この画像を大きなサイズで見るイスラエルの青銅器時代後期の墓から、中東でもっとも古いと思われる繊細な外科手術が施された珍しい頭蓋骨が発見された。
聖書に出てくる古代世界において重要な都市、メギドにある宮殿の居住区域で、ふたつの墓が発掘され、およそ3500年前に一緒に埋葬されたと思われる2人分の遺骨が発掘された。
アメリカとイスラエルの研究者が、これらの骨の分析を行ったところ、頭蓋骨に穴を開ける穿頭術(脳外科手術)の痕跡を発見。
どうやらこの手術は失敗だったようで、裕福なだけでは早死にを免れることはできなかった、ふたりの兄弟の悲しい人生の背景が明らかになってきた。
裕福な家柄の若くして亡くなった2人の兄弟
エルサレムから北に130キロのところにある「メギド」は、いくつもの宮殿、要塞、神殿から成る繁栄都市の中心地だった。ギリシャ語名「ハルマゲドン」という名でよく知られている。
「青銅器時代後期のメギドの文化的、経済的な重要性を誇張するのは難しいのです」とテルアビブの考古学者イスラエル・フィンケルスタイン氏は言う。
価値ある陶器や貴重品に囲まれて、裕福な市民にふさわしいと考えられた宮殿の一角に埋葬された遺体は、王族ではないとしても、かなりの権力をもった家に属していた人物である可能性が高い。
最新の調査に先だって行われたDNA分析で、2人は家族関係にあることが確認された。
その体格や発達の度合から、ひとりは青年期の早い時期に死亡し、もうひとりはせいぜい30歳頃までしか生きられなかったことがうかがえた。
骨の配置から分析すると、兄のほうが弟よりも長生きしたらしく、弟の遺骨はいったん取り除かれ、再び埋葬されていることがわかった。
この画像を大きなサイズで見る頭蓋骨に残る穿頭術の痕跡
2人とも、なんらかの病気だったことがわかるが、兄のほうには、生きている患者の頭蓋骨に穴をあけたり、削り取ったりして脳を露出させる穿頭術(トレパネーション)が施されていた跡がはっきりと残されていたという。
この画像を大きなサイズで見る「頭蓋に穴をあけなければならないほど、かなり悲惨な状況だったはずです」アメリカ、ブラウン大学の考古学者、レイチェル・カリシャー氏は言う。
こうした穿頭術が行われた理由は明らかではなく、純粋に迷信的なものから、脳圧を緩和するためというかなり直観的な目的まで、さまざまな憶測が飛び交っている。
手術は失敗に終わった可能性
この兄弟の場合、外科手術の目的がなんであろうと、最終的には失敗に終わった可能性が高い。
頭蓋の前方に開けられた、四角い開口部を縁どる十字の切り傷が、治った痕跡がないことから、20代か30代のこの男性は、頭蓋に穴が開けられた後すぐに亡くなったと考えられる。
この画像を大きなサイズで見る穿頭手術の例は、中石器時代の北アフリカから、新石器時代の地中海、中央ヨーロッパに至るまで記録が残っている。
そのやり方も、円形の穴を開ける、四角い穴に切り取る、楕円形に少しずつ削るなどさまざまだ。
しかし、中東全域での穿頭手術は数十例しかなく、数千年前の古い骨には見つかっていない。
こうした発見は、このような危険な外科手術を、どのように、そしてなぜ行ったのか、という疑問について、よりグローバル的な全体像を埋めるのに役立つ。
「古代の穿頭手術のあらゆる例について、科学的な文献を調べ、手術を受けた各人の状況を比較対照して、何を学ぶことができるのかということに興味があります」カリシャー氏は言う。
富と権力があっても健康には恵まれなかった兄弟
富と権力を手に入れたにもかかわらず、どうやらこの兄弟はあまり快適な人生を送ったとはいえない。
それぞれ、子どものころにずっと鉄分の欠乏症を患っていたと思われ、それが彼らの発達に影響を与えたのかもしれない。
さらに兄のほうは、頭蓋が合わさっている部分に余分な線が入っていて、臼歯が1本多い、鎖骨頭蓋異形成症という珍しい遺伝病があった。
さらに悲惨なことに、ふたりの骨格には感染症による傷跡があり、結核やハンセン病だった可能性も高い。
ふたりが感染症で亡くなったのか、そのせいで穿頭手術をせざるをえなかったのかは、はっきりわからない。
ふたりの人生は悲劇的といってもいいくらい短かかったが、まわりで彼らの世話をしていた者は、できるだけその命を長らえようと必死に劇的な手段をとったことは確かだろう。
「古代世界は、私たちが思っているよりも辛抱強く、気配りのある世界だったのかもしれません」カリシャー氏は言う。
「ネアンデルタール人がいた時代から、たとえ困難な状況にあっても、人々はお互い助け合っていたということは、実際に証拠があります。すべてが、完全なる協調と幸福というクンバヤの精神だったと言うつもりはありません。性差や階級差はあったのです。でも、過去においても、人間は人間らしかったと言えることでしょう」
この研究は『PLos One』誌に発表された。
追記:(2023/03/06)本文を一部訂正して再送します。
References:3,500-Year-Old Failed Attempt at Brain Surgery Uncovered in Israel : ScienceAlert / written by konohazuku / edited by / parumo














ちょうど記事を読んだのがK2無料期間中だったから「だが今は違う!」の台詞がよぎった
中石器時代って、、、当時では麻酔なんて実用化されていないはずだし、患者の苦痛は半端なかったんだろうな
頭に穴が空いてたら手術とか笑える
拷問か頭蓋骨の装飾だろうな
>>3
素人の浅すぎる逆張り思考感あって好き
>>3
拷問なら頭に小さい穴開けるよりもっと効果的なものがあるよ
拷問受けるような人が裕福な埋葬されるかな?良くて集団墓地かそのへんにポイじゃないか?
地位が高く裕福だからこそそれなりの年齢まで生きられたのでしょうね
これほどの病を抱え、庶民なら5歳までは生きられなかったのでは?
酷い頭痛でもあって、死んでもいいから頭に穴開けたい、と願ったのかなあ
上流階級でそんなリスキーな手術を受けたのなら、成功率は高くなかったとしても成功例があったか、少なくとも治療法のひとつとしてある程度成立してた可能性が高そう
少し前の記事に「人間の頭蓋骨から作った櫛」というのがあったけど
死者から切り取った骨を何かに使う文化があったかもしれないわけで、
よって一概に手術跡とも言い切れないのでは。
当時から方法は確立されてないけど、開頭してみるという考えがあるのが驚き
病気は故障なので、修復できるっていう人類の意思があるんだね
病気の原因が頭の中だって理解していた3500年前の人類。先史時代の更に前は高度文明だったのかもね。その頃の時代の名残りがあって外科手術の伝承が存在してた。其処から救世主が現れて人類の発展を極度に遅くした、宗教と言う洗脳ツール。
カニバリズムで頭をこじ開けてたとか装飾のために頭部を解体してた跡のほうが可能性高そうだよな 頭部の皿をこじ開けて皿にするとかで下の部分が丸かったら酒が溢れるから十字で刻んでたらしいからそれじゃね?って思うわ