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世界初!培養肉製造工場がイスラエルにオープン。毎日ハンバーガー5000個分の肉を生産

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(著)

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 2040年には世界の肉の60%が人工肉に置き換わると予測されるが、そんな中、イスラエルで動物から採取した細胞を培養して作る培養肉の製造工場がオープンしたそうだ。

 その工場では、1日に500キロの培養肉を生産することができる。ハンバーガーで換算すると5000個に相当する量だ。

 培養肉工場をつくったのは、イスラエルに拠点を置くバイオテック企業フューチャー・ミート・テクノロジーズ社。同社は今、そうした培養肉を2022年にスーパーマーケットの棚に並べるべく準備を進めている。

増加する人口と食料問題

 世界人口は2050年までに90億人を突破する。それによる食料需要の増加を満たすためには、生産高を70%以上も増やす必要があるという。

 しかしこれを実際に行うのはそう簡単なことではない。耕作可能な土地や資源が限られているからだ。くわえて現在では、環境問題や動物の福祉といったことにまで配慮しなければならない。

 今、代替肉が大きな注目を集めているのは、こうした諸問題に対応しつつ、それでいて肉食を続けるための解決策かもしれないからだ。

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credit:Future Meat

現在の食肉に置き換わる代替肉の種類

 代替肉は主に2つある。1つは植物をベースにつくられるもので、これはインポッシブル・フーズ社やビヨンド・ミート社といった企業が開発している。

 そして、もう1つは動物から採取した細胞を培養してつくられるものだ。こちらの場合、動物細胞を培養器に入れ、生きている家畜が必要とするものと同じ栄養を与えて成長・増殖させる。そのため植物ベースのものと違って、基本的に正真正銘の肉だ。

 それでいて生産時に環境に与えてしまう負荷は、従来の食肉に比べて大幅に軽くなっている。たとえばフューチャー・ミート・テクノロジーズ社によれば、従来の食肉生産に比べると、温室効果ガスの排出量が80%少なく、使用する土地が99%少なく、さらに消費される水も96%少ない。

 また動物血清や遺伝子組み替え技術に頼ることなく、しかも従来の20倍の生産速度で、培養した鶏肉・豚肉・牛肉・ラム肉を生産できる。

 今回イスラエルの工場で作られるのはこの培養肉の方だ。

The World’s First Industrial Line for Cultured Meat

劇的なコスト低下の実現で大量生産が可能に

 かつては問題とされた生産コストも劇的に低下している。たとえば2013年に登場した世界初の培養肉バーガー「フランケンバーガー」は、たった1つで3000万円を超えた。

 しかし現在では普通の肉とさして変わらない。フューチャー・ミート・テクノロジーズ社は、鳥の培養胸肉としては世界最安値を掲げており、現時点で100グラムあたり4ドル(440円)。2022年中にはその半額にまで下げる予定であるという。

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credit:Future Meat

2022年にアメリカで販売予定

 培養肉産業は成長著しく、関連企業はすでに75社を超える。シンガポールでは世界に先駆けイート・ジャスト社がレストラン向けに培養鶏肉を販売しているが、その市場は2028年までに3億5240万ドル(387億円)にまで成長すると予測されている。

 今回のフューチャー・ミート・テクノロジーズ社については、来年中にアメリカでその培養肉の販売を開始する計画であるそうだ。

References:Future Meat Technologies Launches World’s First Industrial Cultured Meat Production Facility / Future Meat / written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 64件

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  1. 旨ければなんでもええで!応援しとるで!

    • +22
  2. まだわからないデメリットがあるかもされないけどサルモネラ菌などの細菌汚染がないのも利点だね

    • +21
    1. ※3
      そっか、食中毒事件で禁止というか
      かなり非効率な表面加熱処理をした中身じゃないと
      提供できなくなった生肉料理系も、
      培養肉だったら別規定を定める余地があるかも…?

