メインコンテンツにスキップ

同じ両親から生まれた兄弟姉妹が遺伝子の半分を共有しているとは限らない

記事の本文にスキップ

28件のコメントを見る

(著) (編集)

公開:

この画像を大きなサイズで見る
Advertisement

 「同じ両親から生まれた兄弟や姉妹は遺伝子の半分が同じ」という話を聞いたことはないだろうか?

 私たちは母親と父親からそれぞれ半分ずつ遺伝子を受け継いでいる。だから両親が同じなら、子供たちの体の遺伝子は50%が同じになる、という理論だ。

 だが実はこれ、あまり正確な話ではない。50%というのはあくまで平均値のことだ。もしかしたら、あなたと兄弟姉妹は60%の遺伝子を共有しているかもだし、40%だけかもしれないという。

遺伝子の共有率が50%でない理由

 まずは私たちが親から受け継ぐ遺伝子についてざっと説明しよう。

 人間の体には、およそ2万個から2万5000個の「遺伝子」がある。これらの遺伝子は23対、つまり合計46本の「染色体」にまとめられ、細胞核の中にしまわれている。

 だが父親と母親が子供に渡す染色体は、それぞれ23本ずつだけだ。

 なぜなら両親の細胞から精子と卵子が作られるとき、そこに渡される染色体が各ペアから1本ずつランダムに選ばれるからだ。このプロセスを「減数分裂」という。

 首尾よく卵子と精子が出会えば子供ができる。このとき、それぞれが23本染色体を持っているので、生まれてくる子供には合計46本の染色体が渡されることになる。

 つまり、子供は2本1組の染色体ペアから2分の1の確率で選ばれた染色体を1本ずつもらうので、平均すると兄弟姉妹は遺伝子の50%が共通しているということになる。

 ところが、この数字をかき乱すまた別の要素がある。減数分裂では、また別のプロセスが起きているのだ。

 それは「乗換え」や「交叉」と呼ばれるプロセスで、2本1組の染色体がバラバラになるとき、その一部が入れ替わっているのである。

 その結果として、個々の卵子と精子はどれも独自の遺伝子の組み合わせを持つことになる。

この画像を大きなサイズで見る
遺伝子の交叉が起きる結果、精子や卵子はそれぞれ独自の遺伝子の組み合わせを持つ / photo by iStock

どのように受け継ぐ遺伝子は決められているのか?

 こうしたプロセスについて、スタンフォード大学博士課程の遺伝学者が述べたものとして、遺伝子をコインに例えて説明している。

 コインには表と裏がある。ピンッと弾けば、50%確率で表か裏が出る。私たちが受け継ぐ遺伝子も、そんなふうにコイントスで決められるようなものだ。

 人体には約2万5000個の遺伝子がある。だから、子供がどの遺伝子を受け継ぐのか、2万5000回コイントスをする。

 表と裏が出る確率はそれぞれ50%ずつなので、兄弟姉妹はおおよそ50%の遺伝子を共有している。

 だが、完全に半々ではない。あなたのコイントスは、表が1万2600回、裏が1万2400回出たかもしれないが、兄弟は表が1万2550回、裏が1万2450回出たかもしれない。

 50%に近いが完全ではない。それでも平均すれば半分は同じだ。

この画像を大きなサイズで見る

弟姉妹と共有する遺伝子の割合は?

 結局、兄弟姉妹はどれくらいの遺伝子を共有しているのだろうか?

 2006年の研究では、兄弟姉妹の常染色体ゲノムのばらつきをプロットして、これを調べている。それによると、兄弟間で共有されているゲノムの割合は平均49.8%、その範囲は37.4~61.7%だったそうだ。

 他の研究でも同様の結果がでており、40%~60%の遺伝子を兄弟姉妹と共有しているという。

 では、他の家族メンバーはどうだろう?

個人のゲノム解析サービスを提供する23andMeによると、祖父母とは25%のDNAを共有していると考えられていたが、やはりばらつきがあり、実際には共有する遺伝子は17~34%だという。いとこなら12.5%ではなく、4~23%だそうだ。

 つまり結構個人差があるってことで、そっくりな兄弟がいても、あまり似てない姉妹がいても、おかしくないということだ。

References: Iflscience

📌 広告の下にスタッフ厳選「あわせて読みたい」を掲載中

この記事へのコメント 28件

コメントを書く

  1. 遺伝子系の研究してる人には、大きな差なんだろうが
    そうじゃない人には、50%で良いんじゃないの?
    てなる理屈じゃないか?

