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宇宙船による初の星間旅行、最初の搭乗者は地球最強生物クマムシが有力候補

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(著) (編集)

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 星と星を股にかけた宇宙旅行ができる可能性はうっすらとだが見え始めている。しかし生物が光速に近づいたとき、その体に何が起きるのかやってみなければわからない。

 科学者らは、それを知るためにまずは地球最強生物、クマムシを宇宙船に乗せればいいと、『Acta Astronautica』(2021年10月15日付)で提案している。

レーザーを使えば星間旅行は夢ではない

 銀河から銀河へ、星から星へと大宇宙を旅するロマンは、人類にとって未だ見果てぬ夢だ。それでもその可能性は、おぼろげながら見えてきている。

 それはワームホールを通り抜けてワープしたり、時空を歪めてハイパードライブしたりといったものではない。レーザーを使うのだ。

 重さ1グラム程度のごく小さな探査機に、地球や月からレーザーを照射する。理論上、これによって光速の2、3割まで加速させることができる。

 小型宇宙船なので生身の人間が乗ることはできないが、太陽からもっとも近い恒星「プロキシマ・ケンタウリ」に20年で到達できる。

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image credit:Lantin et.

クマムシを史上初の星間旅行の宇宙飛行士に

 米カリフォルニア大学サンタバーバラ校などの研究グループは、その小型宇宙船に乗る最初の地球の生物は、クマムシや線虫が最適だと考えている。

 強烈な宇宙線にも耐えるクマムシは、仮死状態になることで実質的にすべて代謝機能を停止することができる。この力を利用すれば、遠く離れた目的地に送り届けることもできるだろう。

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photo by iStock

 また、線虫はすでに宇宙旅行のベテランで、国際宇宙ステーションなどで数々の実験に参加してきたし、爆発して散ったスペースシャトル「コロンビア号」の悲劇を生き残ったことさえある。

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photo by iStock

光速に近づいたときの影響を調べることができる

 だが、こうした小さな生物を宇宙船に乗せて何か意味があるのだろうか?

 大いにある。彼らを利用すれば、超々高速で宇宙空間を移動すると生物の体にどのような影響があるのか確かめられるからだ。

 「光速近くで移動したときに、地球での訓練をどの程度覚えていられるのか調べたり、代謝・生理・神経機能・生殖・加齢といったことも検査できます」と、ジョエル・ロスマン氏は説明する。

 こうした実験結果から、人体への影響を推測することもできるだろう。

 もちろん、そこには倫理的な問題がつきまとう。地球上の生物をほかの星系に送り込めば、生物汚染を引き起こす恐れがあるからだ。

 実際、地球上の生命の起源は、彗星などによって宇宙から運ばれてきたとする説(パンスペルミア説)や、高度な地球外文明が意図的に植え付けたとする説すらある。

 それを我々人類が行ってもいいものだろうか?

 しかし研究グループによれば、宇宙船の大きさを考えれば、そのようなリスクはないだろうという。仮にどこかの惑星にたどり着けたとしても、地上に到達する前に燃え尽きてしまうだろうからだ。

 また宇宙船はあくまで片道旅行なので、帰還して地球を汚染することもない。

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photo by Pixabay

人類はいつしか星間移動できる日がくるのか?

 では、その先はどうだろう? 人類が直接星々を股にかけて移動する日は来るのだろうか?

 その可能性についてフィリップ・ルビン氏は、より生命力の強い生命体や、生身と機械のハイブリッド人間が作られるかもしれないと話す。

 ユーリ・ガガーリンが人類として初めて宇宙に出てから60年。宇宙開発の歴史はまだまだ始まったばかりだ。我々の子孫が大人になった頃には、今よりもっと具体的な可能性が見えているかもしれない。

 「これは世代を超えたプログラムなのです」と、ルビン氏は語っている。

References:Sending Life to the Stars | The UCSB Current / written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 35件

コメントを書く

  1. クマムシかわいいから大きくならないかなぁ

    • -1
    1. >>1
      あったかいんだから~が口癖のデカい種はいるよ!
      でもそんなに可愛く無い気がする。

      • 評価
  2. 片道切符で戻ってこないならそのクマムシがどう変化したか確認する術がなく無意味

    • -3
  3. もっともらしい理由を言ってるが、本当は科学のおっちゃんたちは宇宙と言えばやっぱクマムシだよね。ぐらいのノリだろw
    仮死状態で片道飛行で燃え尽きちゃうんだったら、ほとんどデータ取れないじゃんw

    • +2
    1. ※4
      重さ1グラム程度の探査機に、いったいどんなデータ送信機を組み込むのです?