      • +4
  3. 俺の食った某スーパーで買った人工肉は非常に微妙だった
    でも買うことで技術が進んでくれるのならいくらでも
    買って応援するぜ

    • +15
  4. イスラエルだったら緊急時の食糧として開発進めてそう
    現代版スパムになるかもしれん

    • +9
  5. まず確実に「美味しい」という評判が広がらないと普及しないよね

    • +1
  6. スーパーで大豆から作ったソーセージ買って食べてみたけど肉よりあっさりしてて物足りない感はあれど美味しく食べられてたから期待してる

    • +8
  7. 冷凍の御本尊があるから、
    マンモスの培養肉とかも作られるのかな?

    • +8
  8. 日本ですら深刻なのに向こうで地下水汚染は膨大な死人が出かねないし、広大な牧草地まで消費するから代替産業の育成は急務だわな
    汚染については書かれてないけど、実際にこの会社が言うように淡水使用量96%減らせるのならば、地球の未来とかでなく、明日飲む水の為に歓迎するよ

    • +14
  9. 単価下げるために培養肉を急速に大きくさせるのは成長ホルモンの大量投下だから、安ければ安いほど危険な肉になる

    日本でもブラジル産冷凍モモ肉が100グラム33円で買えるのだから、物珍しさで1回買ったら終わり

    • -12
  10. 一度は食べてみたいな。
    抗生剤やなんかはいらなくなる、機械の滅菌をすればいい(残留はあるかも)。
    ブラジル鶏で胸が大きくなるとかもない。

    味が均一なのもいい、♂♀年齢は同一、若いメスを使うだろう(タンクというかロットの差はあるだろうが各種条件がコントロールできるので小さいはず)。

    さらに今の肉は部位による差が大きい、Tボーンみたいに骨のそばが美味いとか、牛タンやテールなどよく使うとところが美味しいとか、あるいはブタの足は美味だけど腱とか多すぎる(ひき肉になります)。

    それがなくなるので大勢に出すスープとかシチューなど煮込みによいだろう。
    ただ焼肉好きにはつまんないかもね、選ぶ楽しみとか味比べできないじゃん。

    それとアナグマとか希少肉、美味しいけど流通しないものも作れる(極端にいうなら人の筋胞から作ることも可能)。

    あとは名前かな、ラボ肉とか、まあソイレント…でなきゃいいか。

    • +13
  11. 畜産肉と違い免疫などが存在しない培養肉の生産は大量の抗生物質とホルモン剤添加無しには不可能なので、その安全性評価が気になるところ

    更に言えば培養効率は細胞の癌化など異常が進むほど高くなるので、完全に加熱すれば良いのですが、あまり気持ちが良いものではありません

    • +1
    1. ※16
      日本で醸造の技術を応用してホルモン添加なしで培養する技術が開発されたらしい。
      ホルモン添加には数百万円とか高い費用が必要で製造費の大半を占めるらしいけど、開発された技術によりホルモン添加が不要になりかなり安く製造出来るようになるらしい。

      • +8
      1. >>40
        調べてみたらこれはカルネットシステムのことですね。ただこれも同様で、ホルモンが外部添加なのか共培養細胞由来かの違いでしかなく、食品としてどの程度の濃度が残留するかが安全性評価としては重要ですね。

        ホルモンに関しては加熱すればほとんど問題ないはずですが、カルネットシステムでも抗生物質は大量に使わなければならないので、その点も注視が必要です。

        • -2
        1. ※50
          調べましたが日本企業のもイスラエルの企業のも抗生物質は使ってないそうです。

          • +5
          1. >>52
            確かに調べてみると、抗生物質は必要ないと述べている記事がいくつも見られますね。自分の常識ではあり得ないことなので驚いています。

            今現在では市販の体外培養の培養液には標準で抗生物質は添加されていますし、大規模な細胞培養のそれも長期の体外培養で抗生物質を使用しないという系をいかに成立させているのか、非常に興味があります。

