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「僕の親が犬をいじめています。誰か助けてください」子供が置き手紙と共に見知らぬ人に犬を託した思い(メキシコ)

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(著) (編集)

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少年が親にいじめられている犬を手紙と共に公園のベンチへ:Mascotas Coyoacan/Twitter
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 公園のベンチに、1匹の犬が鎖につながれて捨てられていた。犬の傍には子供が書いたらしき手紙が添えられてあり、その犬が子供の両親から虐待を受けていたことが綴られてあった。

 その犬は7時間ほどそこに繋がれていたが、運よくその犬を保護施設のスタッフに保護された。子供の悲痛な思いを察し、人間に怯える犬が再び心開くことができるよう、懸命に訓練と世話を施された。

 その甲斐あって犬は心を開くようになり、現在は永遠の家を探しているところだという。

手紙と一緒にベンチに鎖で繋がれて捨てられていた犬

 メキシコの首都メキシコシティにある動物保護施設『Mascotas Coyoacan(マスコタス・コヨアカン)』に、「公園のベンチに犬が鎖で繋がれて、捨てられているようだ」と連絡が入ったのは、昨年11月のことだった。

 目撃した近所住民によると、犬(生後7か月)は朝8時頃からずっとそのベンチで繋がれていたという。

 午後3時頃に連絡を受けた同施設のマルセラ・ゴールドバーグさんは、「もう誰かに保護されているかもしれない」と思いながら現場へと駆け付けた。

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image credit:Mascotas Coyoacan/Twitter

 ところが、犬はまだベンチで繋がれた状態にあり、気の毒に思った近所住民らが犬に餌や水を与えようとするも、犬は唸り声をあげて威嚇し、攻撃的な態度を露わにしていた。

 そこでマルセラさんは、急きょ犬の訓練士にビデオコールをし、対処法を尋ねることに。結局、鎖を外すまでに2時間を費やしたが、マルセラさんは犬が乱暴な性格ではなく、ただただ人に怯えていただけなのだとわかった。

 犬が繋がれてあったベンチの上には、スペイン語で書かれた手紙があり、このように綴られていた。

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image credit:Mascotas Coyoacan/Twitter

『こんにちは。僕はマックスといいます。お願いします、僕を飼ってください。』

どうか、この子犬を飼って世話をしてあげてください。僕の犬をここに残すのはとても胸が痛むけれど、僕の家族はいつもマックスに酷いことをしていて、僕はマックスが苦しんでいるのを見るのはとても辛いんだ。だから、悲しいけれどマックスを手放す決心をしました。

これを読んだあなたが、マックスのことをかわいそうに思ってくれたら、どうか迎え入れて大事にしてあげてください。もしあなたが飼えないなら、他の人がマックスを引き取れるように、このメモを元の場所に残してください。ありがとう。

マックスからボストンへ生まれ変わった日

 子供とわかる筆跡で書かれたその手紙からは、大好きな犬を手放さなければならない悲痛な思いが伝わって来た。

 マックスが置かれていた状況に胸を痛めたマルセラさんは、なぜマックスがここまで人に激しくおびえるのかを知り、気の毒な状況で遺棄されてしまったマックスにボストンという新しい名をつけた。

 ボストンの保護は急なことだったため、施設側はボストンを迎え入れられる適切な一時預かりの里親を見つけることができなかった。

 しかし、急きょ借りられることになった車庫にボストンを連れて帰り、マルセラさんはその夜、ボストンに少しでも心を開いてもらおうと一緒にいることにした。

 すると時間が経つにつれ、ボストンはマルセラさんに近寄り、愛情を求める仕草を示すようになった。

 ボストンが自分には危害を加えないという自信を持ったマルセラさんは、ボストンを抱きしめて頭を撫でてやると、ボストンはずっと寄り添っていたという。

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image credit:Mascotas Coyoacan/Twitter

 マルセラさんは、その後1週間ボストンと一緒に時間を過ごすうち、ボストンが女性より男性に恐怖心を抱いていることを感じ取った。

 ボストンが人間に再び心を開くようになってほしいと、マルセラさんは愛情とやさしさを持って接し続け、6日間ボストンを訓練学校にやり、基本の躾を覚えさせた。

 その頃には、ボストンは生きることは痛いことだけじゃない。楽しいこともあるということを感じることができるようになっていたようだ。

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image credit:Mascotas Coyoacan/Twitter

