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未知と遭遇する日は近いのかも。生命の誕生に欠かせない有機分子を銀河の原始惑星系円盤で発見

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(著) (編集)

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 原始惑星系円盤が生み出すガスや塵から放たれた光の”指紋”を調べたところ、生命に欠かせない大きな有機分子が豊富にあることが明らかになった。

 この発見は、地球で生命を誕生させた化学的な基礎が、銀河のいたるところにある可能性を示唆しているそうだ。

生命に不可欠な原料となる有機分子

 複雑で大きな有機分子は、生命に不可欠な分子を作るための「原料」だ。それらは条件が整いさえすれば、糖やアミノ酸、リボ核酸(RNA)といった物質の構成要素すら作り出す。

 そうした有機分子は宇宙のいたるところに存在する。ただし、これまでは惑星が形成される場所(あるいは時期)から遠く離れたところでしか観察されてこなかった。

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photo by Pixabay

惑星を育む原始惑星系円盤で光の指紋を捜索

 そこで今回の研究の中心人物である英リーズ大学のジョン・アイリー博士は、若い星々をかこむガスや塵にそうした有機分子がどのくらいあるのか確かめることにした。

 こうしたガス・塵を「原始惑星系円盤」といい、惑星はここで誕生する。たとえば地球は、太陽の周囲にあった原始惑星系円盤の中で、小惑星や彗星に衝突されて成長した。

 アイリー博士らが探していたのは、「シアノアセチレン」「 アセトニトリル」「シクロプロペニリデン」の3つの有機分子だ。

 こうした分子から放たれた光は、はっきりと異なる波長を持ついわば”指紋”のようなもので、これを検出することができれば、そこに特定の分子があることがわかる。

 捜索場所として選ばれたのは、「IM Lup」「GM Aur」「AS 209」「HD 163296」「MWC 480」の5つの原始惑星系円盤だ。いずれも地球から300~500光年の距離にあり、そこでは現在進行形で惑星が形成されているとされる。

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image credit:M.Weiss / Centre for Astrophysics / Harvard&Smithsonian

予想を上回る有機分子を発見

 『Astrophysical Journal Supplement Series』(21年9月16日付)に掲載された研究によると、5つの原始惑星系円盤のうち4つで、お目当ての有機分子が検出されたという。

 しかも、その量は予想よりもずっと多かった。モデルから推測されていた量の10倍から100倍もあったのだ。

小惑星の衝突によって生命の素材が持ち運ばれる?

 重要なのは、こうした領域で小惑星や彗星が形成されているということだ。

 アイリー博士によれば、地球の生命誕生につながったものと同じプロセスが、原始惑星系円盤でも起きている可能性があるという。

 つまり若い惑星に衝突する小惑星や彗星によって、生命に不可欠な複雑で大きな有機分子が持ち運ばれるのかもしれないのだ。

 ならば、その荒々しい惑星形成のプロセスは、その後の生命の誕生を祝う壮大な花火のようなものかもしれない。

 研究グループの次なる課題は、こうした原始惑星系円盤内に今回検出されたものよりさらに複雑な分子が存在するのかどうか調べることだそうだ。

References:How planets may be seeded with the chemicals necessary for life | University of Leeds / written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 17件

コメントを書く

  1. よく生命の誕生は「バラバラな部品だけが一杯入ったプールを掻き混ぜたら、ひとりでに精密な機械時計が組み立てられる確率と同じ」だと揶揄される事が多いのだけど、その話って生命誕生の舞台を地球上だけに限定すると仮定して、また生命の起源が生成の困難なRNAワールドとして始まったと仮定しているからそういう超低確率になるってだけの事なんだよね。
    こうして宇宙そのものを舞台に基礎的な有機高分子を生成するプロセスが生じていたなら、確率は飛躍的に高まるかも知れないし、RNAワールドではなくプロテインワールドから発生した可能性もある。とにかく、まだまだ未知な部分が多いのが生命起源の研究だよね。

    • +4
  2. 生命に不可欠な複雑で大きな有機分子が持ち運ばれているのは
    20年以上前に隕石から証明されているはずだが
    今時何を言っているのだろう?