            • +3
  12. 虫嫌いで植物由来タンパク質もまずくてダメなんでこれに期待している。
    あ、医者に言われてるから脂質は少なめでお願いね。
    若い人用に脂質多めもよろしくね。

    • +9
  13. 「天然肉」が富裕層のための贅沢品になる未来がすぐそこまで来てるな。

    • +14
  14. 何れこれを義務化するよ
    畜産や狩猟や漁を全面に禁止して培養肉の使用を義務化する
    尤もその頃には僕が生きているかどうか・・・だが間違いなくそんな流れになるさ

    • -1
  15. 培養だと雑菌の問題解決できるから生食とか新しい食べ方のスタイルも広がるかもね

    • +10
  16. 人の肉ってそんなに美味しくなかったよ

    • -4
  17. 大豆で作ったビーフジャーキー(風味)は死ぬほど不味かったな
    植物ベースの人工肉は基本不味いと思う
    豆腐を肉の代替品にして作ったステーキみたいのとは別格に不味いんだよ
    培養肉は不安な部分もあるけど味的な意味では期待したい

    • +8
    1. >>22
      分かる。
      値段相応なんじゃないかな?ジャーキーは酷い物だったけどその後バーガーキングで植物性パティのバーガーを食べてみたらなかなか美味しかった。

      • +1
    1. ※23
      私は遠慮しておきます。そのうち特権階級かお金持ちしか本物の肉を食べられない時代を作りたいんだろうなあw

      • -2
  18. 培養肉でひざまくら作ったらどうだろうか

    • +2
  19. 大豆ミートの質も上がってきてるし屠殺というものが過去になるといいな

    • +8
  20. ディストピア飯めいててわくわくする

    • +7
  21. そのうち海産物も培養して粉末にしそう。
    なお、私は偶然ここでコメントしただけだ、いいね。

    • +3
  22. ユダヤ教は、食事にも宗教制限があるからな

    ヘブライ語聖書に「子ヤギの肉を、その母の乳で煮てはならない」という規定があるので、チーズバーガー(「ある動物種の親と子を同時に食べてはいけない」と解釈されている)や親子丼も食べられない。

    カシュルートという宗教規定があり、カシェル(ヘブライ語:כָּשֵׁר[2])またはコシェル(イディッシュ語:כּשר[3])は「相応しい状態」を示す形容詞で、ユダヤ教戒律に適合したものであることを示す。食物に関してカシェルと言えば、食物の清浄規定(カシュルート)に適合した食べてよい食物(適正食品)のことを指す。

    イスラエルでは、この宗教規定に沿わない食事を提供する店には、イスラエル人は行けない

    • +6
    1. >>28
      乳と肉を同時に食べられないのは確かなんだけど、世俗派はわりと無視してますね。
      一方で鶏と鶏卵の親子丼とか鮭とイクラの親子丼なんかはラビ(神父みたいなもの)によって解釈がまちまちで、どちらかと言えばオッケーに傾いてます。
      でも敬虔なヒトは牛肉食べた後次の食事までに牛乳飲まないし乳製品も摂らなかったりします。
      ユダヤ人も一枚岩ではないので、それこそ都心のテルアビブならとんこつラーメンのお店すらありますよ。

      • +6
      1. >>49
        あるけど、ユダや信者は行かないよ
        あれは外国人や他宗教向け

        • -1
        1. >>53
          イスラム教徒も行かないよね。豚肉食べないらしいから。

          • 評価
  23. 本物のビフテキが超ぜいたく品な銀河鉄道999とかの世界がすぐそこじゃん!