      • -3
      1. >>14
        レス先間違えたものとして書いてみるよ

        まず優先順位が違う。通信は必須だから、1グラムに収まらないならもっと大きくしなきゃいけない
        そもそもレーザー光による推進は、宇宙船にレーザーを当て続けなければいけない。つまり太陽系の外に飛び出しても、その位置を地球から把握する必要がある。更にレーザーがちゃんとあたってるかの確認もするなら、宇宙船に通信させるのが一番堅実だ
        重くなるならレーザーの出力を上げればいい。そして、そんな遠距離からレーザーを当て続けるほうが電波を出すよりずっと難しい、未来技術

        というのがこの日本語訳からでも判断できる内容

        原文見ると
        ・宇宙船は手のひらサイズを想定
        ・プロジェクトを進めていくと、グラム単位以上の大きさになる可能性が出てきたので、線虫やクマムシを乗せることも可能だとわかった

        という話で、別に1グラムの宇宙船にこだわってるわけじゃないよ
        それ以前に、それなりの専門家の意見にただダメ出しするのはやめたほうがいいと思うのだ
        この記事に限ったことではないけど

        • +7
        1. >>15
          自己フォロー
          この手のソーラー/レーザーセイルの宇宙船はSFでも色々ネタにされてる
          小さい宇宙船をたくさん飛ばして同期させることで、巨大アンテナ兼カメラのように機能させるネタもあったよ(なお、宇宙人が飛ばしてきた代物)
          どうせレーザーはある程度広く照射することになるだろうからたくさんあれば効率も上がるし、数が多ければ、多少壊れても全体の機能は維持できるしね

          • 評価
        2. ※15
          レス先間違えました、フォローありがとう
          原文は読んでいないので記事内容だけから推測して、レーザー出力等に技術限界があって重さ1グラム程度にせざるを得ないものと判断した
          宇宙船の位置と照射精度の判断法は1グラムの制限がある状況ならば、宇宙船側に通信装置を搭載するよりも地球側から観測するほうが現実的だろう
          要は望遠鏡で反射光を観測して理論値の範囲内にあるか確認すればよいだけでは?軌道はあらかじめわかっているので追跡は可能かと
          宇宙船まで確実に届く出力のレーザー光の一部は、精度の良い反射材を使えばこちらまで確実に届くのでは?

          記事にツッコミを入れるのをやめる気はないなー、それが楽しいんだし、頓珍漢なツッコミコメントだったら、そこにまたツッコミが入るのもまたよきかな

          • 評価
          1. >>17
            いやツッコミ入れる事自体はいいと思うんだ
            ただこの記事の場合、まずツッコミはレーザー推進の可否や1グラム制限だと思ったんだよね
            宇宙船のネタ自体は数十年以上前からあるけどまだ実用化されてない、それを知らずとも科学ニュースでも火星有人計画より遥かに頻度の低い珍しい話
            一方、通信技術はその間に進歩し続け、今はスマホによる生活変化やらAirtagによる犯罪やら体内にチップ埋め込むやらetc

            というわけで技術進歩目覚ましい通信技術なら1グラムでも可能性は十分、だがレーザーってどうすんの?ってのが疑問に上がっていいんじゃないかなと思った次第
            数光年先の宇宙船を地球からの観測だけでデブリと見分けるより、例えば微弱な電波出させて太陽系使った電波天文台構築して受信するほうがハードル低いだろう
            1gなら1万個でも10kgで住むから、通信に関しては複数同期、あるいは連続して打ち出して中継させるなど補う手段も思いつく
            とまあそんなネタが見たかった

