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我々の骨は宇宙由来。カルシウムたっぷりの超新星が放つX線の観測に初めて成功

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(著) (編集)

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人類の骨は爆発した星が起源 / Pixabay
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 我々人類の歯や骨に含まれるカルシウムはもちろんのこと、この宇宙にある全カルシウムの半分は今際の際にある星が吐き出したものだと言ったら驚くだろうか?

 その爆発のことを「カルシウム過剰超新星(calcium-rich supernova)」という。非常にまれな現象で、その性質やカルシウムを作り出すメカニズムなど分からないことは多い。

 だが、このほどノースウェスタン大学(アメリカ)をはじめとする国際研究グループが、史上初めてカルシウム過剰超新星が放出したX線の観測に成功したそうだ。それは星の一生の最後の日々を目撃することができた稀有な機会だった。

アマチュア天文学者によって発見された超新星

 「SN2019ehk」と命名された超新星を発見したのは、アマチュア天文学者のジョエル・シェパード氏だ。

 2019年4月28日に地球から5500万光年離れた渦巻銀河「M100」を観測していた彼は、その翌日、望遠鏡の中に明るいオレンジ色の点が出現したことに気がつき、すぐさま天文学者のコミュニティに報告。

 こうしてNASAのガンマ線バースト観測衛星、スウィフト、ハワイのケック天文台、カリフォルニアのリック天文台など、世界各地の望遠鏡がその光へ向けられることになった。

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超新星「SN2019ehk」のイメージ図 image by:Aaron M. Geller / Northwestern University

超新星爆発より大量に放射されたカルシウム

 一時的な現象の観測は時間との勝負である。幸いにして、天文学者たちの動きは迅速で、爆発から10時間後には超新星の観測が開始された。X線を検出したのはスウィフトで、それは5日ほど検出され、その後は完全に消失したという。

 観測からは、カルシウム過剰超新星が一生の最後の段階で外側のガス層を捨て去ったコンパクト星であることが明らかになっている。

 この星が爆発したとき、その物質が外殻のルーズな物質と衝突し、明るいX線を放出。また、このときの高温と高圧によって化学反応が起こり、カルシウムが作られた。

 なお検出されたX線は、予想よりもはるかに明るいもので、従来の理論の中に、これほど明るいX線波長が放出されることを予測したものはなかったそうだ。

 あらゆるカルシウムは星に由来するが、カルシウム過剰超新星はそれが特に多い。一般的な星ならヘリウムを燃焼させながら、ゆっくりと少量のカルシウムを作り出す。一方、カルシウム過剰超新星は、ほんの数秒で膨大な量のカルシウムを放出する。

 なにしろ、SN2019ehkというたった1度の現象によって放出されたカルシウムは、天体観測の歴史の中で観測されてきたほとんどの量を占めるほどだ。単なるカルシウム過剰というよりも、まさに過剰の中の過剰だったのだ。

 研究グループによると、超新星はどうにか温度を下げようとして、エネルギーを逃す手段を求める。カルシウムの排出はそのために効率なのだそうだ。 

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ハッブル宇宙望遠鏡によるSN2019ehkの画像。爆発前と爆発後の画像を合成したもの

image credit:NASA-ESA Hubble Space Telescope

ガスの外層を捨て去り最後の日々を送る「SN2019ehk」

 つかの間の明るさからもう1つ判明したことがある。それは最後の日々を送るSN2019ehkは、ガスでできた外層を脱ぎ捨てていただろうことだ。

 明るいX線バーストは、この星が爆発して、その物質が外層と衝突したことで生じたものだ。

 その光度からは、星が捨て去った物質の量、ならびにそれらと星との距離を推測することができる。今回の場合は、爆発の直前に星はごく少量の物質しか失っておらず、それでいてそれらは相変わらず近くにあっただろうことが分かっている。

 ハッブル宇宙望遠鏡は25年間もM100を観測してきたが、今回の超新星を引き起こした星は発見されていない。このこと自体もまた超新星の性質を知る手がかりとなるという。