    • +11
  24. 人工肉を成長させるためのタンパク質は何使ってるんだか…

    • +6
  25. フォアグラみたいな育成過程を経て屠畜される臓器も培養できるのかな

    • +6
    1. ※31
      培養フォアグラは日本の企業が作ってる。2021年末には供給スタートする予定らしい。

      • +9
  26. すげー技術の進化してるんだな
    食べてみたいわ

    • +8
  27. ノロウイルスや貝毒の心配のない牡蠣も頼む

    • +10
  28. 必要な栄養が摂れて、ただちに悪影響でるような毒性がないなら何でもいいよ

    • +2
  29. 食料問題の最大の原因は穀物飼料
    アフリカの貧しい人に売るよりもアメリカの牛にトウモロコシを食べさせたほうが儲かる
    トウモロコシを食べる場合とトウモロコシで飼育した牛を食べる場合では養える人口が7倍も違う
    この技術で穀物飼料が少しでも減るなら良い事だと思う

    • +11
  30. 某CM調で にくいねぇ、イスラエル

    • 評価
  31. 彼奴等が開発してるのは、宗教的理由からだぞ

    • -3
  32. 「また人工肉かよ……たまにはホンモノの肉が食いてーぜ」まであと少し!

    • +8
    1. >>42
      その台詞を吐く若者に人工肉のおかげで食糧難を回避して動物を屠殺する罪悪感からも解放されたっていう昔話を何度も語り聞かせてうんざりさせたい

      あと漁業はどうなるんだろね

      • +8
    2. ※42
      そのうちホンモノの肉という概念が消えて、今でいう人肉食に対するのと同じような感覚になるだろうけどな。その時代の人間に今の食事出したら見た時点で問答無用で吐かれそう。

      • +3
  33. 互換食材は毎回だけど「カニですよ」「肉ですよ」と
    元ネタを決めてかからないで「新食材が誕生しましたよ」
    という触れ込みで比較対象なしで売り出せばいいのに。
    「がんもどき」って元々は肉をイメージして作られたんだけど
    もう元ネタを知らない世代だらけでおでん・煮物の
    エースパイロットとして信頼されているよね。
    肉ですよアピールしなくても美味しければ生き残れるって事。

    • +5
  34. いずれはオーガニック・ミートが高騰し、ディストピアめいた世界を形成するかもしれない

    • +5
  35. 隣人「あの、(培養した私の肉使った)肉じゃが作りすぎちゃったんですけど…」
    な事案が発生する日も近い

    • +5
  36. 通常の肉と同等の価格帯なら興味あるなあ
    加工肉や挽き肉なら抵抗も少ないし
    それで環境負荷が減らせるなら

    • +4
  37. いずれ畜産業に取って代わったら現存する家畜の何割かは絶滅しそうな予感

    • +3
  38. やっぱり培養してでも豚肉が食べたいという需要があるのかね
    聖書やコーランが書かれた昔には培養肉なんて概念はなかったわけだし解釈を巡って争いが起きたり工場がテロの標的になったりとかは勘弁

    • -1
  39. 飼料や水が少なくて済むのいいね
    日本が海外から輸入してる食肉も家畜を飼育する過程で大量の水が消費されてるし(たしか牛一頭を出荷するまでに500tとか)
    この技術が進歩すれば世界規模の水資源不足が進んでもお肉を食べ続けられるかもしれない

    • +5
  40. 純粋に興味から食べてみたい
    あと食肉に加工する過程で働いてる方の中には結構心的負担があって
    肉が食べられなくなる事もあると過去に聞いたことがあるので
    こういう肉が普及することで負担も軽くなるだろうし
    同様に生き物を加工して作るという事実が受け入れられないベジタリアンの方にもこれなら受け入れられるんじゃないかと言う期待もできるなあ

    • +3
  41. 豚バラの脂身が好きな人に救いはないのか?!

    • 評価
  42. イスラムさんには培養肉でも豚は豚なのかな

    • +1
  43. コーシェルうるさそうだもんなあ。ハラールよりうるさいだろあれ。
    その縛りから解放されたいってだけでも開発する価値ありそう。

    • 評価
  44. 30年後か・・・働き盛りから無理に食事のパイを奪うなら安楽死したいもんなんだが

    • -3

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