    • -7
  2. 両親のどちらかに偏って似ている理由がコレなのかな?

    • +2
    1. ※3
      両親と子供は通常はきっちり半々なので、遺伝的に片方の親に寄ることはほぼないはずです。
      おそらく、優性形質の兼ね合いで、優性遺伝子を多く持っている方の親に似る、あるいは目元や輪郭など、印象を決める形質に依存するのではないでしょうか?

      • +4
  3. ちなみに、実の兄弟で遺伝子が100%一致する、あるいは全く一致しない確率は、およそ838万人に1人(1/2^23)になるので、探せば結構いるかもしれませんね。

    • -1
    1. >>5
      1/2^46では?
      父と母からそれぞれ減数分裂した23本ずつの組み合わせですし
      ちなみにその場合は約70兆分の1、アメリカのロトくじ一等が3億分の1なことを考えると…

      • +4
  4. 染色体は23本ずつ受け継ぐが
    染色体自体が2つで1本だから
    その2つの中で入れ替わりがあるということか

    • 評価
  5. きっちり半分ずつなら、移植でドナー探しに困らないわけだしね

    • +6
    1. >>7
      きっちり半分ずつ(キッカリ50%合致度の兄弟姉妹)でも、
      移植ドナーとしての適合性は別じゃね?

      臓器移植で拒絶反応を考える上で重要になるのが
      ABO式血液型や白血球の抗原型(HLA)だけど、
      たとえ全染色体の40%しか一致していなくても
      6番目や9番目の染色体は全部合致してるかも知れないし、
      たとえ全染色体の60%が一致していても
      6番目や9番目は全く一致していない側を受け継いだかも知れない。

      ちなみに、親子なら必ずHLAの半分だけは一致するが
      もう半分は(偶然の確率やイトコなどの近親婚以外)まず不一致。

      で、半分でも一致した方が赤の他人よりマシかというと、
      現代では免疫抑制剤が改良されてきたこともあり、部位によっては全くの非血縁者である夫婦と成功率に差が無かったり。

      • 評価
  6. 半々でも似方がマチマチ…
    って事は見て判り易い遺伝か判り難い遺伝かって違いなのかな

    • +1
  7. まぁそりゃレンジで考えれば兄弟姉妹間で極端に血縁度低くなることもあるでしょうが、2006年の論文でも分散見ればだいたいの兄弟姉妹で半分共有してると言えるわけで。

    • 評価
  8. 自分が母方の叔父に似て姉が父方の祖母に似て
    両親はその人達に似てない。そんな「同じ顔」がいない家に育ったので、子供と親が同じ顔とか更には二卵性の双子が似ている事が不思議でなりません

    • 評価
  9. ここでたまに出てくるミトコンドリア遺伝子の考察はされてないから
    兄・弟・姉・妹の間で「似ている」(とくに身長)はもっと強いはず
    その影響を考えれば核遺伝子のばらつきはさらに相殺されてくるだろう

    • 評価
    1. >>12
      いやー、ミトコンドリアの遺伝子なんて、人の場合37個しかないんやでー。人でなくてもそんなもん。それに対しゲノム遺伝子は10万とかになるんだから、ミトコンドリア遺伝子の出る幕なんか無いと言っても過言じゃないぐらい。

      • -3
      1. >>21
        ありがとう
        それは遺伝子ですか?DNAじゃなくて?
        (古いデータだが2003年で2万個強とか聞いてる)
        DNAにはジャンクが多量にありますよね、ごちゃませにしていませんか?
        あと遺伝子は「発現しないと」意味がないともいえます
        何世代も休眠しているモノもあるでしょう(氷河期にONになるとか)

        呼吸・代謝そして容姿に関係するミトコンドリア遺伝子はかなりの要素だと思えますが…
        だから近年、研究が進んでいるのでしょう
        単純に数だけ比べてもそこに価値は見つかりません
        DNAは玉石混合、ミトコンドリア本体は宝箱といえるかも

