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マホトーンかな?米海軍が、頭を混乱させ会話を不可能にする非殺傷兵器を開発中

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(著)

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credit:WIKI commons
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 ドラクエのマホトーンのように、声を出せなくして敵の呪文を封じ込めるスキルは、直接的な攻撃力はなくても、戦場ではきわめて厄介なものとなる。

 アメリカ海軍では、これと似たような効果がある非殺傷兵器を開発中であるようだ。それを使っても話者が喋れなくなるわけではない。しかし声をエコーさせることで頭を混乱させ、完全に会話不能にしてしまう。

自分の声が遅れて聞こえてくる。遅延聴覚フィードバックを応用

 「AHAD(handheld acoustic hailing and disruption)」と呼ばれる会話阻害兵器には、吃音(きつおん。どもりのこと)の治療に使われる「遅延聴覚フィードバック」の技術が応用されている。

 吃音のある人の声をマイクで拾い、それをヘッドフォンから50~200ミリ秒ほど遅れて流してやると、症状が緩和されることがある。自分の声が遅れて聞こえると話しやすくなるのだ。これが遅延聴覚フィードバックだ。

 ところが、吃音のない人にはこれが逆効果となる。頭が混乱して話し方が変になったり、完全に話せなくなったりするのだ。

 オンライン会議などをよく行う人なら似たような経験があるかもしれない。ネットの遅延などで、自分の声がエコーのように遅れて聞こえてくると、何を話しているのかわからなくなってしまうはずだ。

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photo by iStock

敵の声を長距離マイクで録音し、スピーカーで声の上にかぶせる

 AHADはこの現象を応用して、ターゲットの会話能力を奪ってしまう。

 会話能力を封じたい人間が何かを話していたら、すかさずその声を長距離マイクで録音。その直後に声をスピーカーから流し、自分の声が遅れて聞こえてくるように仕向ける。

 AHADをさらに破壊的なものにするために、効果が発揮されるエリアをピンポイントで限定する指向性スピーカーの採用も検討されている。

 これを使うと、周囲にいる人にはエコーしている声が聞こえない。だから、すぐそばにいる人がAHADで混乱させられているなどとは気がつかない。

 狙われた人は、何かが変だと思っても助けを呼ぶこともできない。まったく恐ろしい兵器なのだ。

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public domain/wikimedia

戦場のコミュニケーション能力を剥奪する恐ろしい兵器

 なお、中には自分の声がループしても平然と会話できる人もいる。残念ながらそうした人にAHADは効かない。

 だが、そのような例外はいるものの、効く人には効果テキメンだ。戦場におけるコミュニケーション能力は決定的に重要だ。ゆえにAHADが戦況を左右することもあるかもしれない。

 この兵器が小型化され汎用化されれば、夫婦喧嘩が繰り広げられる修羅場を制するのに役立つかもしれないし、選挙で大声で演説している人を妨害することができるかもしれないが、それってちょっと違法かもしれない。

References:US Navy Develops Weapon That Could Make It Impossible To Speak

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この記事へのコメント 44件

コメントを書く

  1. これと同じ原理の玩具というかお手軽機材があるよね
    と検索をかけるとあった

    イグ・ノーベル賞に日本人 おしゃべり妨害装置
    2012年9月21日 9:59(日経新聞)

    ユーモアあふれる科学研究などに贈られる「イグ・ノーベル賞」の授賞式が20日、米マサチューセッツ州ケンブリッジのハーバード大で行われ、迷惑を顧みず話し続ける人を邪魔する装置「スピーチ・ジャマー」を開発した産業技術総合研究所研究員の栗原一貴さん(34)、科学技術振興機構研究員の塚田浩二さん(35)の2人が「音響賞」を受賞した。
    装置の名前は、妨害を意味する英語の「ジャム」と日本語の「邪魔」を掛けた。話している人の声をマイクで拾い、約0.2秒後に指向性スピーカーで声を本人に送り返す仕組み。普段、声は出すのと同時に自分にも聞こえるが、少し遅れて聞こえるようにすると、なぜかうまく話せなくなることが分かっており、この現象を応用した。スピーカーからの声は最大で約30メートルまで届くという。

    栗原さんらは「肉体的苦痛などがなく、発話をコントロールできる。音が直進するので、他の人に迷惑がかからない」と効用を説明。会議や図書館などでの利用が期待できるが「まだ実用レベルではない初期開発段階」としている。

    あれから8年後に米海軍で非殺傷兵器として採用されるとは

    • +14
    1. >>2
      イグ・ノーベル賞って、一見お馬鹿とか何の役に立つんだっていう物に見られやすいけれど、穿って見れば多くの基礎研究こそそうなんだよね。
      だからこそ馬鹿にならない、油断ならない、そしてシャレにならない。
      イグ・ノーベル賞の選定に困るような研究がもっと出てきてもいいのに。軍事転用可能な理論も除外せずに。

      • +10
  2. イグ・ノーベル賞 スピーチ・ジャマー

    で検索すると面白いよ

    • +7
  3. 「自分の声が遅れて聞こえてくる」って
    言うからいっこく堂みたいなもんかと
    思ったら違った。

    要はハウリングを使った兵器ってことだね

    • 評価
    1. >>4
      リモート会議でマイク死んだからマイクだけiPhoneで、耳はPCで対応してたら同じ状態になってしゃべれなくなったわ

      • +1
      1. ※18
        俺もなったことがある。
        スピーカーとマイクの位置が悪かったんだと思うが、
        相手のスピーカーが再生したこっちの発言を、さらに相手のマイクが拾ってこっちのスピーカーで再生。
        非常に気持ち悪い。