 その後、養子縁組のテストとして、ボストンに興味があるという人物のもとへ一時引き取ってもらう手続きをした。

 ところがあいにくその飼い主が飼っていた他の犬たちとうまくいかず、ボストンは24時間以内にマルセラさんのもとへ戻されることになった。

虐待を受けていたボストンは、今人への愛情をとても求めています。飼い主の女性が他の犬たちに愛情を注ぐことが耐えられなかったようです。

愛情を独占したいという態度が露わに出てしまい、仲間の犬たちと仲良くすることができなかったのです。(マルセラさん)

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image credit:Mascotas Coyoacan/Twitter

今もボストンは永遠の家を探し中

 マルセラさんは、ボストンに他の犬たちも上手くかかわりを持てるように訓練を受けさせた。

 現在ボストンは、14匹の犬を世話している仮里親の男性のもとで暮らしているという。

ボストンは、今父親と一緒に住んでいる男性の家で一時的に預かってもらって暮らしています。

動物好きな彼らはボストンを見て一目で気に入ってくれたようで、ボストンのことを本当に可愛がってくれています。ボストンもその仮里親の男性が大好きのようです。

最初に保護した時と比べて、ボストンはとても変わりました。ボストンはもう人を恐れてはいません。自ら人に近付くようにもなりました。

エネルギッシュで遊び好きで、人の愛情をたくさん欲しています。できれば子供がいてボストンとたっぷり遊んでくれるような家に引き取らってもらえたらと。

今はコロナで養子縁組の手続きなども容易ではないですが、ボストンに早く永遠の家が見つかることを願っています。(マルセラさん)

written by Scarlet / edited by parumo

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この記事へのコメント 39件

コメントを書く

  1. そんなクズ親の元で暮らしているのに優しい心を失っていない人間の子も酷い目に遭っているのでは無いかと心配になる。子供の足で犬を連れてこられる範囲だし、近所の人もわかる人にはわかってそうだな。

    • +108
  2. うーん
    何はとも

    幸せな家族に引き取られたようで良かった

    • +3
  3. ちゃんと保護されて良かった
    マックスが幸せになれたことが元の飼い主の子に伝わると良いな

    • +17
  4. 保護されたまでは知っていたけれど、いまも家族探し中だったのか

    • +4
  5. これがニュースになって犬の写真と手紙がネットでバズったら
    それを見た家族に子供のしたことがバレて
    今度は子供が家族から虐待されるとか、ならなければいいが・・・

    • +43
  6. 犬虐待する人間は子供も虐待してそうだけどな

    • +51
  7. 両親って書いてあるけど、手紙には「家族」としか書いてなかったから、兄って可能性もあるよね。メキシコなら子だくさんで、年の離れた兄がいてもおかしくないし。栄養状態は悪く無さそうなんで、個人的には兄がイタズラするのを見るに見かねた弟が逃がしたと言う方が、しっくりくる。
    父親か兄か、いずれにしても男の家族が虐待をしていたとしたら、その鬱憤がこの子に向かわないといいんだけど。

    • +43
    1. >>8
      どうでもいいけど何故「男」の家族に限定する?
      子供や動物を虐待する女も決して少なくはないよ

      • -25
      1. ※23
        確かにね。
        「マルセラさんは、その後1週間ボストンと一緒に時間を過ごすうち、ボストンが女性より男性に恐怖心を抱いていることを感じ取った。」
        この文章で、男性だろうって思ってしまったんです。もちろん何故か知らないけど男性には恐怖を抱くけど、実は女性に虐待されていたっていうこともあるかもしれないですね。

        • +18
      2. >>23
        ちゃんとこの記事を読んだ?
        犬は男性に対し恐怖心を示していたと書いてあるよ
        女も虐待するって言いたいだけなら然るべき場所でどうぞ

        • +28
      3. >>23
        記事内に女性より男性に恐怖を覚えていると書かれていたからでは

        • +26
  8. “子供とわかる筆跡で書かれたその手紙からは、大好きな犬を手放さなければならない悲痛な思いが伝わって来た”

