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ミツバチが女性を救う。毒に含まれる物質が乳がん細胞を破壊することが判明(オーストラリア研究)

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ミツバチの毒が乳がんの治療に効果 / Pixabay
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 自然界ではミツバチに様々な恩恵を受けている。受粉をすることにより植物の成長を助け、ミツバチの受粉した草は動物たちの餌となる。蜂蜜は人間にとって天然の薬となる。

 そんなミツバチに更なる効果があることが判明した。西オーストラリア大学の研究グループによると、ミツバチの毒は、乳がんを治療する「超強力」な治療薬として有望なのだそうだ。

ミツバチの毒に乳がんを抑制する効果が

 植物の受粉を助ける「セイヨウミツバチ」(学名 Apis mellifera)は、農業にとって欠かせない存在であるだけでなく、ハチミツ、プロポリス、ローヤルゼリーといった素晴らしい恵みをももたらしてくれる。

 刺されるとチクリと痛いのが玉にキズだが、ハチ毒の主成分は「メリチン」。アミノ酸が26個つながったペプチドで、毒の乾燥重量の半分を占めている。

 これまでハチ毒もメリチンも、悪性黒色腫、非小細胞肺がん、グリア芽腫、白血病、卵巣がん、頸部がん、膵臓がんといったさまざまな腫瘍に対して、治療効果や成長・転移抑制効果があることが示されてきた。

 乳がんに対する抗がん作用も研究されてきたが、今回の研究では、特にメリチンが乳がんを抑制するメカニズムが明らかになった点が重要であるという。

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予後の悪い乳がんに超強力な抗がん作用をもたらす

 乳がんにはホルモン受容体の有無、HER2(糖タンパク質の1種)の有無によっていくつかサブタイプがある。

 研究グループによると、メリチンは長期的には治療に対して耐性をもってしまう「HER2陽性」の乳がんや、特に予後が悪いとされる「トリプルネガティブ」の乳がんに対して強力な治療効果があるという。

 60分以内にがんの細胞膜を完全に破壊することができ、素晴らしいことに健康な細胞にはほとんど傷がつかない。選択的かつ速やかに乳がん細胞を死滅させるその威力は、研究者が「超強力」と評価するほどだ。

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 特に重要な発見は、メリチンを投与して20分もすると、がん細胞が増殖するために利用している主要なシグナル経路を阻害するようになることだ。この作用のために、がん細胞の成長が抑制される。

 トリプルネガティブの予後が悪いのは、がん細胞に治療の標的となるホルモン受容体もHER2もなく、治療薬が限られてしまうことに加えて、増殖能力の高いものが多いことが理由だ。

 しかし、メリチンのシグナル経路阻害作用のおかげで、トリプルネガティブに対しても強力な治療効果を発揮することができる。

合成メリチンと既存の薬で更なる治療効果を期待

 研究グループはすでにメリチンを合成することに成功しており、それが天然のものと同じように乳がん細胞を殺してくれることも確認されている。

 またその主な作用の1つは、がんの細胞膜に穴をあけることなので、これによって既存の薬剤が細胞内に進入しやすいようにして、さらに治療効果を高められないか研究が進められているところだ。

 マウスを使った実験では、ドセタキセル(抗がん剤の1種)と併用することで、悪性度が高いタイプの乳がん細胞にきわめて効果的であることが判明しているそうだ。

この研究は『Nature Precision Oncology』(9月1日付)に掲載された。

References:abc / newatlas/ written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 28件

コメントを書く

  1. 人類はミツバチを人類の傍に置き続けるための努力が必要だよ

    • +40
  2. 養蜂やってる人のガン罹患率知りたいね
    蜂に刺されてる回数も一緒に

    • +9
    1. ※3
      3年ほど趣味で養蜂やってた間に10回ほど刺された不惑の人間だけど、過去に刺されたことが以降の癌発生率にどれだけ影響するのか自分でも知りたいです…
      毒のお守りが長く続いてくれるといいんだけど

      • +2
  3. 人類側にとっては必要な存在だし、積極的に保護して行かないとね
    蜂蜜側にとっては迷惑かもしれないが…

    • +10
    1. >>5
      蜂蜜を餌に受粉を助けてもらっているのだから迷惑なことじゃないよ。

      • 評価
  4. みつばちに刺されるとどれくらい痛いんだっけ?
    こないだ10年ぶりにアブに刺された時は電気が走ったかと思うくらい痛かった。。。

    • +1
    1. >>6
      バイクに乗ってたら不意にアゴに、イテェー!となった。そのままコンビニまで走り、バイクを降りるとポロリとミツバチの死骸が。痛いは痛いがフツーに走り続けられるほどの痛さ。

      え?わかりにくい?

      • +1
      1. ※10
        オープンフェイスのヘルメットかぶってバイク乗っている時に信号待ちで
        シールドの内側にスズメバチが入ってきたことがあるな。やばかったけど
        すぐにミツバチが出て行ったので刺されなかった。

        • +1
        1. ※12
          スズメバチは出ていってなくて草

          • +3
    2. ※6
      私は刺されること自体にはそんなに痛みを感じない(安全ピンを血が出ない程度にちくっとする程度)けど、そのあと2週間ほどは広範囲に腫れて(指を刺されても肘くらいまで腫れる)、灼熱感を伴う痛み、痒みが断続的に続きます。
      なので、刺されることそのものよりも、毒の影響の方が辛い…

      • +2
    3. ※6
      アブはぶっとい針で物理的な痛さが強いけど
      蜜蜂は瞬間的な痛さは強いけど細い針で爽やかな辛さっぽい痛み
      アシナガバチの方が鋭く強く痛いかな
      スズメバチは太いし重くて熱い感じがします
      言葉で表現て難しいけどね

      • 評価
  5. ホント薬ってどっから見付かるか判らんな
    研究者の目の付け所にも脱帽する

    • +7
  6. この手の話が実用化に至った記事は見たことないけどな

    • -4
    1. ※11
      製品化されれば専門誌には乗りますよ
      一般人に対してのニュースバリューがないから記事にしないだけ
      乳がんについては定期的に話題になるので
      製品化されたのちには「こんな治療法もあります」と
      紹介される可能性はありますね

      • +10
  7. 昔、蜜蜂の毒は肩こりに効くと聞きました

    • +1
  8. アインシュタインの蜜蜂のなんたら(原文書くと弾かれるやつ)。
    蜂毒の成分もブレンドだからそのままは使えないようだね。
       takamidai-clinic.com/?p=44408
    でもでも早く実用化しないかな、昔付き合ってあの子はもう居ないけど、これがあれば違う未来もあったかも…

    • +3
  9. スズメバチの毒の方が効果あるように思える

    • -1
  10. 家族が今まさに乳癌
    この治療法が実現される日が早くきてほしい

    • +10
  11. ミツバチって毒針使うと死んじゃうよね。
    生きたまま毒を採取してるのかな?
    それでないと、不憫だ。

    • 評価
  12. 毒と薬は紙一重って言うけど、薬として利用できるようになったらいいね。
    この調子でスズメバチや蛇とかの毒も薬としての新しい効能が見つかったりして。

    • +1
  13. 今回のミツバチはまだこの世界に存在しているけど、今回のようになにかの生物が人類の病の特効薬になる、とわかった時にもうその種が絶滅していた…なんてことにならないためにも生物の多様性を保護していかないといけない

    • +5
  14. ミツバチだけでなく他の生物全体のことが考えられなければ万物の霊長とはとても言えない。

    • +3
  15. トリネガの自分には朗報。実用化に期待

    • 評価

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