        • 評価
  4. >自分の声が遅れて聞こえてくる。

    いっこく堂さんですね、わかります。

    • +5
  5. マホトーン。メダパニもプラスした感じだろうか

    • 評価
    1. >>7
      混乱するならメダパニだと思うなあ。
      混乱した結果会話できないわけだし。

      • 評価
  6. イグノーベル賞のやつだよね。記事で触れてない理由はよくわからんけど

    • +2
  7. 新兵器を開発するのはいいけど中国にコピーされないようにしっかり管理して欲しいわ

    • -2
    1. >>9
      基礎理論は、オープンになってるし、製品については、既に商品化されてる

      まあ、軍事利用できる程の高出力は一般的じゃないけどね

      • +1
  8. ヘッドホンしてる相手には効果ないんだろ?

    • 評価
  9. 軍事より違法な街頭演説やデモの鎮圧に使えそうだね

    • +1
    1. >>13
      デモ隊を分散させる装置は既にある

      • +1
    2. >>13
      米国ではマイクロ波で軽く火傷させる奴がデモ用に作られてるし中露とかの非西洋的価値観の国は特に社会管理として軽く使える物になる。

      • +2
  10. スマホとか携帯でも相手がハンズフリーとかにしてるとなるときあるね。

    • +1
  11. スマホ2台あれば簡単に体験できるよ
    もう一方のスマホに電話をかけて
    両耳にそれぞれを当てて喋る

    • +1
  12. 海軍は、優秀なソナー員を育成するために、耳と音に関する研究をしているからな

    • +1
  13. エルラッドって音響兵器あったよな
    それの強化版辺り?

    • 評価
  14. 演説妨害かけたら即興ネタとしてカウンターされんかな。

    • 評価
    1. >>22
      既にその手の事案が過去に発生していて日本国内では選挙法違反で即時摘発対象

      この前もアメリカだったか、立候補者が演壇で演説中に市販されてる製品を使われて演説出来なくなり、演説を動画撮影していた支持者が動画をあげていた

      犯人は候補者の護衛に直ぐに取り押さえられてたな

      • +2
  15. 兵器の方向性がシフトして来たな
    人間には糞恐ろしいが自然環境にはマシなのかも

    • +3
  16. 音声のちょっとした遅れで混乱してしまうなんて脳の不思議だなぁ。
    そして逆にこれで改善される吃音。
    この現象を利用して脳機能解明や吃音の根本的治療法開発に役立つかも。

    • +1
  17. 戦術の幅がどんどん広がって行きますなぁ…

    • 評価
  18. >選挙で大声で演説している人を妨害することができるかもしれないが、それってちょっと違法かもしれない。

    気持ちはわかるが、ちょっとどころか明らかに違法だからなあ。
    でも日本なんかまだ平和ですわ。演説にヤジを飛ばしても無視される程度で済むけど、アメリカやブラジルでそれやったら支持者に何されるか分からん。

    • 評価
  19. フレクサトーンの音を鳴らすのなら平和で良いのに
    (ガンダムのニュータイプ音で有名なアレ)

    • 評価
  20. 関取A「あうあうあー?」
    関取B「あうあうあー!」

    (‘◇’) みたいなもんか。

    • 評価
  21. マホトーン
    初代から登場している補助系の呪文のひとつ。1グループの相手の呪文を封じる。
    ドラクエ8の戦闘中の会話によると、マホトーンを喰らった仲間が普通に
    喋っていることから相手の口を封じる呪文ではない。ただし、「ダイの大冒険」では
    漫画的にわかりやすくするためか、声を封じ込める呪文になっている。(pixiv百科事典)

    だそうです。メダパニの方が似てる?

    • 評価
  22. ウイルス兵器なんかよりもよほど平和的でええわ
    大型爆弾も中にヘリウムガス仕込んで炸裂したらみんなが高音で話し始めるとかにしたらもっとよいのに

    • 評価
    1. ※40
      ロデム、ロプロス、ポセイドン、あと?

      • 評価
  23. マホトーンは魔法を封じる呪文
    混乱させるのはメダパニ

    • 評価
  24. >敵の声を長距離マイクで録音し、スピーカーで声の上にかぶせる

    敵が「なんだこれおかしいぞ!?」って気付いた時点で長距離マイクで傍受されてる事が解ってしまうって事だよね。
    それなら、すぐに会話をやめられて筆談とかに切り替えられるじゃん。
    意味あるのかなこれ。

    • 評価
  25. 自分は吃音だけど
    これ使った事はないが話せるようになる人の気持ちが分かるような気がする。
    こんな環境だと誰でもどもって仕方ないと思えると気が楽になるんだと思う。
    だから静まり返った部屋よりも、煩い部屋の方がどもらず話しやすい

    普通の人にも分かるように説明できるか分からないけど
    明るい部屋よりも、薄暗い部屋の方が緊張しないでしょ?
    そんなイメージかなぁ

    • 評価

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