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大気圏突入のわずか2時間前に検出された小型の小惑星。発見できたのは今回で5度目

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(著) (編集)

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 「2022 EB5」と呼ばれる冷蔵庫サイズの小惑星は、発見されてからわずか2時間後に地球大気圏に突入した。幸いにも小さかったことから、地球に危険を及ぼすことなかった。

 ハンガリー北部にある天文台の天文学者が発見し、NASAのジェット推進研究所の地球近傍天体研究センターに報告した。

 報告を受けたセンターは、地球の大気圏に突入することが分かると、衝突地点を特定し、ノルウェー海の上空で検知することに成功した。

 小型の小惑星の場合、その監視の網を潜り抜け、衝突してから発見されることがほとんどだ。衝突前に検知できたのは今回でたったの5度目にすぎない。

発見から2時間後に大気圏に突入し爆発

 問題の小惑星「2022 EB5」は、コンコリー天文台ピスケーシュテテー観測所(ハンガリー)の天文学者、クリスティアン・サルネツキー氏が3月11日に発見した。

 直径2メートルの小惑星が時速6万3700キロの猛スピードで地球大気に突入したのは、それから2時間後のこと。小惑星はおそらくは爆発したものと見られている。

 速度から推定すると、最初に検出された時点で、地球・月間の3分の1ほどの距離にあったと考えられるようだ。

NASAの地球防衛システムが追跡開始

 サルネツキー氏は、NASAジェット推進研究所の地球近傍天体研究センター(CNEOS)のサイトに報告。

 CNEOSのデータベースを自動検索しているNASAの衝突ハザード評価システム「スカウト」が追跡を開始した。

 軌道を計算し、地球の大気圏に突入することが分かると直ちにCNEOSのサイトに警告。すると、2022 EB5を追跡する観測所が増え、軌道計算や具体的な衝突地点の特定精度が高まった。

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2020年1月以降の2022EB5の地球への推定軌道のシミュレーション / image credit:NASA/JPL-Caltech

 「まず最初にグリーンランドからノルウェー沖のどこかだろうと推測されました。小惑星を追跡する天文台が増えるにつれ、軌道と衝突位置はさらに正確に絞り込まれました」と、ジェット推進研究所の声明でデビッド・ファルノッキア博士は説明する。

 そしてついに、現地時間午後10時23分、2022 EB5はノルウェー領ヤンマイエン島南西部の大気に突入した。

 ニューヨーク・ポスト紙によると、アイスランドやグリーンランドでは、空を照らす明るい光と轟音が報告されたという。どうやら、「火球」になったものが地域の住民によって目撃されたようだ。

 米国流星学会によると、火球とは非常に明るい流星や隕石のことで、夜空の金星に匹敵する光を放つという。

 強く光り輝くのは、地球大気の摩擦で熱され、光としてエネルギーが放射されるためだ。爆発(爆発流星)してソニックブームを発生させることもある。

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photo by iStock

衝突前に追跡できた小惑星は今回で5度目に過ぎない

 地球に衝突する隕石はたくさんあるが、衝突前に発見されるものは珍しく、初めて観測されたのは、2008年と比較的最近のことだ。2022 EB5はようやく5度目の事例となる。

 NASAは各国と連携して、地球に衝突の恐れがある小惑星探知のための早期警戒システムを運用しているが、小型小惑星は監視の網をすり抜けることが多い。

 「2022 EB5のような小型小惑星はたくさんあって、大気圏に突入することも珍しくありません。10ヶ月に1度は起きるくらいです」と、CNEOSのポール・チョダス所長は述べている。

 だが、「衝突直前の数時間までは非常に暗く、宇宙にある段階で検出され、衝突前の状態が観察されるのは非常に稀」である。しかも、それを観察できる時間に、望遠鏡がその場所を向いていないければならない。

 なお、衝突の恐れがある大型の小惑星は何年も前に、地球からはるかに離れた場所で検出されるので安心してほしい。

 今回の2022 EB5の発見は、惑星防衛の専門家にとって格好のリハーサルになったようだ。

 ジェット推進研究所の声明によるなら、小惑星を正確に追跡する準備がきちんとできていることが証明されたそうだ。

References:NASA System Predicts Impact of Small Asteroid / ESA – Fifth asteroid ever discovered before impact / EarthSky | Asteroid discovered hours before Earth impact / / written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 15件

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  1. 1分でできるカップラーメンのようにあっという間に
    消えた製品とうり二つな惑星だな

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    1. >>2
      ロシアはよく落ちてるから、またか、って感じじゃないの

      • 評価
  2. このレベルの大きさなら爆発したら地表に到達出来ない
    爆発せず地表に到達出来ても漬物石より小さいかと

    • 評価
  3. 今回のように2m程度の大きさだと空中爆発しちゃうんだよな
    某国が大質量兵器を考え直してしまうわけだ

    • 評価
  4. ギャグマンガ日和「終末」を思い出した

    • 評価
  5. 大気との摩擦ではなく、圧縮断熱ですね。

    • +1
  6. この小惑星の事を覚えておいてあげよう

    • 評価
  7. 話題の小惑星より「NASAの地球防衛システム」ってのが気になった
    監視は判るとして具体的な防衛行動取れたりすんのか?
    いざとなったら迎撃?

    • 評価
    1. >>9
      iDOLが出撃して小惑星を粉砕するんだよ

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    2. >>9
      NASAが小惑星に対する警戒システムの中枢を担って各国へ警報を発するシステム

      直接の迎撃はしない/できない。

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  8. 何が怖いって、今のこのご時世でこれがミサイル攻撃とかと勘違いされることやね。第三次世界大戦にでもなったらマジでシャレにならない。

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  9. 地球・月間の3分の1ほどの距離にある時速6万3700キロで飛来する直径2メートルの物体を検知した?
    これってものすごくない?

    • 評価
  10. 大気摩擦っていうのは古い知識で、実際の熱の原因は空気圧縮なんだよなあ

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