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アメリカの淡水魚が化学汚染。1匹を食べると1カ月分の汚染された水を飲むのと同等の有害性

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(著) (編集)

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 アメリカの川や湖でとれる魚をたった1匹食べただけで、有害な化学物質に汚染された水を1ヶ月飲み続けるのに等しいという衝撃の研究が発表された。

 1940年代に開発された「有機フッ素化合物(PFAS)」は、水や油をはじく特性があり、撥水スプレー・焦げ付かない調理器具・カーペット・消火剤・食品の包装容器など、私たちの身近なところで使用されてきた。

 しかし「永遠の化学物質」と呼ばれるほどの安定性が仇となり、いつまでも環境に残り、生体にも蓄積することが懸念されている。

 これが人体に蓄積した場合、肝臓障害・高コレステロール・免疫系の低下・がんなど、さまざまな健康問題を引き起こす恐れがあるため、世界的に規制が進められている化学物質だ。

深刻なアメリカの淡水魚の化学汚染

 非営利団体「Environmental Working Group(EWG)」は米デューク大学の研究チームと共同で、自然の魚への汚染の広がりを調べるため、2013~2015年にかけてアメリカの河川や湖から採取した500以上のサンプルを分析した。

 その結果、魚1キロあたり9500ナノグラムの有機フッ素化合物が含まれていることが判明し、『Environmental Research』(2022年12月28日付)で発表された。

 有機フッ素化合物にはさまざまな種類があるが、検出されたものの4分の3は、一番一般的かつ有害な「ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)」だったとのこと。

 研究チームによると、こうした魚をたった1匹食べるだけで、PFOSが48 ppt含まれる汚染水を1ヶ月間飲み続けたのに相当するそうだ。

 参考までに言うと、アメリカ環境保護庁が定める安全な飲料水のPFOS基準値は0.02 pptだ。また今回魚から検出された量は、一般に流通する魚の278倍ほどであるという。

有機フッ素化合物はテフロン加工のフライパンなど、身近なところに使用されている

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人間が汚染した魚が、人間へと戻って来る

 なぜ魚にこれほどまで有機フッ素化合物が蓄積されたのか?その原因についてEWGは、産業廃棄物による水質汚染だと指摘している。

 EWGのデビッド・アンドリュース氏は、「有機フッ素化合物を製造・使用した企業は河川を汚染しているにもかかわらず、その責任を問われていません」と指摘し、「タンパク源としてや社会的・文化的理由から魚を食べている弱い立場にあるコミュニティへの影響を考えると、とりわけ懸念すべきもの」と述べている。

 英リバプール・ジョン・ムーア大学のパトリック・バーン氏は、第三者の立場から、有機フッ素化合物は「21世紀に人類が直面する最大の化学的脅威」だろうと述べ、「魚から人間に直接有機フッ素化合物が広まっているという初の証拠となる」と語った。
 アンドリューズ氏らは、不必要な有機フッ素化合物の使用をやめるよう、より厳格な制を求めている。

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有機フッ素化合物の規制に関する日本での現状は?

 有機フッ素化合物は、日本も参加する「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)」で、使用・製造・輸出入が原則禁止されるなど、近年規制の強化が進められている。

 日本国内では、「化審法」によって製造・輸入が原則禁止。また河川や飲み水に含まれる有機フッ素化合物の暫定的な目標値として、「1リットルあたり50ナノグラム以下」と定められている。

References:Locally caught freshwater fish across the United States are likely a significant source of exposure to PFOS and other perfluorinated compounds – ScienceDirect / Eating one wild fish same as month of drinking tainted water: study / written by hiroching / edited by / parumo

References: :Locally caught freshwater fish across the United States are likely a significant source of exposure to PFOS and other perfluorinated compounds - ScienceDirect / Eating one wild fish same as month of drinking tainted water: study

