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うにょうにょの触手を巻きつけてつかむ、クトゥルフめいたロボットハンドが誕生

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(著) (編集)

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 従来のロボットハンドの場合、壊れやすいデリケートな物をつかむを調整するのは難しい。そこでハーバード大学の研究チームが考案したのが「触手ロボ」だ。

 それはまるでクラゲやタコの触手のように、柔らかく絡みつかせて離さない。これならい。絶滅危惧種のサンゴや沈没船の遺物など貴重な品々を安全につかむことができる。

 斬新なアイデアで利便性は高そうだが、ピンク色の触手の動きがちょっとしたホラー感を醸し出している。それが逆に、マニアにはたまらなかったりもする。

 重いものや複雑な形のものでもしっかりつかめる一方、1本1本の触手の力は弱いので、壊れやすいものでも壊すことなく持ち運べるそうだ。

絡めば絡むほど強くなる触手ロボ●

 『PNAS』(2022年10月10日付)に掲載された研究のリーダー、ケイトリン・ベッカー氏は、プレスリリースでこう語る。

ソフトロボットにもともと備わっている柔軟な性質をさらに強化することで、ただパーツを組み合わせただけよりも大きく、かつ最小限の計画・検出システムで複雑な物体に対応できる把握メカニズムを設計しました

 触手ロボの最大の特徴は、どんな形状の物体にでも自分自身を絡ませてつかむ能力だ。

 触手の素材である中が空洞になったゴムチューブは、一部だけが特に厚みをつけて作られている。この構造のおかげで、内部から圧力を加えるとくるっとカールする。

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複雑な植物でもこの通り、絡みついてホールド / Credit: Harvard Microrobotics Lab/Harvard SEAS

 これを利用して、つかみたい物体にしなやかに絡みつく。複数の触手が絡めば絡むほど、強く確実につかむ。

 それでいて触手1本1本の力は弱いので、壊れやすいものでも傷つけるようなことはない。また物を離すには、触手の圧力を抜くだけだ。

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 この仕組みのシンプルさは、そのまま触手ロボの長所になる。

 たとえば、従来のロボットハンドで複雑な形状の物体をつかもうと思えば、内蔵センサーやフィードバック機構、高度な機械学習アルゴリズムなどなど、複雑な制御メカニズムが必要だった。

 だが触手ロボなら、シンプルな仕組みで、どんなものでつかむことができる。

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絡めば絡むほど、しっかりつかんで離さない/Credit: Harvard Microrobotics Lab/Harvard SEAS

様々な場所での活躍に期待

 シミュレーションや実験では、観葉植物やおもちゃなどをきちんとつかめることが実証されている。

 その汎用性の高さのおかげで、農業や病院でやわらかい果物・野菜や繊細な組織を扱ったり、あるいは工場などでガラス製品のような不定形な物体を扱ったりと、さまざまな場所での応用が期待されるとのことだ。

 触手を使ったユニークな把握メカニズムは、ラクシミナラヤナン・マハデバン教授による「もつれたフィラメントの位相的力学に関する研究」と、ロバート・ウッド教授の「ソフトロボットグリッパーに関する研究」を融合させたもの。

Tentacle robot can gently grasp fragile objects

 研究チームのローラ・イングランド・デ・バルパイン教授は、「絡み合ったフィラメントは、物体にピッタリへばりつき、接触部の細かい状態をほとんど気にすることなく、確実かつやさしい位相幾何学的な把握を可能にします」と説明する。

 ウッド教授は、触手を使った新しい把握アプローチは、「複雑な制御が必要な従来のロボットハンドを補完するもの」と説明する。

 シンプル制御ながら複雑に形状が変化する触手を併せて使うことで、ロボットハンドでつかめる対象がぐっと広がるだろうとのことだ。

References:Tentacle robot can gently grasp fragile objects / written by hiroching / edited by / parumo

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この記事へのコメント 27件

コメントを書く

    1. ※1
      やはり、ひらめかれてしまったか……

      • +3
      1. >>9
        絶対誰か閃くとは思ってたが案の定だったな

        • +3
    2. ※1
      大腸内視鏡検査を受けてみると分かるんだけどね、触手プレイって思ってたほどキモチよくないんだ…

      • +1
  1. クトゥルフのあのウニョウニョは意外に器用だということか…🐙

    • +8
  2. これ何回も使ってるうちに絡まってほどけなくなるんじゃね?

    • +2
  3. この仕組みだと確実性や正確性に乏しいような
    対象物以外もつかんじゃいそうだし
    使い処難しそう

    • 評価
    1. >>6
      ナポリタンぽくない?
      きっと研究者は空飛ぶスパゲッティモンスター信者だよ。

      • +3
  4. 精密な作業には向いて無さそうだけど、大雑把に壊れやすい物を掬い上げるとかなら良さげ

    • +4
  5. こういう発想とそれを実現するアイデアを持つエンジニアってのは尊敬するなあ。
    触手の太さや材質・配置・数を変えればいろいろなものに対応できるかもしれない。

    • +7
  6. 空気圧ならば地上のみの運用かな?
    宇宙や深海でも使えたら便利だけど。

    • +3
    1. ※16
      原理的にはチューブの中身は水でも良さそう。
      深海探査船のロボットアームに使えるかもしれない。

      • +3
  7. 人間の手がいかに規格外のチート性能かよくわかる奴

    • +6
  8. 色がキモさ倍増だがけっこう有用性があるんじゃないか

    • +2
  9. 触手感を出すためにあえてこの色を選んだろ・・・w

    • +1
  10. こういう変態発明は日本の独壇場だったはずなんだけどなあ。
    イグノーベル連続受賞も危ういらしいな。

    • +1
  11. これ凄くいいね。発想もとても素敵。
    わざわざ手にする必要はないんだ。

    • +1
  12. 開発者さん絶対自分の身体にこれがまとわりつくこと想像したよね?

    • 評価
  13. シンプルな空気圧と安いゴムチューブだけで物掴める構造作れるとかかなり凄いぞ

    • 評価
  14. これ、先端にエアー使って吸着してる系のロボットアームなら安く導入できるから良さそう。

    • 評価
  15. ハンモックとして使われそうな見た目してますわ

    • 評価

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