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たった3.8キロしか離れてないのに時差が21時間もある2つの島の不思議

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(著) (編集)

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 地球は自転しているため時差が生じる。東西に大きく広がるアメリカやロシアでは国内でも時差がある。

 丸い地球の裏と表になるような遠く離れた国では、一方が昼でももう一方は夜というように大きな時差が生じるが、隣接した緯度や同じ経度に位置する国であれば時差はほんのわずかだ。

 ところが、ロシアとアメリカの間にあるダイオミード諸島の2つの島は、互いの距離が3.8kmしか離れていないにもかかわらず、21時間(サマータイム時は20時間)の時差が生まれるという。

数キロの距離で21時間の時差を生む2つの島

 ベーリング海峡の中央に位置するダイオミード諸島は、大きいサイズのラトマノフ島(通称ビッグダイオミード島)と小さなサイズのリトルダイオミード島の2つからなり、両島の距離は3.8kmしかない。

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image credit:wikipedia.org

 しかし、両島の中間点にはアメリカとロシアの国境が存在するため、ラトマノフ島はロシア領、リトルダイオミード島はアメリカ領に属している。

 更にこの2つの島の間には国際日付変更線も通っていることから、ラトマノフ島はリトルダイオミード島よりも21時間(サマータイム時は20時間)早く時間が進んでいるのである。

 そのため、ラトマノフ島は「明日島(Tomorrow Island)」、リトルダイオミード島は「昨日島(Yesterday Island)」と呼ばれているようだ。

Two Islands in Two Countries, Two Miles and 21 Hours Apart

背景にロシアとアメリカの国境問題が関係

 わずか4キロ弱ほどの距離にありながら、なぜ両島の間に日付変更線が存在するのか。その背景にはアメリカとロシアの国境問題が関係しているようだ。

 現在、アラスカ州はアメリカ領だが18世紀はロシア帝国領土だった。戦争によりロシア側がアラスカ領土をアメリカに売却した。この時に成立した米露条約によりダイオミード諸島が2国の国境線に認定されたという。

 冷戦が始まると、かつてラトマノフ島側に住んでいた人たちは、ロシア本土に強制的に移住を命じられ、国境は閉鎖された。

 以降この海峡は、アメリカとソビエト連邦の国境を成し、「氷のカーテン」として知られるようになった。

 冷戦終結後に雪解けの象徴にもなったこの両島は、冬になると海が凍結して島の間に“氷の橋”ができるため最短距離で島を渡り歩くことが可能になるが、米露の国境が存在するため、実際にするとなると立派な違法行為になる。

 現在、ラトマノフ島には軍関係者が駐留しているのみだが、リトルダイオミード島の西側には先住民が100人ほど住んでいる。

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image credit: youtube

 その小さな島の集落には、学校や郵便局、商店はあるが、ホテルやレストラン、インターネットは存在していないと言われている。

ギリシャの聖人が島の名前の由来

 ダイオミード諸島という島の名前の語源は、ギリシャの聖人だった聖ディオメデスに因んで名付けられたそうだ。

 1728年8月16日、ロシアの探検隊を率いていたデンマークの航海士ヴィトゥス・ベーリングがダイオミード諸島を発見し、以降その日がロシア正教会で聖ディオメデスを祝う日になったという。 

 地図上では小さな2つの島に過ぎないが、深い歴史と興味深い事実が隠されているダイオミード諸島。

 TikTokユーザーらからは、「ラトマノフ島でお正月を過ごしても、お隣のリトルダイオミード島ではまだ去年になるんだね」「ラトマノフ島で『余命あと20時間』って宣告受けて、もしリトルダイオミード島に移動したらどうなるんだろう」「いつか2つの島を簡単に行き来できるようにならないかな。多分無理だろうけど」といった声が寄せられている。

@andrew_laub

Anyone wanna walk to Russia with me?

♬ original sound – Big Facts
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written by Scarlet / edited by parumo

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この記事へのコメント 46件

コメントを書く

  1. 島を行き来するだけで本当に過去にも未来にも行けてしまう…

    • +12
  2. 自分の居る位置にもよるけどちょっと移動するだけで、一日を21時間伸ばすことも、21時間スキップすることも出来るってこと?

    • +1
    1. ※3
      おっしゃってる通りです。
      ただ、時差 21 時間とありますが、生活感でいえば時差は 3 時間と考えるほうが簡単です。
      例えば東側の島にいるときには、こっちは日曜日でお昼ご飯食べているけど、あっちは午前九時で会社が始まるころ(ただし日付は明日月曜日)みたいな感じ。西側の島にいるときは、こっちは月曜日でお昼ご飯食べてるけど、あっちは日曜日の午後のおやつの時間みたいな感じ。だから現地の人の感覚では、生活時間がちょっとずれてるくらいで日付が違うという感じになってると思います。

      • +1
  3. 目と鼻の先で日付が違うところもあるしヘーキヘーキ

    • +4
  4. ああ、前から日付変更線のキワッキワはどうなってんだろうと思ってた
    ちょっとご近所に移動しただけで、昨日に逆戻りとか明日にワープとか
    やっぱりすぐご近所でも日付変わるんだな、おもしろい

