
これらの超新星は、地球から数百光年離れたところにあり、地球の生物を全滅させるほどの影響力はなかったが、その爆風はわたしたちの祖先に少なからず影響を与えたようだ。これは人類の祖先ホモ・エレクトゥスが木から地上に降り立った時のことである。 カンサス州トピーカにあるウォッシュバーン大学のブライアン・トーマスらは、このふたつの超新星爆発は、地球内生物全てに影響を及ぼし、我々人間の先祖もその行動様式や体質が変化した可能性があるという。
爆発の激しい光による生物への影響

実際、このように地球に近い超新星の最初の爆発後、満月と同じくらいの明るさが昼も夜も一年近くも続いたら、生物の体にさまざまな光害を及ぼした可能性がある。これは、人工的な光が野生動物に及ぼす影響の研究を見ればよくわかるという。
「月の光を、生きる指針として利用する生物もいる」とトーマスは言う。「例えば、交配、分裂、産卵のタイミングや、食べ物をあさるようなこともそうだ。光の影響は、生物の定常的な行動プロセスをめちゃくちゃにしかなねない」
睡眠ホルモンへの影響

ここでは、生物の絶滅について話しているわけではないが、一世代か二世代はなんらかの生存の影響があったかもしれない。
放射性岩による健康への影響は?

では放射線による健康への影響はどうなっているのか?「3倍という放射線濃度がただちに健康被害を与えていた決定的証拠はない」コロラド州立大学のマイケル・ヴァイルは言う。
コロラドの特定地域では花崗岩が多いせいか土中にかなりの量のウランがあり、放射線量が高い。この地域の人々のガンの発症率は平均よりも少し高いのだが、それを超新星爆発が原因でできた平均より3倍高い放射性岩が原因だと結論づけるにはかなり無理がある。
ブラジルのガラパリ、インドのケララ、イランのラムサールなどは平均より6〜24倍以上も放射線量の高い地域でありながら、ガンの発生率は平均と変わらないという調査結果もある。それどころかどちらかというと長寿である人も多いという。
火星探査機キュリオシティの放射能評価の研究監督であるドン・ハスラーは、「平均の30倍もの放射線を浴びている宇宙飛行士に比べたら、3倍の放射線など問題ではないのかもしれない」と言う。
超新星から飛んできた放射性粒子は、ほとんどが中間子(不安定な亜原子粒子)で、貫通性が高いと考えられている。この放射性粒子は、バックグラウンド放射線のおもな成分であるラドン(吸い込むか、摂取しなくては有害にはならない)である。
自然放射線が人類に何らかの影響を及ぼしている可能性はあるが、まだ詳しいことはわかっていない。

10億年光年ごとの比較的近くの超新星の及ぼす放射線量を試算しているNASAの宇宙放射線研究所のマイケル・シヴァーズ氏によると、今すぐになんらかの影響がありそうな超新星が近くにある可能性は小さいと言う。
via:Supernovae 2 million years ago may have changed human behaviour・/ translated konohazuku / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
世界は核の炎に包まれた。海は枯れ地は裂け全ての生物は死滅したかに見えた。
だが人類は死滅していなかった。
…がこれか!
2. 匿名処理班
可視光線の人体への影響なんて現代はほとんどないだろう
屋内で暗くして寝ればいいわけだし
3. 匿名処理班
ベテルギウスの超新星爆発は?
ガンマ線バーストが地球に直撃する可能性は?
4. 匿名処理班
そういえば、うろ覚えで間違いかもしれないが
ぺテルギウスが爆発するとか噂があったが
ガンマ線だっけ?大丈夫なんでしょうか?
5. 匿名処理班
びっくりして木から落ちたのか!
※4 ※5
割と最近の研究では、ガンマバーストは2度くらいのピンポイントの範囲に集中すると言われている。
ブラックホールのジェットみたいな感じ。
太陽系はその範囲からはずれているから、壊滅的な状況にはならないと推測されている。
6. 匿名処理班
ダメだ、そんな線量浴びたら全員ハルクになっちまう。
7. 匿名処理班
全部モノリスのせいでしょ? 知ってる知ってる
8. 匿名処理班
宇宙放射線が三倍降り注ぐようになったら、
生物そのものへより雲が発生しやすくなる気候変動の方が影響大そうなもんだけどね
9. 匿名処理班
※10
どう考えてもそこまで言ってないだろ大丈夫か?w
10. 匿名処理班
それでも「今」があるんだから心配しなくても大丈夫。
11. 匿名処理班
あらゆる核融合の最後に出来る物質が鉄である、って
以前に聞いた事があるんだけど、鉄の同意体放射性物質
が地球にも降り注いだ、って事は地球の鉄の幾ばくかは
地球外からやって来た事になるのかな?それと、地球の生命体が多種多様なのはミネラル分が豊富であった事だ、って読んだ事があるんだけど、ひょっとしたら、そうやって飛来して来た金属類が生命体の大発生にも関与しているのかも知れないですね。かつての生命体の中に、核汚染に対する耐性を持つバクテリアや抗体物質を作り出せる生命体も居たのでは?なんて思ったりして。
12. 匿名処理班
ガンマ線ではなく、ゲッター線だったりして。
13. 匿名処理班
宇宙放射線が三倍降り注いで、もし地球上の生物が死滅していたら…
そもそも現在の我々の存在もないわけで、
存在しているのだから、あんまり影響はなかったという事でしょう
違うのかな?結構と生き残れなかった生物も居たのかな?
(この時代に絶滅した生物って多かったのかね?)
14. 匿名処理班
※7
ただし、爆発の衝撃で軸がどれぐらいズレるか見当もつかないので
完全に安心ではないらしいです。
15. 匿名処理班
その爆発の痕跡は 何処で観測出来るのでしょうか?
16. 匿名処理班
書いてあることあんまわかんなかった
とにかくやばかったんだねえ
17. 匿名処理班
フラッシュ!フラッシュ!危険の意味なんて フラッシュ!フラッシュ!忘れたのさ!
18. 匿名処理班
ベテルギウスの爆発で次はどんな進化を促すんだろう
19. 匿名処理班
鉄の破片が降り注いだわけではないのね?(読解力0)
20. 匿名処理班
現在の太陽系の惑星が揃った頃に存在した地球の各種元素の量から比べたら、その後地球に降り注いだ隕石や、超新星爆発によって飛来した物質などは微々たる物。そもそも惑星を構成する元素が、それ以前の超新星爆発によって撒き散らされた物に由来する。
ミネラル、つまり元素の存在比も重要だが、生命の発生を左右する条件はやはり温度や液体の水の存在ではないかと。
ただ、彗星などによって生命の種が撒かれたとするパンスペルミア説はそれなりに説得力があるので、地球の生命の起源を宇宙に求める事は間違いではないと思います。
21. 匿名処理班
200万年前の超新星って設定ではなかったと思うが、ロバート・L・フォワードの「竜の卵」で同じネタがあったと記憶。
22. 匿名処理班
※10
なるほど、確かに粒子放射線だと雲がたくさんできるから、地表は寒冷化しそうですね。 ただ、到達は可視光よりもかなり後じゃないでしょうか
23. 匿名処理班
飛鳥時代に超新星爆発した、かに星雲もたいした影響が無かったし、ペテルギウス爆発も大丈夫じゃない?