死のふちにあった馬が奇跡の復活をするまでの物語
 アメリカ・オレゴン州に、救助した馬を保護してリハビリを受けさせ、再び野生に戻す活動を続けている保護区がある。

 ここに、虐待されたことが原因でやせ細り、瀕死の状態にあった馬が運び込まれた。馬は、目の輝きを失い、生きる意欲をなくしていた。

 心身ともに深く傷ついていたが、保護区のスタッフは献身的に、たくさんの愛情をもってお世話をした。

 そのおかげで、半年ほども経つと馬は奇跡の復活を遂げる。元気に保護区を走り回れるほどになり、やがてロバの親友もできた。

 これは、生きたいという強い思いで苦境を乗り越えたマスタング種の馬、“ドリーム”の物語である。
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Rescued Wild Horse Loves To Play With A Little Donkey | The Dodo

やせ細り、瀕死の状態にあった馬が救助され保護区にやってきた

 2020年の夏、オレゴン州ベンドにある「スカイドッグ保護区」にマスタング種のドリーム(メス 20歳)が運び込まれた。

 ドリームは、同保護区がこれまで受け入れたどの馬よりも状態がひどかった。虐待され、飢えで全身がやせ細り、目に光がなく、まさに瀕死状態だった。
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 だが、ドリームを救助した保護区の創設者クレア・ステープルズさんは、ドリームはまた生きる力を取り戻せると信じた。

 いったい、なぜこれほどまでにひどい状態になったのか?それを考えると怒りと悲しみが込み上げてくるが、これからが大事だ。

 ドリームが保護区で安全と癒しを得て、健康を取り戻すことがなによりも重要だったため、クレアさんはまずドリームの心に寄り添うことから始めた。

 幸いにも、ドリームは救助してくれたクレアさんを信頼する様子を見せてくれて、少しずつだが、クレアさんに反応するようになった。
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6か月かけてドリームの健康状態が回復

 クレアさんは、日が昇るとすぐにドリームの厩舎に行った。ドリームにやさしく声をかけ、めいっぱい愛情を注いで、献身的に世話をし続けた。

 また、人間に対する信頼感を取り戻そうと、クレアさんは「大丈夫よ。大丈夫だからね」とドリームの体をやさしく撫でながら声をかけた。

 やがて、日に日にドリームはクレアさんに心を開くようになり、厩舎の外のフェンスでクレアさんが来るのを待ってくれるようになった。

 そして半年経った頃、ドリームは元気に回復。目に強い光が宿るようになった。
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ドリームに初めて会った時には、涙を流さずにはいられないほど、ひどい状態でした。

でも、一緒に乗り越えようという気持ちで、頑張ってきました。元気に回復してくれたのは奇跡です。(クレアさん)
 他の馬たちのように、元気に走り回ってごはんもたくさん食べられるようになったドリームは、最初、自分から発散される強いエネルギーに戸惑うようなところもあったという。

 クレアさんはそんなドリームを見守り続けた。

 これまでの苦境を乗り越えたドリームが、保護区でありのままに自由に過ごせることが、クレアさんにとって何よりうれしいことだったのだ。

ロバのジョー・ペシとの出会い

 間もなくして、テキサス州から救出されたジョー・ペシ(オス)というロバが保護区にやってきた。

 ドリームは、自分よりもはるかに小さなジョー・ペシを見て、たちまち大好きになったようだ。

 ジョー・ペシの後をついて回り、離れようとしないドリームは、まるで一目ぼれの相手を追いかけているようにも見えたが、異種の2頭は「ともだち」として絆を育み始めた。
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 保護区に来た当初、あまり容態がよくなかったジョー・ペシのことを、ドリームはよく理解した。なぜなら、それはドリーム自身が通ってきた道のりだったからだ。

 労わるように接してくれるドリームに、ジョー・ペシもすぐに心を開いた。

人の心をも変えたドリームとの出会い

 仲のいい2頭の姿を見て、クレアさんは本当に幸せな気持ちになると話している。
ドリームと出会って、信頼という絆を育み、繋がれたことは本当に私にとっても素晴らしいことでした。

保護区にいるすべての馬には、それぞれの物語があります。でも、ドリームの物語は私たちをより多くインスパイアしてくれます。

ドリームを救ったことで、私自身の心も変化しました。もっと馬に対する理解と愛が育まれるようになりました。これからも、たくさんの馬を救って保護する活動を続けていきたいです。
 ドリームの奇跡の物語についての動画を見た人からは、「馬を救ってくれてありがとう!」「ドリームの最初の姿を見て心痛めたけど、クレアさんに救われて良かった」「やさしい人がもっと世界に増えたらいいな」「ドリームの回復の物語は、太陽の光が差し込んだように美しいね」「感動した」といった声が寄せられている。
References:Mistreated mustang learns to trust from unlikely friendship with ranch donkey/ written by Scarlet / edited by parumo
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コメント

1

1.

  • 2023年05月21日 14:44
  • ID:P5IP86Jv0 #
2

2. 匿名処理班

  • 2023年05月21日 14:54
  • ID:jwGjiPY.0 #

ロバが旅に出たところで馬になって帰ってくるわけではない

3

3. 匿名処理班

  • 2023年05月21日 16:25
  • ID:4mpOwVge0 #

>>1
せっかくいい話題だったのに余韻をぶち壊しやがったなこの野郎w

動画で見ても、やせ細った馬の目が空ろで辛い。それだけに回復した後の表情が楽しそうで素晴らしい。毛の艶も文字通り輝いてるわ。

4

4. 匿名処理班

  • 2023年05月21日 19:05
  • ID:Y8gm160M0 #

首の左側
馬の模様とは思えない文字みたいな柄
ずっとハゲてる❓
焼きゴテの跡❓

5

5. 匿名処理班

  • 2023年05月21日 19:10
  • ID:47NYCbhZ0 #

カバに見えたんだけど

6

6. 匿名処理班

  • 2023年05月22日 05:17
  • ID:gCIIlpLU0 #

虐待するなんて、
何でそんなひどい事できるんだろ、

7

7. 匿名処理班

  • 2023年05月22日 14:21
  • ID:XIY8SzfA0 #

日本でもたまにあるよね。近年で記憶に新しいのはレイズアスピリットとか。今は元気にしているみたいで良かった。

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