
約5,500年前に文字が出現する前に宇宙人が地球に到着していたとしたら、私たちはそれを知るすべはない。
アメリカの天体物理学者、カール・セーガンは、古代人が宇宙人の訪問を記録している可能性について考察している。
古代シュメール(現イラク)に伝わる半人半魚のような生き物オアンネスの話は、「もっと注意深く研究する価値がある」と彼は書いている。
この話は興味をそそるが、セーガンは、宇宙人が古代シュメールを訪れたという具体的な証拠を見つけることはできなかった。
太古の昔に知的生命体が地球に来ていたとしたら?
銀河の歴史は古く、果てしなく広大で、生き物が居住可能な惑星がたくさんある。人間とはべつの知的生命体(宇宙人)が、亜高速で恒星間を旅する技術をマスターして、数世紀以上にわたる遠征を行うのに十分な時間があるのだ。宇宙人が、1万5000年に一度、地球にちょっと立ち寄ったことがあったとしても、今日の私たちがそれを知る術はない。
結局のところ、最古の文字は、紀元前3400年前までしかさかのぼることができないため、それ以前に宇宙人が地球に何度か来ていたとしても、それを知ることはできない。
しかし、もし地球外生命体が数千年前に地球に来ていて、それが当時の文書に記録されていたとしたら?それは、どんな様子だったのだろうか?

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宇宙人が来ていた証拠を探っていた天文物理学者
科学コミュニケーター、天体物理学者として有名なカール・セーガン(1934年1 – 1996年)は、同僚のヨシフ・シクロフスキーと共に、1966年の著作『Intelligent Life in the Universe』の中で、まさにこのテーマについて書いている。「この仮説は、まったく理にかなったものであり、慎重に分析する価値がある」セーガンはこう綴っている。
ただし、地球外文明との接触を再現するのは、かなりの困難を伴うことは明らかだ。結局のところ、古代の記録は、神々の伝説や超自然についての架空の民間伝承的な物語でいっぱいなのだ。
天界に存在する奇妙な生き物が地球上に出現し、驚くべき働きをしたといった単純な説明だけでは、まったく不十分だからだ
では、潜在的な地球外生命体との遭遇の話を、こうしたフィクションとは別ものだとする根拠はなんなのだろう?
人間以外の知的生命体がどんな姿をしているのかを描き、原始の人々が自力では得られなかった天文学の現状を明確に説明し、あるいは接触の目的がはっきりすれば、こうした伝説の信憑性が増すだろうとセーガンは言っている。
彼は、こうした必要条件に見合うひとつのストーリーをとりあげている。もちろん、但し書きつきだ。
わたしは、次の話が必ずしも地球外生命体との接触の例だと言っているわけではないが、もっと慎重に研究するべきタイプの伝説だと思う

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シュメール文明のオアンネス伝説は宇宙人のことなのか?
セーガンは、紀元前4500〜1900年にかけて繁栄した、メソポタミア南部史最古の文明であるシュメール文明のオアンネス伝説のことをとりあげている。バビロニアと国境を接するペルシャ湾から現れたとされる、オアンネスという名の生き物について、多くの古代の作家が述べている。
その全身は魚のようで、魚の頭の下にべつの頭があり、魚の尾に人間の足に似たものがついているという。
伝説によると、オアンネスは初期のシュメール人に、"文字、科学、あらゆる種類の芸術への洞察を授け、都市の築き方、家屋や神殿の建築法、法典の編纂の仕方を教え、幾何学的知識の原理を説いた"という。