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この記事へのコメント 34件

コメントを書く

  1. それこそ近所のスーパーでも見かけるフッ素加工の鍋。逆に鉄鍋は見かけないから、ネットでとりよせたわ。値段は鉄鍋も高くないのもあるけど、調理や手入れに油がいるから敬遠された結果がこれか。

    • +8
  2. ユーチューバーがドブ川の魚食いまくってるけど、
    水質とか気にしてないからこっそり流したらアカンものを
    流されてるドブの魚食ってる恐れもあるから
    マネしない方がいい。速効性の毒より蓄積毒の方が怖い。
    今でも年に数件は流したらアカンもの流してました事件がある。

    • +11
    1. >>4
       淡水魚釣るのが趣味で、年に二、三回は釣ってきた鯉や鮒を食ってたんだけど、もう止めるわ。

       高度成長期じゃないんだし、身体に害がある程の汚染なんて今は有り得ないだろうと思ってたんだが、そうでもないのね・・

      • +3
  3. 生物濃縮ですね
    やったことは人間に戻ってくる

    • +19
  4. そのうち天然物は有害物質蓄積されすぎて養殖物の魚しか食べられなくなる日が来るのかな

    • +9
    1. >>6
      養殖物のサーモンの添加物たるや、知ったら食べられなくなるレベルよ。

      • +2
      1. >>28
        そりゃ大量入手可能な餌料だけあげたらDHAやEPA足りなくて死ぬからな
        なんで添加するかも調べてから言ってる?
        DPとEPの違いは?初期餌料の探索にどれほど苦労してたかの歴史くらいは知ってるよな?
        まさか添加物ってだけで脊髄反射で反応してないよね?
        安定した大量生産のためにこちとら必死で研究してるのに上っ面だけ見て適当なこと言われると困ります

        • +2
        1. >>29
          添加物というより抗生物質と殺虫剤の量を調べてから行ってくれ。アメリカの富裕層は養殖サーモンは最も避けるべき食べ物の一つと考えている

          • +1
          1. >>37
            その2つもまた安定して安全な食品を大量生産するのに必要じゃ無いか?
            野菜だって農薬使うし、雑草除去に必要であれば除草剤だって使う。
            牛や豚だって、抗生剤の投与に定期的なワクチン接種に虫下しで安全性を担保してるんだもの。

            • 評価
  5. 野次馬的に環境省の報告を報告を見てきました。
    日本国内でも暫定目標を超えた地点がチラホラありますね。
    ただ、大抵はスポットに留まっていそうな気配なので、
    このまま収束に向かうといいなぁ、と思います。

    • +7
  6. 最終的に人に戻るのは悪い事じゃない
    その過程で犠牲になる生物には申し訳ないが人間が連鎖の頂点なんだから此処で止まるし
    遺体の処理を間違えなければ綺麗な尻拭いだと思う

    • -8
  7. いや、これこの特定団体が意図的に情報を流して世論誘導してる感じなんだよね。

    • -5
    1. 生物濃縮ですわな
      水俣汚染全盛期には一尾摂取しただけで発病するほど汚染された魚もいたとか…
      現行の日本の環境基準は生物濃縮も考えたうえでの基準になっています
      ですのでそこで採った生物を食べない限り、その水域の水質が環境基準を上回っていても
      健康被害ということはあまり考えなくてもよいわけです
      ということで、豊洲の地下水の環境基準がどうのこうの、と当時騒いでいたのは
      なんかちょっと神経質すぎるなー、とはおもっておりましたん
      60年前の日本はひどい状態だったので、
      そのときの記憶からか今は神経質すぎるようにもおもってます

      ※9
      同意ですね、日常テフロン加工鍋で煮炊きしたものを食べてる方が
      よほど体内に色々入ってきそうです
      わたしはテフロン加工のものは使わないことにしてます
      生体に影響があるかないかわからないけど、少し気持ちが悪い

      • -9
  8. フッ素やテフロン加工のフライパン使用して
    ダイレクトに食品が汚染されないの?

