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 4500年近く前の紀元前2600年、古代エジプトを統治していたあのクフ王にまつわる遺物が、カイロのアイン・シャムス遺跡で、ドイツとエジプトの合同研究チームによって発見された。

 アイン・シャムス(Ayn-Shams)とは、アラビア語で"太陽の目"を意味し、古代エジプトの太陽信仰の中心地、古代都市ヘリオポリスの一部だった。

 カイロの野外博物館「マタリヤ」内で、アイン・シャムス太陽神殿のの基礎と、クフ王時代の大きな石材が発見されたのは、この地域で初めてのことだという。
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紀元前2580年のクフ王時代から紀元前1198年のセティ2世時代まで

 今回新たに見つかった遺物はすべて、ローマ時代、後期ローマ時代、初期イスラム時代、マムルーク時代、オスマン帝国時代のさまざまに異なる堆積層から発見された。

 紀元前2580年頃のクフ王時代の花崗岩の石材は、これまでのところ、この場所から出てきた最古のものだ。

 また、中庭の基礎、アマシスまたはアアフメス2世(紀元前570〜526年)の台座、末期王朝時代(紀元前525〜332年)の複数の祭壇も発見されている。

 アイン・シャムス太陽神殿の基礎は、新王国(紀元前16世紀〜11世紀)時代のもので、ほかにも、センウセレト1世のオベリスク近くから、これまで知られていなかった古代の大きな花崗岩の塊が
発見された。
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カイロ、アイン・シャムス遺跡で発見された多くのスフィンクスのひとつ。ここからはクフ王の世界初の証拠も見つかっている / image credit: Ministry of Antiquities

 クフ王の石材は、かつて伝説的なギザのピラミッドにあった建物の一部だった可能性があり、その後、ラメシード時代(第19王朝と第20王朝)に動かされ、再利用されたようだという。

 ラメシード時代は、それより以前の歴史ある石材を使い始め、この時代から石を再利用することが一般的になっていった。

 こうしたことを総合すると、古代カイロの地下で発見された最新の証拠は、紀元前1914〜1198年まで、エジプト王たちがこの場所を統治していたことを裏づけるものといえる。

 これら、重要なエジプト統治者たちは、アメンエムハト2世(紀元前1914〜1879年)、セソストリス3世(紀元前1882〜1842年)、アメンエムハト3世(紀元前1842〜1795年)、アメネムハト5世(紀元前1776〜1773年)、トトメス3世(紀元前1479〜1425年)、アメンホテプ2世〜3世、ホルエムヘブ(紀元前1319〜1292年)、ラムセス2世(紀元前1279〜1213年)、セティ2世(紀元前1204〜1198年)と多岐にわたっている。
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およそ4500年前のクフ王統治時代にさかのぼる花崗岩のブロックのひとつ / image credit: Ministry of Antiquities

 アメンエムハト4世、セベクヘテプ4世、アイ、セティ1世、オソルコン1世、タケロト1世、プサムテク1世時代の石棺や祭壇も、マタリア野外博物館で発見された。

 さらに、アメンホテプ2世のスフィンクスの形をした石英彫刻や、ピンク色の花崗岩でつくられた巨大なヒヒ像の台座も見つかっている。
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マタリヤ野外博物館から見つかった別の石の遺物 / image credit: Ministry of Antiquities

クフ王と古代エジプトの黄金時代

 クフ王は、古王国時代前半の第4王朝の二代目ファラオだ。彼の統治の記録はほとんど残っていないが、古代世界の七不思議、ギザの大ピラミッドを建造させた人物であるとされている。

「ヘリオポリスで、クフ王時代の遺物が出てきたのは初めてのことです」ドイツ発掘チームの共同責任者ディートリッヒ・ラウエは言う。

「発掘調査で、この地域の歴史の初期のさらなる証拠も得られました」

 これらは、マタリヤにあったクフ王の未知の建造物か、古い石を新しい建物に再利用することが一般的になったラメシード時代に、ギザのピラミッド地区から運ばれた建築材の可能性もあるという。

 さらに、紀元前3000年頃の粗削りな土器の層も見つかっていて、宗教儀式活動があったことがうかがえる。

 古代エジプトの黄金時代といわれる第3王朝と第4王朝(紀元前2686〜2494年)に、このあたりにたくさんの遺跡があったことを示す証拠もある。

 ペピ1世統治時代(紀元前2280年)の花崗岩の破片には、ホルス神に捧げられた碑文が刻まれていた。

 発掘作業はこの先も続けられる予定で、考古学者たちはもっとたくさんの証拠が今後も出てくると確信している。

References:In Photos: Egyptian-German mission discovers blocks from Khufu's reign in Cairo’s Matariya - Ancient Egypt - Antiquities - Ahram Online / “First of Its Kind” 2600-BC King Khufu Evidence Found In Cairo! / written by konohazuku / edited by / parumo
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コメント

1

1. 匿名処理班

  • 2022年07月06日 06:11
  • ID:vh81CrtV0 #

エジプトにせよギリシア、ローマにせよ、「石の文化」というのは、建築物や彫刻などが時代を経ても残されるから羨ましいよね。
研究も次々と進むし。

日本のように「木と紙の文化」の場合、火災という天敵に翻弄され、過去のオリジナルはほとんど残されていない。
日本ではどれほどの見事な建造物や芸術作品がこれまでに灰燼に帰したのかと考えると、涙ぐみそうになるよ。

2

2. 匿名処理班

  • 2022年07月06日 17:36
  • ID:X9NAonPE0 #

古代のピラミッドを素材にして新しく神殿を造ってたのなら
中身もどこかに移動させいても不思議は無いよな
ギザのピラミッド内にミイラとか入ってないのはコレが理由じゃないの

3

3. 匿名処理班

  • 2022年07月06日 19:38
  • ID:ieCxApi30 #

(〃艸〃)クフッ

4

4. 匿名処理班

  • 2022年07月07日 01:47
  • ID:st6rj8Wv0 #

再利用なんてしてたんだ・・・

5

5. 匿名処理班

  • 2022年07月07日 12:08
  • ID:o.az3nNV0 #

※1
昔の人だって「快適に暮らしたい」が前提になるからね
日本で「石造りの人が住む建築物」なんてつくったらもうね…

あと最大の破壊者「人類」がいるかぎり、石の方が残るという勘違いも残念ながら…

6

6. 匿名処理班

  • 2022年07月27日 18:17
  • ID:UBDB0sur0 #

>>2
ギザのピラミッド内にミイラが無いのは単に盗掘されたから

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