            重ねてスマンね、他の記事で安直に○○できるはずないというツッコミ多いから苦言じみてしまった

            • +2
          2. >>17
            スマン1gについて書き忘れ
            1gにクマムシ観測キット載せて通信させるという記事なら、翻訳ミスないし漏れを疑うべきじゃない?とも思ったのさ
            原文には1gを超えてしまうという表現しか見つけられんかった、俺の見落としかもしれないけど

            • 評価
  4. SFじゃモンスターパニックの定番の一つだなあ
    でも実験結果は知りたいから、ぜひやってほしい
    一つの星くらいばれんやろ…

    • -2
  5. ・光速に耐える強度
    ・光速の中でのクマムシの調査機器
    ・地球への通信機器

    そもそも、これらすべてを搭載した探査機が
    重さ1グラム程度のごく小さな探査機が可能なのか?

    不可能だろ

    • -7
    1. >>6
      光速自体に達するわけじゃないし、強度もいらんぞ
      それなりの障害物に当たればどのみち終わりだから、小さくすることで被弾率そのものが下がって生存性UPだよ
      通信技術は今後の技術進歩、宇宙船のサイズを大型化、受信側を20年かけて強化など色々

      まあクマムシの有無に関わらず、現在位置を知らせる通信などができないとこの企画自体成り立たないからね

      • +5
  6. ヤバかったら秘技仮死モードに入るクマムシさんで何か参考になるのかな…
    石ころと変わんなくない?

    • 評価
  7. 浜の真砂は尽きるとも世にクマムシ虐待の種は尽きまじ

    • +8
  8. スタートレックの映画みたいに超進化して帰ってくるんですね

    • +2
    1. ※12
      最近のスタートレックでクマムシといえばマイセリウムネットワークだし、映画のは有機体じゃなく機械だから

      • 評価
  9. 爆発しても生き残るのか
    慥かにクマムシくんしか適任者は居らんな…

    • 評価
  10. >>人類が直接星々を股にかけて移動する日は来るのだろうか?その可能性についてフィリップ・ルビン氏は、より生命力の強い生命体や、生身と機械のハイブリッド人間が作られるかもしれないと話す。

    それより、「人間の自我」をオンオフ機能付の機械システムに移植して「機械人間」作って飛ばした方が現実的なのでは?

    • 評価
  11. 「どうも。クマムシの鈴木です」
    そんな時代がいつかは来るのだろうか?

    • 評価
    1. ※22
      もうずいぶん前に
      けんかして解散したよ。

      • 評価
  12. ここまで来るとクマムシに親でも殺されたのか人類って真顔で考えてしまう。

    • +1
  13. 数百年後、宇宙で超進化したクマムシが地球に襲来するかも

    • +1
  14. 彼らはこうやって地球にやってきたのかもしれない……

    • +2
  15. こうしてクマムシは宇宙に解き放たれ
    やがてスペースジョッキーが発見し改良され映画「エイリアン」のように・・・

    • 評価
  16. 燃え尽きたらあったかいどころじゃないね!

    • 評価
  17. 無重力の条件下でも対象物が重いか軽いかで移動距離に差がつくわけ?

    • 評価
    1. >>32
      定番だけど、質量と重量などでググってみるといい
      地球や月も無重力の宇宙に浮いてるけど、簡単に動かせないわけよ

      この宇宙船だとレーザーのパワーは本体の大きさと無関係なんで、レーザーを受ける帆の面積が大きいほど、本体が軽いほど加速できて同じ時間でも長く移動できる

      • 評価
  18. 生物ヘの影響がわかる……確かに参考事例としてまったく無意味じゃないだろうけど、何かに対してクマムシや線虫に影響がなかったからといって、それが人間というか哺乳類に対して影響あるかどうかは大してわからないする。

    • 評価
  19. 生物を星間航行させる意味なんてないだろ
    AI連れて行くのが一番楽

    • +1

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