    • +6
    1. >>10
      正しく使えば平気だけど、高温で空焚きしたりゴリゴリ擦るようにフライ返しを使うと塗装が剥げてぶっちゃけよろしくない
      ってか9割方の人がそういう使い方してるわな

      • +12
    2. テフロンも高温で空焚きするとよくないが、特にテフロンを合成するための様々な中間素材が有毒らしい

      • 評価
  9. PFOSなら有機フッ素化合物と言っても
    テフロン(PTFE)とは関係ないはずだが
    何でこんな誤解を生む記事を載せてるんだ?

    • -3
    1. ※11
      テフロンつくるのにPFOS使ってたから。
      PFOSの問題は
      ダーク・ウォーターズっていう去年映画でやってました。

      • +9
  10. え?
    テフロンのフライパン使ってると、汚染された淡水魚食べてるのと同じってこと?
    テフロンヤバいの??

    • +2
  11. そう言えば、英語圏の外人が日本の近海ものは食わんって言ってた。海外では海や湖の汚染が問題になってて魚と貝がヤバイから、日本もチェックしたほうがいいよとか言ってた。

    • -4
    1. >>13
      海外で汚染がやばい→日本近海のものは食べない
      チェックしてなくて安全かわからんからってこと??

      • 評価
      1. ※27
        チェックしていなければ流通に乗らないよ

        • 評価
      2. >>27
        水産庁がチェックしているで? つまり嘘

        • 評価
  12. どうもピンと来ない主張だなぁ、500以上のサンプル
    とは500か所なのか500個なのか?
    汚染が有るとしてアメリカの淡水魚の化学汚染、と
    地域や範囲の言及が無く米国全土であるかのようだなぁ。
    汚染水を1ヶ月間飲み続けたのに相当する、と言う
    言い方も疑問だなぁ。そもそも汚染元は何処なんだ?
    汚染は有るんだろうがどうも釈然としない。

    • 評価
  13. 自分も鉄のフライパンで、フッ素のは使ってない。

    少し前来た映画で、米か英だったか、
    フッ素加工物の工場の周辺の村で牛が大量死したり、ガンの人が増えたりしたのがあった。
    あと欧米はフッ素入り歯磨きが多いよね。

    • -4
    1. ※17
      フッ素と名のつくもの全てが悪いわけじゃないから…

      • +13
  14. これってようは化学工場が汚染物質を垂れ流してたってことでは?
    それよりもラウンドアップの土壌汚染と人体への吸収
    なぜか禁止されて日本が大量に輸入の方が問題

    • +3
  15. 食肉の農薬凝縮も似たようなもんだなコレ

    • +1
  16. ppt、パート パー トリリオン。検出限界どんくらいなんや。めちゃめちゃ少ないけど、濃縮して測るんやろか?そーいう業界じゃないから想像もつかん。
    日本の基準1リットルあたり50ナノグラム=50×10^-9g/1000g=50^-12g/gだから50ppt。
    アメリカの基準が0.02pptなら2500倍も差があるけど、本当?
    こういう基準でそこまで差があるのちょっと変なのでアメリカの方ppbと間違ってない?って思っちゃう。0.02ppbなら20pptだから基準の差もそこまでおかしくなくなるけど…。

    • -1
    1. ※32
      調べたら去年6月にアメリカの基準厳格化が報じられてました。
      それまでの3000倍厳しくなったそうです。つまり上記の計算2500倍というのは古い基準に合わせた値で、正しい。現在のアメリカの0.02pptも正しい。
      日本がアメリカに合わせた新基準を採用するかは、産業的なこともあるしちょっと分かりませんが、健康にかかわることですし、何千倍もの差を放置はできず近づくものと想像します。

      • +1
      1. >>33
        何も知らないんだね
        アメリカが規制を強化すると日本は緩和するんだよ
        何故って?本国で売れないゴミを買い取って消費するのが植民地の役目だからだ

        • -1

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