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44歳で「飼育下で最も長生き」記録を打ち立てたハト、虹の橋へ旅立つ

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(著)

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 ギネス世界記録には、その種の中で一番長生きした生き物の記録も、たくさん掲載されている。

 2025年9月、アメリカのミズーリ州で暮らす44歳のオスのハト「シュガー」が、「飼育下での最長寿」記録に認定された。

 シュガーはチェスターフィールドという街で、飼い主のミュージシャン、ドウェイン・オレンダーさん(77)といっしょに暮らしていた。

 残念ながら、シュガーはギネス世界記録の公式ページに紹介記事が掲載された4日後、虹の橋のたものへと旅立って行ってしまったという。

44歳で「飼育下で一番長生きなハト」に認定

 ギネス世界記録によると、シュガーは1981年6月23日生まれで、2025年9月4日にで44歳72日であることが確認され、「飼育下で一番長生きなハト」に認定された。

 シュガーとドウェインのストーリーは、2026年4月1日付のギネス世界記録公式ページで紹介されている。

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 1970年代の終わり、シュガーの飼い主のドウェインさんは、テネシー州に住む知人から、マジックショーで使っていたオスのハトを譲られた。

 彼はそのハトに「ルーサー」と名付け、ペットショップで購入したメスのハト「ギジェット」と一緒に飼うことにした。

 2話を一緒にしてから数週間後、ドウェインさんは彼らの巣箱に小さな卵が2つあるのを見つけた。

まさか孵化するとは思っていませんでしたが、孵化したんですよ。そして、そのうちの1羽がシュガーだったんです

 もう1羽は「ゴールディ」と名付けられ、別の家庭に引き取られた。その後もドウェインさんは多くのハトを育て、愛情深い家庭にペットとして譲ってきたという。

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まだ若い頃のシュガー image credit: Guinness World Records

 その中で、シュガーだけはずっとドウェインさんの手元で過ごしていた。1990年代には「ローズ」という名前のパートナーがいたそうだ。

 ドウェインさんはローズを「小さな白いバラ」と呼んだ。だがローズは1996年に亡くなってしまった。

ローズが亡くなってからというもの、シュガーは15年ものあいだ、一度も鳴いたり歌ったりしていません

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image credit: Guinness World Records

飼い主のミュージックビデオにも出演

 実はドウェインさんの本業はミュージシャンで、彼のミュージックビデオにシュガーも2回ほど登場しているんだそうだ。

 ローズを失い、歌うことを止めてしまったシュガーだが、それでも音楽に合わせてステップを踏み、リズムを刻んで楽しむという。

私は50年以上、音楽の仕事をしてきました。この子は、本当に音楽が大好きなんです。

シュガーは私のミュージックビデオ2本にも登場しています。私の40歳の誕生日のときと、『God’s Spotlight』という曲です。

この曲は、この子がきっかけで生まれたので、共同作曲者みたいなものだと話しているんです

 下がその『God’s Spotlight』である。「私たちは常に神のスポットライトを浴びている」というゴスペル調の楽曲で、天使のように光をまとうシュガーの写真が使われている。

God’s Spotlight

 長い時間を一緒に過ごすうちに、シュガーとドウェインさんの間には切っても切れない絆ができていた。

 彼の膝の上でくつろぐシュガーのことを、ドウェインさんは愛情込めて「ラップ・ドッグ(膝の犬)」と呼んでいたという。

シュガーは私のそばにいるのが当たり前の存在となっていました。私はこの鳥と長い時間を一緒に過ごしてきました。これからも、できる限り一緒にいたいと思っています

” God’s Spotlight ” – ( 2026 ) – (Orender & Hartman)

4月5日、突然の別れが訪れた

 だが、別れは突然訪れた。ギネス世界記録でシュガーの物語が紹介された直後の4月5日、シュガーは静かに虹の橋のたもとへと旅立って行った。

 シュガーは6月に45歳の誕生日を迎える予定で、ドウェインさんもその日を楽しみにしていたという。

 その死の翌日、ドウェインさんはバンドのパートナー、ケリー・ハートマンさんが投稿したシュガーへの追悼クリップのコメント欄で、次のように話している。

シュガーを失った翌日、孤独感がじわじわと押し寄せてきました。本当に辛いです。彼がいないと、部屋はとても空っぽに感じられます。

ただの鳥だと言う人もいるかもしれませんが、彼は約45年間ずっと私と共にあり、私が授かることのできなかった息子のように大切にしてきました。

残りの人生はとても辛いものになるでしょう。皆さまに愛を込めて。デウェイン・オレンダー.

