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なぜポリネシア人は巨体なのか?過酷な航海を生き抜くためエネルギーを蓄える体になった可能性

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(著) (編集)

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 最初にニュージーランドを目指して移動した人々が、東南アジアから延々と海を渡って危険な旅をするのに、どれほどの体力を費やしたのか?

 これを推測した初めての研究が、『PLoS ONE』誌(7月12日付)に発表された。

 この研究結果から、現在のポリネシア人特有の大きくずんぐりした体格は、彼らの先祖が入植の際に直面した過酷な旅が原因だった、という長年の説を十分に裏づけていることがわかった。

ポリネシア人とは?

 ポリネシアは、オセアニアの海洋部の分類の一つで、太平洋のミッドウェー諸島(北西ハワイ諸島内)、アオテアロア(ニュージーランドのマオリ語名)、ラパ・ヌイ(イースター島)を結んだ三角形(ポリネシアン・トライアングル)の中にある諸島の総称である。

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紫色の部分がポリネシア / image credit:public domain/wikimedia

 ポリネシア人は、ポリネシアの島々に住む先住民族の総称で、ハワイ、ニュージーランド(マオリ族)、サモア、タヒチ、トンガなどが知られている。

 高度な航海術を持っていたとされ、南極大陸に最初に到達した民族の可能性があるともいわれている。

 ポリネシア文化は口承と物語、タトゥー、ダンス、彫刻、布地の染色と織りによって特徴付けられ、共通の祖先や神々への信仰を表現している。

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ポリネシア人男性 / image credit:public domain/wikimedia

ポリネシア人の巨体の起源

どんな状況下であっても、この旅は大変困難だったことでしょう。私たちの研究結果は、大きな体が過酷な状況に直面したとき有利だった可能性を示しています

 こう語るのは、論文の筆頭著者で、オハイオ州立大学地理学准教授のアルバロ・モンテネグロ氏だ。

 東ポリネシアの大部分は熱帯気候だが、ニュージーランドを含めた南部の3分の1は、温暖から冷涼な温帯気候に属している。

 この気候が、ニュージーランドが地球上で、人間が最後に定住した居住可能な場所のひとつだった理由の説明になるかもしれない。最初の入植者たちは、14世紀にニュージーランドにやってきた。

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photo by iStock

過酷な移動を生き抜くには、エネルギーを体に蓄える必要があった

 体の大きさが、航海中の体温調節のためのエネルギー消費にどのような影響を与えたかを評価するため、研究者たちは3つの体型を検討した。

 ひとつは、現代のポリネシア人によく似た体型、ふたつ目は、もっと体重が重い体型、3つ目は、体重が重く、皮下脂肪もぶ厚い体型だ。

 風や海流に基づいて1日に進める距離を推測できる、航海シミュレーションモデルを使って、気温や風など考えられる環境条件を組み合わせ、タヒチからニュージーランドまで航海するのに体温を維持するために必要なエネルギーを計算した。

 研究者たちは、これをハワイへ航海する旅(およそ23日間)に必要なエネルギーと比較した。そして、体温を維持するためには、1日あたり平均965kcalが余分に必要になることが明らかになった。

 必要な追加エネルギーすべてを、脂肪を燃焼させることでまかなうとすると、ニュージーランドへ航海した人たちは、25日間の旅を通して、平均5.9ポンド(およそ2.6kg)の体重を失うことになる。

 この差を、筋肉量だけで補うとすると、全体重の減少はおよそ13.3ポンド(6kg)になる。

 最終的に、モデル計算では、体が大きい人は熱損失が少なく、体の小さい人よりもエネルギー保持という点で有利であることがわかった。この利点は、女性においてより顕著だった。