 高性能な望遠鏡ですら発見できなかったということは、超新星を引き起こした星が非常に薄暗い「白色矮星」だった可能性が濃厚であると考えられるそうだ。爆発がなければ、おそらくその存在を知られることのなかった目立たない星だったということだ。

この研究は『The Astrophysical Journal』(8月5日付)に掲載された。

SN 2019ehk: A Double-peaked Ca-rich Transient with Luminous X-Ray Emission and Shock-ionized Spectral Features – IOPscience
https://iopscience.iop.org/article/10.3847/1538-4357/ab9e66

References:phys/ written by hiroching / edited by parumo

本記事は、海外の記事を参考にし、日本の読者向けに独自の考察を加えて再構成しています。

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この記事へのコメント 21件

コメントを書く

  1. >>>超新星はどうにか温度を下げようとして、エネルギーを逃す手段を求める

    なんか星に意思があるみたいな書き方だね。実際はカルシウムが排出される過程でエネルギーが逃げるので温度が下がるんだろう。因果関係がめちゃくちゃだよ。

    1. >>2
      超訳でこれをやらかすような訳者だったら記事そのものの信憑性がゼロになってしまうから、流石にそれはないと思いたい。

      向こうでは科学者のインタビューも結構フランクにやることが多いから、発言した科学者が冗談抜かしてなんか適当に言ったと思うよ。

      これよりもハッとしたのが「カルシウムの半分が超新星爆発でできた」ところ。なんとなく金属は重いというイメージがあるから、重い元素は超新星爆発で作られたのと結びついて「全部じゃなくて半分?」って引っ掛かったけど、よく考えたらカルシウムは普通に軽かった。

  2. 宇宙由来って言ったらその通りなんだけど、
    カルシウムに限らず自分の体を構成する全ての元素が星の大爆発の中で生まれたと考えるとなんかこう…なんとも言えないよね

    1. ※3
      わしらの代は、ビッグバンから数えて第三世代らしい。
      どこで読んだか忘れたのでソースは書けない、スマン

  3. 「牛乳に相談だ」のCMも
    「宇宙に相談だ」に変えると
    めっちゃ壮大なスケールになるな。

  4. まぁ水素以外は全て宇宙由来ですけどね
    太陽系も数期程超新星を繰り返した末の現在で、
    そうした核融合反応が今我々生物の元素の素だし

    なにも特別なことはない
    我等の体は元々太陽みたいな恒星だったのさ

  5. 現在活動中の太陽さんですら水素を結合させるので精一杯だからね
    超重力の地球内部でも鉄までが限界でそれ以上に重い元素は全て今は無き星々の爆発等の激しい現象によって生み出されたもの
    我々の体の中には重金属等もわずかに含まれるのでそれらは全て宇宙からの贈り物

    1. >>7
      地球さん核融合できるほど圧力ないので鉄もなにもできません(´Д`)

      太陽さんは爆発間際に鉄ができます
      でも超新星まではいかないのでそこまでですわ

  6. いや、我々の体を構成する元素の殆ど100%元をたどれば宇宙由来ですが…

    1. ※8
      人間って何故か自己と宇宙を別個に考えるフシがあるけど、
      僕らも宇宙を構成している一部、宇宙自体なんだよね。
      路傍の石ころも、オールトの雲の石ころも変わらない。

  7. 複雑・知的生命体に必要なのはエネルギーを引き出しやすい元素
    特に酸素などが必要になる
    酸素は本来毒性を持っているため初期生命体は酸素を忌避して海中に漂うのみだった
    だがこの酸素を利用できるようになると飛躍的な進化をもたらすことになった
    地球以外の生命体にも酸素を利用する知的生命体が存在するはず

  8. 純粋な元素ってほとんどが銀色の金属の様な物になるんだろう?
    カルシウムだって例外じゃない
    我々の体は鉱物から湧き出た素材で構成されている

  9. 中学校の教科書レベルでも原初の宇宙で元素がどうやって生まれたかとか解説されてるじゃん

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