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クマムシはカタツムリをタクシー代わりに移動することが判明。ただし料金として命を取られることもある

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(著) (編集)

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 地球上最強生物と言われるクマムシはなかなか死なないし、歩くことも泳ぐこともできる。だがその動きはゆっくりだ。

 いくら忍耐強いとは言え、長距離の移動はかなり時間がかかる。急いで遠くに行きたい時、彼らはどうするのだろう?

 最新の研究によると、クマムシは、カタツムリをタクシー代わりに乗り、遠くまで移動している可能性があるという。だが、ときにその代償は高くつく。カタツムリの粘液で命を落とす危険があるからだ。

樽状態の乾眠に入ればほぼ無敵のクマムシ

 体長0.05~1.2ミリの小さな「クマムシ」(緩歩動物)は、海や川だけでなく、岩や木をおおう湿ったコケなど、水があるところなら地球上のほぼあらゆるところに存在する。

 並外れた耐久力で知られており、、体を縮めて「樽」という形態をとり、「乾眠」と呼ばれる休眠状態に入れば、極端な温度にも、潰れるような圧力にも、紫外線にも耐えてみせる。真空でも死なず、銃で射出されても生き残るほどだ。

 「樽」の構えに入ったクマムシは、30年間冷凍されても死ぬことはなく、蘇生するとすぐに繁殖を行うことができる。

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左下が樽状態で乾眠に入ったクマムシ / image credit:Zofia Książkiewicz and Milena Roszkowska

カタツムリを移動手段として使用している可能性

 今回の研究では、そんな彼らが、同じ環境に生息するカタツムリに運ばれているらしいことが明らかになっている。

 クマムシは泳ぐことも歩くこともできるのだが、自力で移動できる距離は高が知れている。どこかへ引っ越したいのなら、風や水といった自然の助けを借りる必要がある。

 だが、それ以外にも方法はありそうだ。カタツムリをタクシーにしてしまうのだ。

 野生のクマムシとカタツムリの関係についてはほとんど知られていないが、どちらも同じような湿った環境で生きている。。

 『Scientific Reports』(2022年4月14日付)に掲載された研究によるなら、それゆえにカタツムリはクマムシの乗り物としてピッタリなのだそうだ。

 「文献を調べたところ、このテーマはほとんど研究されていませんでした」と、ポーランド、アダム・ミツキェヴィチ大学のZofia Książkiewicz-Parulska助教と共著者のMilena Roszkowska氏は話す。

 同じテーマを扱った研究は、55年も前のものがあるのみだった。

 それによると、カタツムリに食われたクマムシは、移動先でフンと一緒に排出されるという。

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クマムシと同じ環境に生息するモリマイマイ / image credit:Zofia Książkiewicz and Milena Roszkowska

カタツムリをタクシー代わりに使う代償は大きい

 カタツムリ・タクシー仮説を検証するため、研究グループは西ヨーロッパの陸上に生息するモリマイマイとクマムシを採取して、とある実験をしてみることにした。

 どちらも湿度のある環境で活発になる生き物で、モリマイマイはその大きさ(22ミリ)からクマムシの乗り物としてピッタリだと思われた。

 試しに水滴とコケにクマムシを潜ませ、そこをモリマイマイに歩かせてみたところ、クマムシはすぐに粘液にくっついたという(水滴を歩いた場合は38匹、コケを歩いた場合は12匹が付着)。

 また障壁を設えたプールの中で同じような実験をしてみたところ、障壁を越えて移動したクマムシは、カタツムリに乗ったものだけだったという。
 だが、それには代償もあった。カタツムリの粘液が乾くと、クマムシにとって致命傷になるのだ。

 粘液に覆われた状態で乾燥すると、樽状態になったクマムシでさえ、24時間後に復活できたのはたったの34%のみだった。粘液に覆われなければ98%が蘇生する。

 カタツムリの粘液は主に水で構成されているが、すぐに乾燥してしまう。

 クマムシが樽の状態で粘液に触れると、粘液の水分で一時的に蘇生するが、粘液はすぐに乾燥して固まる。

 そのため、クマムシは完全な樽状態になれないようなのだ。いわば不自然な姿勢のまま睡眠を強いられるようなものだ。

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コケ中の水分で復活したクマム / image credit:Zofia Książkiewicz and Milena Roszkowska