    犬猫捨てる奴が「なるほど!この手でいこう」とマネしそうだな、
    と思った自分はやっぱり心が汚いんだろうな

    • -15
  9. 犬ってさー…
    人間の事好きだから狼から犬になって人間と暮らして来たんだよね…
    猫は人間の愛がなくても野良猫として強かに生きてるけど
    犬は人間に愛されないと本当に淋しそうで悲しげでね…

    • -7
  10. ちょっと待て
    子供は?子供のほうが心配だぞこれ
    ターゲットが変われば危険なのは
    子供だぞ

    • +31
    1. >>12
      子供自身はそれ覚悟の上でやってる。
      「やさしい」人は駆逐されやすい人間社会ってなんだろな…

      • +19
  11. マックスはマックスのままで幸せになってほしかった気もするんだけど
    虐待されてた犬に別の名前を付けてあげるのはデフォなんかな?
    辛い体験を名前で思い出させないようにするとか?

    • +12
    1. >>13
      虐待されてた人間の子供の名前を変えるって話は聞いたことないもんなw
      まあ、綺麗事言っても所詮はモノなんだと思うよ?
      お気に入りのモノには自分が気に入った名前をつけたいんだよ

      • -29
      1. ※30
        言語が違って人間の理屈が通じない動物にとって、その言葉(名前)がより恐怖や痛みの記憶と結びついて苦痛を繰り返させることは珍しくない。
        あと、名前を変えるのは生まれ変わるって意味でこれからの幸せを願うことにもなる。
        モノ扱いしたいからとしか思えないあたり、ものを考えない人生を送ってきた寂しい人なんだね。

        • +7
  12. コロナで大変だろうけど、一刻も早く安定した環境に置いてあげてほしい…。
    優しい人たちとはいえ、たらい回しにされるのは心が痛む。
    虐待なんて問題外だけど、心を開いた相手が次々居なくなるのも可哀想だよ…。

    • +12
  13. マルセラが飼うべきでしょ
    何やってんだこの女

    • -50
    1. >>16
      マルセラさんは
      期間限定だけど責任を持って助けようと行動しているどこがいけないの❓
      最初の里親の縁組は上手くいかなかったけど
      長期間の保護活動してくれる人に
      バトンタッチしただけじゃん

      • +17
    2. ※16
      何もしない人間が偉そうに言うことじゃないね。

      • +10
    3. ※16
      犬が幸せになるように皆が努力しているのに、虐待を非難せずに優しい人を非難するのは道理がなさすぎる。

      • +9
    4. >>16
      ならお前はこの犬のために何かできるのか?
      何もできないならお前に非難する権利はないな。

      • +3
  14. 心優しい子が犬の変わりに標的にされたりせず、優しいまま成長して幸せな人生を送れますように

    • +11
  15. いい話だけどこの場合はネットニュースにしないべきだよ。これを家族や、知り合いが見っけたら次の虐待の標的にされるのはこの子かもしれないのに。

    • +3
  16. 子供はまともに優しい精神の持ち主で助かったね
    でも、クズ親の元でまともな子供ってことは、その子供は大丈夫なのかな
    虐待を心配してしまう。犬を虐待する人間が小さな子供を虐待しない補償はない
    その子が優しいまま大人になって幸せになれますように

    • +17
  17. 親がしてる事は正しい事だと信じがちなのに頭が良い子なんだねぇ…

    • +8
  18. 犬を虐待するような家にいるこの子大丈夫なのか?逃したなんて知られたらこの子供が虐待されるんじゃないのか…?

    • +10
  19. なんでマックスのままじゃダメなの?虐待されてた時のこと思い出すから?

    • -6
  20. 経験的に子供も虐待を受けてると思う
    一番弱い犬に矛先がいっていたのだと
    これだけ犬を思ってるってことは将来に禍根を残す可能性が高い

    • +3
  21. これ子供もバレたらただじゃすまなさそうな親なのによくやったな

    • +6
  22. 犬好きな人ならいいけど自分のように犬に対してトラウマあって苦手意識持ってると見ただけで吠えられる噛まれるかもと逃げちゃうわ

    • -1

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