In Loving Memory of Dove “Sugar” (1981-2026)

 ハトの寿命は決して長いものではない。飼育下でも10~20年とされることが多く、44歳という数字は単純にその倍を軽く超えていた。

 シュガーは人間の感覚で言えば、100歳を大きく超えるどころか、150歳に近づいてしまったような、未知の領域に入り込んだ超長生きなハトだったのだ。

 人間なら大往生と言ってもよい年齢だったが、ドウェインさんを襲った喪失感は、言葉では言い尽くせないほど大きなものだったようだ。

シュガーを失ったことは、私の人生で一番の痛みです。これまでに飼ってきた犬たちが亡くなったときも悲しみましたが、長い年月を共に暮らした分、悲しみはその年月に比例して大きくなりました

ペットを飼っている人ならわかってくださるでしょう。ペットと飼い主のあいだに生まれる愛と絆、そして共に過ごせたことの大いなる喜びを

It’s now OFFICIAL!! Dewayne’s beautiful Dove Sugar, is in the Guinness Book of World Records!

 シュガーの前の記録保持者は、ドイツのハト「メトセラ」とされている。2004年10月に、29歳6か月でギネス世界記録に認定された。

 下がそのメトセラの写真とされているものだ。シュガーは今回、このメトセラの記録を15年以上上回ったことになる。

 残念ながら、シュガーが45歳という新たな驚異の記録を打ち立てることは、永遠になくなってしまった。

 シュガーが旅立ってからまだ数日。ドウェインさんの心が癒えるのには、まだ時間がかかるに違いない。

 ペットを飼う者なら、誰もが避けて通れないのが今生の別れである。

 シュガーと45年近くの歳月を、それこそ彼が生まれた瞬間から共にしてきたドウェインさんの悲しみは、筆舌に尽くしがたいものがあると思う。

 今は静かにシュガーの冥福と、ドウェインさんが心穏やかに過ごせる日が来ることを祈りたい。

References: “My lap dog”: Sugar, a 44-year-old dove, lives the sweet life thanks to caring owner

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この記事へのコメント 15件

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  1. >ドウェインさんはローズを「小さな白いバラ」と呼んだ

    綺麗な呼び方
    やっぱりペットぐらい好きな名前で呼ぶべきだよなあ

    • +36
  2. 40年も生きれば世界の変動感じ取るには十分だ
    敬礼

    • +13
  3. 何故鳥は長生きなのだろうか
    ヨウムも70年以上生きると聞くし
    70年も生きたらこっちの寿命を心配しないと責任もって飼えないなあ

    • +17
    1. 子供が産まれた時に飼って、親が他界したら子が飼って…と思ったけど、70年以上て下手したら子も他界するよね
      孫もいないとちょっと飼いきれるかあやうい

      • +7
      1. 愛情深く、一緒に生活すれば。
        大丈夫、なんとかなります。
        愛は受け継がれていきます。

        • -2
    2. >何故鳥は長生きなのだろうか

      まだまだ不明な部分が多いけど、
      インスリン感受性や、ミトコンドリアの種類が、哺乳類とは異なる点を挙げる説もある。

      脂肪として貯め込む比率が少なく(⇒生活習慣病系の疾患が起きにくい)、代謝が高くてエネルギーを消費しまくるけど、哺乳類とちがって抗酸化力が強いため 老化の元になる活性酸素があまり発生しないと。
      飛べない鳥類より飛ぶ鳥、中でも助走をあまり必要とせず その場で飛び立てる種類の鳥ほど体温が高く、40~42℃もある。この副次的作用として、免疫力が上がって細菌感染のリスクが下がったり、温熱療法状態でがん細胞を死滅させて増殖を防いだりといった効果も、長命に寄与している可能性がある。

      • +7
    1. 平均寿命の倍生きてるにしてはきれいすぎるわね…
      平均寿命が長いオウムの高齢鳥だって結構ボロボロになってるのに

      • -18
    2. 冷笑系の老害まじでキツいから自覚したほうがいいよ

      • +15
      1. こういう人は老害ではなくただの「害」だと思いますよ。
        優秀な人が老いて「害」になったという訳でもないでしょうし。

        • +10
  4. カカポも90年生きるらしいし、ダチョウも飼育下では60年生きるらしいし、まだまだ世間には長生きな鳥が居るのだろう

    • +24
  5. なぜこれほどダントツに長生きできたのだろう?

    なんて聞くのは野暮だね

    • 評価
    1. 昭和の番犬は寿命が7~8歳と言われていたり、
      野良猫の寿命が3~5歳だったりしたのが、
      今では室内飼いで定期的に獣医に掛かりながら養生すると
      15年とか、20年近くとか生きるようになった。

      犬・猫は飼育家庭が多く動物病院のノウハウも蓄積されているけど、
      鳥はそこまででもなく、「平均寿命」と言われている年数はそもそも
      まだポテンシャルを十分に発揮しきれてない数字の可能性がある、
      って説も聞いたことがある。

      • +6
  6. ドイツのメトセラさんは、お名前に違わず長生き…と思ったけど、それを楽々と上回るシュガーさんの凄さよ。
    44年も一緒にいたのかぁ…そりゃあ…寂しいよなあ…

    鳩もいろんな種類がいると思うけど、マジック用の鳩っていうのはまたそういう専用の種類なのかな?

    • +5

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