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ストレスによる老化は、回復させることも可能とする研究結果

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(著) (編集)

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 ストレスは我々の心身に様々な影響を与えることが知られているが、老化もその1つだ。ストレスにより、生物学的年齢を引き上げてしまうのだ。

 しかし、新しい研究によると、生物学的年齢はストレスによって上昇するだけでなく、その原因さえ解消されれば、回復して再び若返ることも可能なのだという。

実年齢とは違う、生物学的年齢とは?

 同じ年齢でも、老けて見える人もいるし、いつまでも若々しい人もいる。じつは私たちには実年齢以外に、もう1つ「生物学的年齢」というものがある。

 後者は、生物としてどのくらい老化しているのかという「本質的な年齢」のことで、遺伝子や遺伝子発現、代謝物質などの「エピジェネティック(後成学的)な変化」を測定することで知ることができる。

 『Cell Metabolism』(2023年4月21日付)に掲載された研究では、この生物学的年齢とストレスの関係を分析した。

 その結果、ストレスは確かに生物学的な老化を進めるが、それが解消されれば体はまた若返ることを明らかにしている。

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生物学的年齢を調べるエピジェネティクス

 暦の上の年齢は誰しも平等に積み重なっていくが、生物学的な年齢は人によって進むスピードが違う。

 それを知る方法はいくつかあるが、代表的なのは遺伝子レベルの変化を調べるやり方がある。

 私たちの遺伝子は、DNAの並び方が変わらなくても機能が変化する。具体的には、DNAにメチル基をくっつけることなどで、化学的に遺伝子のスイッチを切り替えるのだ。

 こうしたDNA配列によらず変化する遺伝子の機能を調べる学問のことを、「エピジェネティクス(後成学)」という。

 こうしたエピジェネティックな変化を調べることで、どのくらい病気に罹りやすいか、どのくらい健康寿命が残されているかといったことを予測できる。

つまり、その人の生物学的な年齢を知ることができるのだ。

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ストレスと生物学的年齢の関係

 こうしたエピジェネティックな老化は、環境・生活習慣・栄養状態などの影響を受けることが知られているが、今回の研究では特に「ストレスと生物学的年齢の関係」が取り上げられている。

 その結果、確かにストレスは体を老化させるが、それが解消されればまた元に若返ることがわかったのだ。

 アメリカや欧州の国際的研究チームは、そのために2匹のマウスを外科手術で合体させ、再び分離するという実験を行なっている。

 そのようなことをされたマウスは当然、激しいストレスを受けることになる。エピジェネティクス分析からは、それによってマウスが遺伝子レベルで急激に老化することが確認された。

 ところが、分離された後は、また若返ったのである。

 同じようなパターンは人間でも確認されている。

 たとえば、怪我をして緊急手術を受けた高齢者から採取した血液サンプルからは、生物学的年齢が急上昇していることがわかった。だがそれは術後1週間でまた元に戻っていた。

 さらに妊娠や新型コロナへの感染といった、大きなストレスとなる経験をした人でも同様のことが確かめられた。

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体には若返り機能が備わっている可能性

 今回の研究では、生物学的年齢を知るために、1つの指標ではなく、複数の指標が使われている。そうした中には、なぜかまったく変化が現れないものもあったという。

 それでも今回の発見は、私たちの体には生物学的な老化を回復する機能が備わっていることを示していると、研究チームは結論づけている。

 将来的には、こうしたストレスによる生物学的な老化に治療をほどこして、体を若返らせることも可能になるかもしれないとのことだ。

References:Stress Biologically Ages Us, But New Research Says It Could Be Reversible : ScienceAlert / written by hiroching / edited by / parumo