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ほかの古代の記述にも、オアンネスと同じようなアプカルと呼ばれるべつの生き物のことが書かれていて、シュメール人を調べるために戻ってきたという。「シュメール文明は、地球人ではないものの起源をもつものとして、シュメール人の子孫自身によって描かれている」とセーガンは言っている。
奇妙な生き物の系譜は、何世代にもわたって続いている。彼らのただひとつの目的は、人類を指導することで、それぞれが、先祖の使命と功績を知っている注目すべきは、アプカルは決して神として表現されてはいないということだ。
セーガンは、古代シュメールに地球外生命体がいたという話は、すべて推測にすぎず、そのような大胆な主張を立証するのに必要な、確たる証拠はないことを認識していた。
過去に地球外文明と接触したことを、完璧な説得力をもって実証することは、文章だけでは難しい。References:Did Extraterrestrials Visit Ancient Sumer? - Big Think / written by konohazuku / edited by / parumo
だが、オアンネス伝説のような、とくに地球最古の文明に関することについては、ほかの多くの可能性のある解釈のひとつとして、地球外文明との直接接触の可能性が、これまで行われてきたものよりも遥かに批判されることの多い研究になる可能性がある(セーガン)
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コメント
1. ナパチャット
古代に宇宙人が来てたとしても、何かしら残していくよね
2. 匿名処理班
さかなクン=オアンネス説
3. 匿名処理班
昔は動物と人間の合成された神というと荒唐無稽なお伽噺だったが、近年の研究でクローン生物が現れるなど、絵空事ではなくなってきている。
仮に高度な文明を持つ地球外知的生命体が過去に訪れたとしたら、神話に描かれるような存在だったかもしれない。
4. 匿名処理班
地球外知的生命体というよりおもしろ生物だよな、レリーフから察するに
5. 匿名処理班
神話とオカルトとSFが混ざったのって、ロマンがあっていいよね
6. 匿名処理班
ヨハネって名前はオアンネスの変化らしいな
7. 匿名処理班
この辺をネタにしたSF伝奇小説に面白いのはあるけど
シュメール語の原文に簡単にあたれないからなんとも言えないわな
年貢のための収穫とかから産出した麦の収穫率が数十倍だったとか
イシュタルが空にのぼるさいに専用の服を着て変な箱を背負って翔んでいくけどその箱の名前が『宇宙高くに運ぶもの』だとか
一見それらしいけれど、そもそも本当に原典がそうなってるのかどうかすら分からんし
8. 匿名処理班
何と言うか、物凄くムー
9. 匿名処理班
来訪の痕跡を何故残していかなかったのかはともかく
可能性の一種としてはありそうではある
何千年かごとにしか来ないとか決まっているとしたら
現時点で観測されていない理由も存在する事になるし
10. 匿名処理班
※7
「古代の宇宙人」で天狗が宇宙人扱いされてるの見ると、当該民族にとっては「何言ってんだこいつ」状態になりそう。
11. 匿名処理班
※4
オアンネスは、海中に住んでて昼の間に陸に上がってきて知識を人間に与えたもの
その神話の象徴として、魚を被らせたり魚の着ぐるみを着せたりしてるだけだから
12. 匿名処理班
天文学者というより作家だろ。
13. 匿名処理班
アマビエを思い出した。
14. 匿名処理班
ギョギョつとサカナ☆
15. 匿名処理班
>>1
何故?
箱庭ゲーやるつもりならむしろ一切痕跡は残さないと思うが…シヴィライゼーションとかやらない?
16. 匿名処理班
いつの時代の世界にも
かぶりものが好きな
「へんなおじさん」はいた。
冒頭の絵の写真は
「さかなおじさん」
17. 匿名処理班
>>7
調べたら「バビロニアの神官ベロッソスが書き残した『バビロニア誌』におけるオアンネスの神話がアプカルルの神話を非常に良い状態で伝えていると考えられている」
バビロニアは当時マケドニアのアレクサンダー大王統治下で、ベロッソスはギリシア語で著述していたようだ。ラテン語も使えたらしい。
ベロッソスがあたった元資料は現存してないが、『エヌマ・エリシュ』なんかは後代のアッカド語だったりする。
18. 匿名処理班
シュメール文明を宇宙人飛来によるものと謳った人として有名なのがシッチン。
彼が自身の提唱する第十二惑星と結び付けて惑星ニビルから来たアヌンナキが自分達と類人猿の遺伝子を混ぜ合わせて人を作った、と。
で、随所に都合よい曲解含めた強引な翻訳でそれをぶち上げた過去があるため、シュメール文明に宇宙からの痕跡が〜と言われると胡散臭くなってしまうのは彼のせい。
19. 匿名処理班
権力や権威をどこから得たの「裏付け」って大事だからね
それを神話として創造するのはどこの古代文明でもやっている
20. 匿名処理班
高橋克彦の「竜の柩」シリーズ、学生のころハマったなぁ。
21. 匿名処理班
ネプチューンでありポセイドンでもありアマビエでもあるかも
22. 匿名処理班
ジョルジョ・ツォカロス「何を今更」
23. 匿名処理班
自分たちと顔立ちや肌の色なんかが違う者を外界のものとする歴史って長いと思うんだけど
そんな中で実は宇宙人でしたってどうジャッジできるあてがあるのだろう
24. 匿名処理班
手首のあたりで「この紋所が目に入らぬか! 一同の者、頭が高い、控えおろうーー!」
25. 匿名処理班
1万年前の人類と接触し知識を伝えたりした伝説が聖書や神話となり今に残った
とかそういう夢物語があってもいいかな
26. 匿名処理班
古代シュメール人が大地に恵みをもたらす二大河の流れ込む先に理想郷があって優れた住民が住んでいると想像したとしても不思議でも何でもない 太陽の上る方角に思いを馳せた蓬莱伝説やニライカナイだって似たようなものだろう
27. 匿名処理班
>>15
そういうカテゴリーのゲームは全く興味無い人は、やらないどころか存在すら知らないっていう事実を認めようよ
自分が好きでやってるゲームは、全世界の人が知っていて当たり前とか思いたいんだろうけどさ
28. 匿名処理班
いきなり、文字が現れたと思ったら、法典や官僚制度とか突然現れるから、そう思いたくもなるよね。
29. 匿名処理班
これ壁画なのかな?彫刻みたいなの?
腕や脚の筋肉の描写が迫力あるね
こういう古代の絵ってもっと平面的なイメージだった
30. 匿名処理班
様々な現象を科学的見地から考察してくれた夢見る科学者、故・カール・セーガン博士(褒めてるし尊敬していますよ)
「こうである!」って断定じゃなく「そうだったらいいよね」っていうスタンスは絶対に守る人でした。
逆にいえば、この人が否定する考察や現象は科学的根拠がないものだと思えばいい。
31. 匿名処理班
>>1
残ってるのかもよ
現代人がそれを「人間が作ったもの」とか「自然が生み出したもの」みたいに解釈してるだけで
理屈と膏薬はどこにでもつくからね
32. 匿名処理班
タルタリアは本当にあったのかどうか気になる
あそこはレンガの建物 フリーエネルギーもあったと言われている
33. 匿名処理班
>>3
仮に俺が訪れる側だとしたら「びっくりさせたろwwww」の精神で、異形の姿で訪れて困惑させるね。
案外そういう遊び心の延長線かもしれないよね。
34. 匿名処理班
>>16
大西ライオン?
35.
36.
37. 匿名処理班
年数経つの早すぎねえか!