 こうした発見は、今日のポリネシア人に見られる大型体型の理由にかなっていて、ポリネシア西部に住む人たちよりも、女性の場合はおよそ31%、男性は24%体重が重い。

 そしてモンテネグロ氏はこう結論づけたのだ。

私たちの分析が、今日のポリネシアで見られる体格の違いが、最初の航海で体が大きかった人たちのほうがより多く生き残って、ニュージランドに入植したという結果をもたらしたと、明確に証明できるわけではありませんが、その事実と一致していることは確かです

References:How larger body sizes helped the colonizers o | EurekAlert! / written by konohazuku / edited by / parumo

追記(2023/07/23)単位を訂正して再送します。

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この記事へのコメント 21件

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    1. >>2
      Ww 失礼、あまりに楽しそうに語るから
      日本人にはポリネシア人(に至る海洋民族)の血が入っているのはホント
      環太平洋文化圏といわれる地域はそう、ハワイ語や日本語(子音が3つ以上繋がらない)とか、あやとりとか共通文化が残ってる

      彼らの先祖はカヌーで島を渡り広がっていくが、途中で日本にもたどり着いてる
      さらに冒険を続けた果ての果てが現ポリネシア人、まあ淘汰というトーナメントで3回戦くらいで降りたのが日本帰化グループ、優勝したのがポリンネシア人かな

      *日本への到着は何十回も起こっていたはず
       なら南の海に近い地域の人のほうが血は濃い

      • +11
      1. >>11
        とにかくオノマトペが多いとか良く似た神話があるとか聞くね
        常世の国や竜宮は案外あの辺りの島だったりして

        • +2
        1. >>14
          神話や寓話・民話の類似性は民俗学系の本を読んでみると、わりと遠方からの伝播だったりして面白い

          • +3
  1. 暑くても寒くてもデカい方が有利なんだな

    • +5
  2. シロクマが南方のクマより大きいのと同じ?

    • +6
  3. カボチャ作ってラグビーやってるからだよ
    まさにガチムチパラダイス

    • -1
  4. なるほどー。動物は普通は極地の方がデカくて低緯度は小さくなるけど、人間だけができる航海がそれをひっくり返したんだね

    • +3
  5. 脂肪が多いほうが海で浮きやすそうだしなあ

    • +4
  6. 「太りやすい体質」って本来は優れた性質だったはずなんだよな
    飽食の時代となっては日々自制心との戦いよ

    • +15
    1. >>8
      アメリカのピマインディアンがまさにそれ。
      過酷な環境で少しでも脂肪を蓄える体質の遺伝子をもっていいるため
      現代では人口の90%が高度肥満で世界で一番糖尿病が多い民族。

      • +8
    2. >>8
      >>10
      アメリカでは配偶者をわざと太らせたがる性癖を持つ男もいるらしいね。
      良くも悪くも恵体に性的魅力を見出すのは一種の先祖返りなのかも。
      たまにダイエットと言う名の拒食症みたいな肋骨が浮いてるようなガリッガリな女性もいるけど、少なくともジブンはまったく惹かれない…。
      陰謀論みたいになっちゃうけど、昨今の極端な痩せミームは誰かが裏で糸を引いてるように思える。

      • +1
  7. サモアはめっちゃ栄養価の高い芋がとれるんだっけか
    格闘家とかラグビーが有名だよね

    • +5
  8. たしか俳優のドイウェンジョンソンも・・・
    サモア人だから違うのか
    でも子孫的にはグループに付属するのかな

    • +2
  9. >965カロリー
    965キロカロリーの間違いってことでいいんだよな?

    • +1
    1. >>16
      いまはジュールだけど、大きいCalと小さいcalがあってだな…

      • +2
  10. なんかナショナリズムが根底にあるような理想的な姿から無理矢理答えを導き出したような本当に現代なのか?みたいな研究だなw

    • +1
    1. >>18
      大海原に小粒のように点在する島々の間を往来するのが容易な事では無かったのは地図を観たら分かる。
      ポリネシア人が大柄なのは誰が見ても明らかで相応の肉体が必要だったのは想像するに容易い。

      • +1

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