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この記事へのコメント 22件

コメントを書く

  1. 1つのストレスが解消しても、別のストレスが次から次へと押し寄せてくるんだろう

    • +5
    1. ※2
      その意見には同意ですが、いまいち記事の趣旨を理解できていなさそうですね…
      回復、というより、老化を可逆的なものとすることができるかもしれない、ということです。
      疲れたら休憩して回復するように、老いたら〇〇して若返る、という時代が来るかもしれないのです。
      その〇〇を具体化するための第一歩になりうる研究ということです。

      • +8
      1. >>9
        いまいち記事の趣旨を理解できていないのはあなた

        妄想を垂れ流さないで・・・

        • -7
    2. >>2
      欠けたスポンジが元に戻るようなものだから
      当たり前ではないかも

      • +1
    3. >>2
      そもそも科学っていうのはそういう当たり前だと思っていることが本当に当たり前なのかを疑うところから始まるんだよ
      それが実証されたならそれはそれでいいし、当たり前だと思っていたことが実は全然違ったなんてことだって腐るほど転がってるわけで

      • +5
  2. 老化というのは染色体のテロメアが短くなって細胞が劣化していってだから不可逆で… というのが常識だったけれども
    もしもこれが事実だったら老化ってなんだろう 何のために生き物は歳をとるんだろう?

    • +3
  3. たしか細胞のストレス感知を遮断することで、老化を一転して若返すって研究が進んでたな。
    特許を取得したから今のところ製品化を進めていると聞いているが。

    • +3
  4. まぁ、生活実感でも、
    仕事や人間関係のストレスで急速に白髪が増えた後
    問題が解決したらまた黒髪がちに戻っていったり、
    姑や旦那に長年抑圧的な扱いをされて老け込んでいた嫁さんが
    離婚して自分のために生きるようになったら途端に潑剌としたり、
    いろいろと実例はあるもんな。

    • +11
  5. 正確に言えば、強いストレスの結果として起きる現象は「老化に似ている」ということであって、可逆的であるし完全に同じではないと思いますが、これを切り口に老化に対する理解も深まりそうですね。

    強いストレスが老化に似た反応を引き出すならそれは何らかの防衛反応でもあるはずで、具体的に何からどのように守ろうとしているのか?

    この辺りに本来の老化との違いがありそうに感じます。

    • +3
  6. でも髪の毛はもどらないでしょーがっっ!!
    どうなのさ!えぇっ?生えてくんのっ!えぇっ?

    • +1
    1. >>8
      以前にISRIBによる細胞ストレスの遮断で脳損傷の修復なんかもできたらしいし、髪の毛も回復するんじゃない?
      あとはアメリカのCalico社が製品化を完了するまで待とう。

      • +2
    2. >>8
      それはカミご意思ですよ(´・ω・`)
      総てはカミの御心のままに(´;ω;`)

      • 評価
  7. >そのために2匹のマウスを外科手術で合体させ、再び分離するという実験を行なっている。
    ストレスの与え方がサイコ過ぎやしないですかね…?
    まあ動物実験に常識は通用しないが…

    • +6
  8. >ストレスによる老化
    ミトコンドリアを増やして活性化すれば老化を抑止できるという話があるが、ストレスはミトコンドリアの機能を低下させたり減らしたりするという理解でいいのかな?

    • +1
  9. わかる。

    ぶっちゃけ管理職返上して、給料下がったけど
    今の方が俺が幸せだ。まさかスポーツが趣味になるとは想像もしなかった。

    • 評価
  10. 全財産はたいても10年若返りたい。早く研究が進んで金で老化を解決できるようになってほしい

    • 評価
  11. 老化が万病の元だからとっととこれを解消できる時代になって欲しいね
    人類史を通じて若返りは夢であり続けたのじゃ

    • 評価
  12. サラッと書かれている実験内容を見て戦慄したのだが。ヨーゼフ・メンゲレでも雇っているのか。

    • +3
  13. 美容整形とか何もしてないのに若々しい年配の人たまにいるけど楽天的だったりストレスを溜めない性格なんだろうな。

    • +1

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