それでも命と引き換えにカタツムリに乗る理由

 なお氷河のクマムシは、突風に乗って1000キロも移動することがある。しかしこの場合、必ずしもクマムシにとって快適な環境に辿り着けるとは限らない。

 一方、同じような環境を好むカタツムリに乗れば、快適な場所に引っ越しできる見込みは高くなる。

 研究グループは今後、クマムシの卵がカタツムリによって運ばれる可能性や、移動できる距離について調べたいとのこと。たとえ引っ越し先がわずか数センチ離れたところであっても、小さなクマムシが遺伝的多様性を改善するには十分なのだそうだ。

 ただしその代償は命になる可能性もある。最強生物クマムシであってすらも、カタツムリをタクシー代わりにするのは命懸けなのかもしれない。

References:Tardigrades may hitchhike on snails … and then suffocate in their slime | Live Science / written by hiroching / edited by / parumo

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この記事へのコメント 25件

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  1. 植物が動物に種や花粉を運んでもらうのと同じようなもんか

    • +2
  2. 「急いで遠くに行きたい時、彼らはどうするのだろう?」

    クマムシ君よ、遠くに行きたいから、というはわかりますが、急いでいるのなら、カタツムリは止めた方がよろしいかと…

    • +5
    1. >>3
      乗るというか、カタツムリの粘液にくっつかれたというか、、

      • +1
  3. イノシシやヤギくらいの大きさで
    その辺をスタスタ走り回ってたら
    泣き叫ぶけど小さいから愛されてるだけよな。

    • 評価
    1. >>4
      >イノシシやヤギくらいの大きさで
      それほぼクマだもんなwww

      • +3
  4. クマムシにとってはカタツムリも高速で移動する巨大生物なんだろうなぁ
    もっと素早い生物だと乗り移ることもできないだろうし

    • +14
  5. なんとなく、「ハクメイとミコチ」を想起した

    • +2
    1. >>6
      亀さんバスとかカブトムシバスとかカナブン?バスとかよく出てくるよね

      • +4
  6. 睡眠を妨害されるとクマムシですら容易く息絶える
    人間共よよく寝ることだ

    • +6
  7. クマムシは好き好んでカタツムリに便乗しているのでは無く
    カタツムリの進行上にいるクマムシが粘液に取り込まれて拉致
    運良く真空にも弾丸射出にも耐えられる樽状態で防御したとしても
    その7割が死んでしまう地獄行のタクシーって事だよね?
    機動性で劣るクマムシが危険なカタツムリの粘液を避け
    安全な殻に飛び移って高速移動し
    その先で粘液に触れないよう途中下車してる訳ではないのだから

    • +2
  8. ヤバい方法と言っても34%も生き延びる辺り矢っ張り強いわ
    繁殖先求めての移動手段ならリスク冒す価値は有りそう

    • +3
  9. ただ乗りは人でも通報されるし、クマムシとはいえ許されんぞ

    • +2
  10. クマムシの為にもカタツムリの個体数がまた増えますように

    • +1
  11. よかった、今回は人類に虐待されるクマムシさんはいないんだ(安堵)。

    • +1
  12. 空前絶後最強の漢(クマムシ)が、カタツムリの粘液ごときで命を落とすとは片腹痛し

    • +2
  13. タクツムリか
    しかしなんて魅力的な生物なんだ、クマムシくんは

    • +2
  14. ミスリードなタイトルですね。
    クマムシがあたかも自らの意思でカタツムリを移動手段にしていると思わせる。
    実際はただ粘液に取り込まれてしまっているだけで、生存率も高くないのであれば、もはや共生関係ですらないわけだ。

    • 評価
  15. 待てよ…成層圏には何万匹のクマムシが巻き上げられているんだ…?

    • +2
  16. 他の生物を利用して生息域拡大は普通にあると考えるとホモサピエンスが外来生物反対!と喚いたところでそれこそ自然の摂理でないのかもな。

    • +2
  17. 特別なスープ(粘液)をあなたにあげる
    あったかいんだからぁ~(半解凍)

    • +2
  18. クマムシが自主的に粘液に近づいて付着したのか、ただ踏まれたから付着したのか、どっちなんだい?
    どちらにせよクマムシを駆除するヒントが得られた気がした。

    • +1

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