
イギリスの研究者が行った新たな研究によると、カワウソは単独でパズルのような仕掛けの中にある、馴染みのない食べ物を取り出すことができる。その方法を仲間に伝えることもできる。
更にはその食べ物が安全に食べられるものかどうかを、お互いに情報交換し、一致団結して慎重に調べるという。
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カワウソの社会学習を調査
イギリス、エクセター大学の研究者が、ニューキー動物園とテイマー・オッター&ワイルドライフセンターにいる20匹のコツメカワウソを使って、彼らがどのようにお互い学び合いながら、仕掛けのついた箱の中に隠された、食べたことのないエサを探し当てるかを観察した。タブやフラップを引っ張って開けるようになっている5種類の容器の中に、彼らにとって馴染みのある食べ物であるミートボールが隠されている。
対照実験のために、ニジマス、カニ、ムール貝などの自然の獲物が入った容器も用意する。
「カワウソがエサを抜き取るために学習する能力に関する多くの研究は、人工的に作ったエサの仕掛けに焦点を当てています」エクセター大学の首席研究者アレックス・サリヴェロス氏は言う。
今回の研究では、カワウソにとってあまりなじみのない自然のエサだけでなく、人工的なエサの仕掛けとの関連においても、その能力が発揮されるのかどうかに興味をもちました
1/4 Asian short-clawed #otters learn from each other when solving puzzles to get food. Research from @UniofExeter in collab. with @UniversityLeeds & @RoyalHolloway.
— University of Exeter News (@UniofExeterNews) November 11, 2020
Watch an otter trying his hand at one of the challenges!https://t.co/gzrurahBMi
Video credit: @muddyduckuk pic.twitter.com/DkhI7VathR
単体で仕掛けを解いて、仲間と情報交換しながら安全性を確認
実験の結果、カワウソたちはそれぞれに知恵を使って、仕掛けから食べ物を抜き取ることに成功した。できない個体は仲間の行動を見てやり方を学んでいく。更には、その食べ物が安全か、食べるのに適しているのかを知るために、互いに情報交換をしていることがわかった。勇気ある毒見役が食べるのをじっと待っている個体もいた。
「コツメカワウソのこのグループは、結束力のある集団で、ほとんどの時間を一緒に過ごし、集団で食事をします」オーストアライラ、アデレード動物園のマット・ゴレビオスキー氏は言う。
初めてのエサの仕掛けや、新たな環境エンリッチメント(飼育環境に変化を与えること)を与えると、彼らはみんなで団結して、そのアイテムを調べるために慎重に行動するのです20匹中11匹が、3種類の自然の獲物すべてを取り出すことができたという。
「飼育されているカワウソは、最初は自然の獲物に苦労していたようですが、最終的にはエサを抜き取る方法を学習することができたことがわかりました」サリヴェロス氏は言う。

photo by Pixabay
年長者ほど賢い
カウウソがこうしたパズルを解く速度は、その年齢も関係しているのかもしれない。カワウソは本当に頭のいい動物ですが、若い個体は、経験豊富な年長者に比べて、問題を解決するのに時間がかかることがわかりました
でも、何度も挑戦しているうちに、徐々に覚えて早く解くことができるようになります。
簡単な問題なら数分で解くことができ、餌箱の中にある凍った食べ物など、より難しい問題には15分ほどかかることがあります

photo by Pixabay
カワウソは生涯にわたって仲間と親密な関係を保つ
20匹のカワウソ同士の社会的相互関係を追ってみたところ、一頭につき一頭が関連していたことがわかった。これは、社会学習が個体間の親密度によって測ることができるかどうかを調べるためで、ここではカワウソは家族の行動を見ることで、より早く学習ことができている。