    • -1
    1. ※3
      それが太陽系だけでなく他の恒星系でも同様だと、なぜはじめから言えるのですか?

      この観測で、距離を隔てた複数の星系にも、その物質が存在したと判明したが故に「地球で生命を誕生させた化学的な基礎が、銀河のいたるところにある可能性を示唆している」という結論を導けたのだと思いますがいかがですか。

      • +3
      1. ※8
        > つまり若い惑星に衝突する小惑星や彗星によって、生命に不可欠な複雑で大きな有機分子が持ち運ばれるのかもしれないのだ。

        この文章に対するレスだが?
        かもしれないじゃなく、証明されてるでしょ

        >それが太陽系だけでなく他の恒星系でも同様だと、なぜはじめから言えるのですか?

        そんなことは一言も書いていないが?

        • -4
        1. ※15

          なるほど、、、前後の文脈をすっ飛ばして、そこはいきなり太陽系限定の話としてお読みになったと。なぜ話が通じないのか納得しましたよ。

          地球またはその近傍で観察された隕石に有機物が含まれていたからといって、他の星系でも同じことが起こっている証左にはならない。太陽系が特殊な事例だという可能性も十分にある。

          この観測で、有機分子の存在が比較的ありがちなことが明らかになり、隕石が同様に運び屋となりうることも可能性が高くなったが、惑星の形成プロセス自体がまだ不明な点も多く、全く別の道筋を辿ることもありうる。

          生命の発生のきっかけが地球と同じとは限らないでしょう?(そもそも生命が宇宙でありふれたものかさえ判っていませんが)

          • +2
  3. 地球外生命って人類が見つけられないだけで実は宇宙のいたるところにいるのかもしれんね

    • +5
  4. そりゃ有機分子くらい宇宙の至るところにあるだろう。
    問題はカーボンワールドであろうがシリコンワールドであろうが核酸遺伝子であろうが、
    「自己触媒作用として自己複製できる高分子」が出来る確率だよ。
    RNAワールドを仮定するとその確率は全宇宙に1回有るかどうかになるという話があるけど、他の高分子だとどうなるのか誰か計算してみないかなぁ。

    • 評価
  5. それほど遠くない所に、いくつもの星系が今まさに誕生しつつあるということが驚き。

    もし生命の材料となる有機物が地球のものと近いなら、数十億年先に太陽系が死を迎えても、このいずれかの星に生命が宿った時、それは遠い親類がその血を受け継いでいくかのように感じます。

    • +2
  6. ひょっとしたら宇宙には地球よりもラッキーな環境だってあるかもしらん。
    少なくとも地球は一番最初に生命が誕生してから先確実に何度も大量絶滅を経験して、最短なら数億年くらいの所40億年掛かってるわけだしね。

    • 評価
    1. >>7
      地球みたいなのがポンポン並んでたりしたら壮観だろうな。
      むしろ地球こそがめちゃくちゃハードな場所で孤立してるアンラッキーな惑星なのかもしれない。

      • 評価
  7. チンパンジーと分岐した猿(アウストラロピテクス)が人間(ホモサピエンス:50万年前〜)になるまでたったの450万年しかかからなかった。ゆえに最初に宇宙(そら)へ昇ったのが人間だとは限らない。

    ちなみに恐竜の全盛期である白亜紀は約8000万年続いた。

    • +1
  8. ね?きちんと究明するほうがロマンがあるでしょ?

    • +1
  9. 小惑星の衝突によらずとも惑星の形成過程で様々な有機分子が混入してるはずですね。強い衝撃や熱に曝されて分解される恐れがないから地中で地球最初の生命が発生した可能性もある。

    • 評価
  10. 仮に目の前に居ても、人類には認識できない物質で構成された生命体だから、見えてないだけなんですよ。しらんけど。

    • -1

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