    • +8
  5. 「時差が21時間」と聞くとあたかも実際に実時間的として
    それだけの時間差があるかのように感じてしまう。

    我々は言葉・記号によって世界を認識し、恣意的便宜的に
    切り分けてるんだということを改めて実感させられる。

    • +23
  6. 余命あと20時間は島渡りどころではない状態になってると思う…

    • +8
    1. ※7
      なんかこう、ドクターヘリとか…

      • 評価
      1. ※34
        日付変更線を越えた瞬間即死する患者

        • 評価
  7. 北極点とか南極点ってどうなるんだろな

    • +2
    1. ※10
      南極では基地ごとで時間が違います
      本国の時間に合わせてる基地もあるし補給基地の時間に合わせてる国もある
      つまり隣の基地でも時差があるって事ですね

      • +4
    1. ※11
      実際にゴルゴ13で時効差によるスナイプをやってるね

      • +1
  8. 年末年始は何か特別な事しないのかな

    • 評価
  9. 冷戦時代はやっぱピリついたんだろうか

    • +1
  10. 他国の領土を掠め取る事ばっかり考えてるロシア領と認めなければいい

    • 評価
  11. 全世界で協定世界時を使うようになれば人類はタイムゾーンの軛から解き放たれるんだがなぁ
    基準となる時間側をヒョイヒョイ動かそうとするのは機械化された現代文明にとって結構リスク高い行為なんだが
    人間の意識を変える方が柔軟性あるし適応力高いんだぞ、と言いたい

    • 評価
  12. 余命20時間なのは変わんないわよ、移動させることで死亡日時が違ってくるだけで。

    • +6
  13. ひょっこりひょうたんじぃ~~ま ひょっこりひょうたんじぃ~~まぁ~~~♪

    • 評価
  14. 日の出とかも変わるんならいいんだけどな

    • 評価
  15. 南極点の側なら、一歩あるくだけで23時間違うよ。

    • 評価
  16. まぁ良くも悪くも管理している国の標準時に左右されるからこういうことになるわな。
    島が両方とも独立していれば同じ時間か日付変更線が来るんだろうけどな。

    • +3
  17. ダイオミード諸島はその時差だけでなく、地形の特殊性が際立っていることでも有名。
    南東にあるロック島やキング島も同じで、氷河期の氷に削られほぼまっ平になっているのが特徴。
    まぁ、もっともシベリア海の島はほとんどそうなんだけど、この手の形状をした島としては最南端に位置しているかなと思う。

    • +1
  18. よくこんな所に住めるよな。俺なら便利な都会に行きたい
    2島間の交流が禁止されてるなら、特に問題はないんだろう
    新年に日付変更線の上で初日の出を見るのもオツかも

    • 評価
  19. アメリカに行った時に「僕は数時間後の日本からやってきました」って冗談言ってたの思い出した

    • +1
  20. 3.8kmで3時間も時差が違うの?
    24時間の時差じゃない、21時間なのが謎。

    • 評価
  21. 時差は経度に沿って区切られていないところがあって、ホノルルとアンカレッジはほぼ同じ経度なのに時差がある。
    ここも時差は1時間で良さそうなものなのに3時間もある。

    • +3
  22. ロシアの国境警備隊が暮らす島では、一年中、ハロー注意報だな

    • 評価
  23. フィジーからクック諸島のラロトンガまで飛行機で3時間くらいなんだけど日付変更線をまたぐんで昨日に戻る
    俺は誕生日をフィジーで祝い、翌日にラロトンガへ飛んだから誕生日を2回経験したぞ

    • +2
    1. ※35
      それはお得でしたね。
      でもラロトンガ→フィジーの時には一日飛ばしちゃったでしょ。
      私は、日本→シアトル→サンフランシスコ→日本で、日本を発ったのがある日の 20 時頃でシアトルに到着が同じ日の午前 10 時頃でしたね。帰国したときに一日トんじゃったから、 1984 年の 7 月のある日は私の人生には存在しておりません。

      • 評価
  24. なぜそんなところで暮らしているのか興味深い

    • 評価
    1. ※37
      何故というか、どんな僻地の島にもたいてい原住民はいて
      たまたま大国の理論で国境線が引かれちゃっただけじゃないの?

      • +2
  25. >1728年8月16日、ロシアの探検隊を率いていたデンマークの航海士ヴィトゥス・ベーリングがダイオミード諸島を発見し、以降その日がロシア正教会で聖ディオメデスを祝う日になったという。
    発見した記念に祭日になった?逆じゃないの?と思ってググったけどやっぱ逆じゃないか

    • 評価
  26. 「よしよし、約束の10分前に着いたぞ」「ふざけんな阿呆!こっちは昨日からほぼ一日待ちぼうけだぞ!」

    • 評価
  27. 余命20時間・・
    処理が面倒くさいので、パスポート発行されず渡航禁止。

    • 評価
  28. 人間が勝手に決めたことで実際にはなにも変わらないんだろうなぁ

    • +1
  29. あそこの島のことだな、と思ったらその通りだった
    でも僕にとっての新情報もあったので、読んで損ではなかった
    ダンケ

    • 評価
  30. 日付変更線をまたぐので23時間違うというのなら分かるんだけど、21時間と半端なのは厳密に経度に合わせているのでなくシベリア標準時とかアラスカ標準時とかに合わせている結果なんでしょうね。

    • 評価

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