アデレード動物園のカワウソは、オーストラリア全体で行われている繁殖プログラムの一環で、プログラムが始まって以来、少なくとも70匹が繁殖している。
「カワウソは、社会的な動物で、生涯にわたって仲間との緊密な関係を保ちます」ゴレビオスキーは言う。
カワウソの家族は、親と何世代かにわたる子どもたちで構成され、年長の子どもが次の子どもを育てる手伝いをしますコツメカワウソは通常、4〜12匹の群れを作るが、野生では20匹の大家族が確認されることもある。
独立する年齢になると、家族を離れて自分の群れを作り始めますが、危険が迫ると、個々で対処するのではなく、互いに目を配り守り合う傾向があります
野生のコツメカワウソの数は減少しつつあります。彼らの行動を理解することは、保護や再導入プログラム開発の助けになります。この研究は『Royal Society Open Science』に発表された。
今回の発見は、一匹のカワウソを放す前にあらかじめ訓練しておけば、情報の一部を仲間に伝えることができることを示唆しています
References:Research news - Puzzled otters learn from each other - University of Exeter / Otters are social learners – but solo puzzle solvers / written by konohazuku / edited by / parumo
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コメント
1. 匿名処理班
YouTubeでカワウソの動画見るけど
鳴き声がすげえな
あれは飼えないわ
2. 匿名処理班
カワウソは昔の中国で飼いならして、鵜飼みたいに魚とってこさせたりしてたな。
コツメカワウソが小石でジャグリングして暇つぶしするけど、暇な時に狩猟と関係ない遊戯をして、投てきができるなら類人猿に近い知能があるのかも。
日本の化け動物として猫、タヌキ、キツネ、イタチ、カワウソなどがいるけど、やっぱ人間を化かすというエピソードを人間が体験してるってことは全部頭いいんだろうな。
3. 匿名処理班
繁殖個体として出回ってるわけだけど、大家族で暮らす動物だからペットにするもんじゃないわね。
繁殖個体といいながらトランクに詰め込まれて密輸されてるきけんがあるし
4. 匿名処理班
1匹では水中に引きずりこめない人間を集団で引きずりこむ
実際ブラジルじゃピラニアやワニよりオオカワウソが恐れられてるし日本でも河童の正体はカワウソ説がある
5. 匿名処理班
なんて危険な実験なんだ!!
コツメ20匹なら見ただけで萌え死ぬ人も出るくらいだぞ
半数致死量を軽く超えているじゃないか
やれやれ世の中には恐れ知らずもいるものだ
6. 匿名処理班
なんて危険な実験なんだ!!
コツメ20匹なら見ただけで萌え死ぬ人も出るくらいだぞ
半数致死量を軽く超えているじゃないか
やれやれ世の中には恐れ知らずもいるものだ
7. 匿名処理班
ビーバーはエアコン作って温度を操ってくるし
水辺のケモノの知能レベルはヤバイ。
8. 匿名処理班
素敵やん…
9. 匿名処理班
カワウソの「話しかけてくる感」が堪らなく好き。
10. 匿名処理班
べ…ベネディクト・カンバーバッチ…う〜ん(萌タヒ)
11. 匿名処理班
「中の人などいない!」
12. 匿名処理班
そもそもオサケスキーには有名な「獺祭」
カワウソの捕食時の行動からきたらしい
そして今でこそ日本じゃいないけど 狢;きつね、たぬき、カワウソetc
学会に認知される前に日本の民話ではあたまがいいとね
13. 匿名処理班
カワウソはみんな友好的だ。
凶暴になったことを見たことが無い。
鯵を頭からバリバリ食うのを
見なければ、飼っていたと思う。
余談だが
女子スキージャンプのあの人が似ている。
14. 匿名処理班
本能じゃない性格の違いもこういうときに全滅しない、それでいて新しい食料を得るためだよね
殻があったり穴に隠れてたりするものを食べる生き物は問題解決能力高いよね
15. 匿名処理班
※10
※13
仲野太賀の方がにてないか?
16. 匿名処理班
バンドのボーカルも出来るしなw
17. 匿名処理班
この間カワウソが一対一で巨大なカミツキガメを生きたまま喰い殺す映像を視聴して、心底ビビった。
流石にイタチ科だけあるわ、ラーテルやクズリの親戚だもんなカワウソも。