        あと遺伝子が同じ二人の話
        猫のクローンで模様の違いが出たように人にも違いが出るでしょう
        おそらく指紋や黒子などは違うはず

        • +3
        1. >>26
          ミトコンドリアゲノム:約1.6Kbp
          核ゲノム:約3.3Gbp
          ミトコンドリアに夢見すぎじゃね?
          あと核遺伝子に関しては、オルタナティブスプライシングとかmiRNAの機能とかも調べるといいと思うよ。

          • -2
        2. >>26
          ミトコンドリアDNAが容姿に影響するなんてめっちゃ眉唾なんだけど
          かれらはエネルギーの代謝を担ってるだけの半独立生命的な小器官で、
          そのDNAが影響するのも細胞内のミトコンドリアの再生産だけな気がするんだけど・・・

          • -1
  10. 可能性は低いですが
    もし兄妹でも遺伝子が全く同じで生まれた場合
    それは一卵性のように瓜二つになるのでしょうか??
    そんな兄妹を聞いたことがありません

    • +2
    1. >>13
      可能性はありますが、そもそも男女で骨格が違うように発達します。
      おでこが丸くなるのは女、あごが発達するのは男のような感じで元が同じでも男女差による相貌の違いが出ると瓜二つにならないのです。肩幅とか骨盤なんかも男女差があります。まぁ、そういうレベルならソフトで顔をいじって妹を男へ変換したらお兄さんの顔になるはあると思います。

      • 評価
    2. >>13
      兄弟や姉妹でなく「兄妹」なら、
      そもそも父由来の性染色体は絶対に異なるし
      一卵性双生児も有り得ない。
      (卵子の分割後に性分化障害が現れた場合は例外として。)

      …というのは措いとくとして、
      年の異なる兄弟や姉妹でも
      全ての染色体が偶然合致しているんなら、
      そりゃ天然クローン状態だから酷似するだろう。
      (双子と違って年齢差があるから、老け度は異なるけど。)
      ただ、※14さんが言っているように、
      その確率は70兆分の1未満。
      全世界の人口でも80億人ほどしか居ないことを考えると、
      99.9%以上の確率で そんな人は地球上に存在していない。

      • +3
    3. >>13
      遺伝子のことはよくわかりませんが、双子のように似た姉妹や兄弟ならいると思います
      小学校の頃のクラスメートで年子の妹と姉妹そっくりな人がいました。よく遊んでいた友達なのに、間違えて妹の方に声をかけてしまったくらい似てました

      • 評価
  11. 致死遺伝子が絡むとさらに偏りが出るね。

    たとえば、父方と母方の両方からそろって受け継いでしまうと育たず流産する遺伝子(仮にzとする)があったとする。父がaz、母がbzを持っていた場合、このカップルから生まれる組み合わせはab、ax、bxのいずれかになる。zzの受精卵は着床しても生まれてこない。

    このカップルの子から見ると、自分と他の子の当該遺伝子についての共通性は約67%になる。

    • +3
  12. 同じ両親から生まれた兄弟姉妹の同性二人以上であっても、双子のようにそっくりではなくある程度の相違があるのもそういう理由からなんですね~

    • +1
  13. 見た目の似てるは外見だけど、
    体質の似てるはそうそうわからないね

    父から骨格や目の色もらいやすいとか‥
    女性機能の母娘遺伝とか‥
    遺伝子のもらう場所?だかなんだかもあるらしい

    息子さんが3歳で親が離婚し、それ以降会ったことの無く父親の顔も覚えてもいないのにのに、息子さんが驚いたとき父親さんの仕草や同じクセを持っていたのには驚きでした。客観的に気質や骨格が似ています。

    • 評価
  14. ×「裏が1万2400個の回出たかもしれないが、」→〇「裏が1万2400回出たかもしれないが、」
    ×「に個人のゲノム解析サービスを提供する23andMeによると、」→〇「個人のゲノム解析サービスを提供する23andMeによると、」

    • 評価

コメントを書く

0/400文字

書き込む前にコメントポリシーをご一読ください。

リニューアルについてのご意見はこちらのページで募集中!

サイエンス&テクノロジー

サイエンス&テクノロジーについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

人類

人類についての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

最新記事

最新記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。