた物が生殖隔離せずに再び出会った感じなのかな
      ロバとウマより近く、チワワとヨークシャテリアより遠いあたりの

      • +1
  4. bとcの説明の違いがわからない…色も古びてないし、aは現行人類、bが未知の方、cがネアンデルタールさん?

    • 評価
  5. なろう系小説にあるような、ヒト、エルフ、ドワーフが共存している という世界観そのままみたいな感じがする

    • +2
  6. bとcどちらもネアンデルタール人になっています。どちらかが現世人類?

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